イヌ科の動物
1.キツネ
見た目が犬に似ているため、仲間だと言われると納得する人が多いと思います。日本以外に北米、南米、ロシア、ヨーロッパ、アジア、アフリカ北部、北極ととても広範囲に分布しています。
森林や砂漠、草原など様々な環境で生息しているため、種類も非常に多いです。日本では本州にアカギツネ、北海道にキタキツネの2種が生息しています。
肉食に近い雑食性で、狩りをする点は犬と同じです。つがいが一生続くかどうかは不明ですが、子どもが生まれるとオスもメスと一緒に暮らすという点は人間と似ています。しかし瞳孔が縦に長く、木登りができるという点は猫と同じです。
2.タヌキ
体重5㎏程度と小さく鼻は短くて、外見は犬とはあまり似ていませんが、実はイヌ科に分類されます。肉食に近い雑食性です。
冬毛のタヌキはずんぐりして胴長短足に見えますが、夏毛になると足も尾も長く、犬に似ています。
日本では昔話やことわざなどに登場し、馴染みのある動物ですが、分布域はあまり多くありません。日本以外に朝鮮半島、中国、ロシアなどに分布し、世界的に見れば珍しい動物です。中国ではヤマネコやアナグマの仲間とされた時代もありました。
3.フェネック
ジブリ映画「風の谷のナウシカ」に登場する動物のモデルとされています。大きな耳と小さな体が特徴です。
アフリカや中東に分布し、砂漠で生活しています。小型哺乳類、爬虫類、昆虫、植物などを食べます。
体重1.5㎏程度で『世界一小さいキツネ』と呼ばれています。近年は小型犬や猫のようにペットにする人もいますが、人間には懐きにくく日本の気候が合わないので、飼育はとても難しいです。日本では10以上の動物園で展示されています。
4.ジャッカル
ジャッカルは古代エジプトの神話やヒンドゥー教などに登場する動物です。仏教にも登場しますが、中国や日本には生息しないため狐として伝えられました。
アフリカ、南ヨーロッパ、南アジアなどに分布しています。分布域は広いので種類によって住んでいる環境は違いますが、砂漠や湿地といった荒れた土地に生息していることが多いです。
体重15㎏程度で立ち耳で、大きさは中型犬くらいとされています。一夫多妻制で親が狩りをし、子どもがきょうだい達の世話をするという点は人間と似ています。
ジャッカルと犬は近縁のため、交配させてハイブリッドを誕生させることも可能です。実際ハイブリッドを麻薬探知犬として働かせている国もあります。
イヌとネコは本来同じ生き物
犬の仲間となると、意外と猫に似ている動物が多いですね。実はイヌとネコは元々同じ動物でした。
イヌとネコの祖先はミアキスという小型肉食獣です。体調約30㎝で胴や尾は長く、イタチのような姿だったと推測されています。爬虫類や鳥などを捕食し、森林地帯の木の上で生活していました。
森林で生活していたミアキスですが、食料不足などから草原へと移動するグループが現れました。これがイヌへと進化していきます。
草原では身を隠す場所がないため、外敵から逃げられるように脚は速く走れるように進化していきました。筋肉もついて体が大きくなっていったと考えられます。
一方、森林に残ったグループがネコへと進化していきます。木登りは更に得意になり、爪や歯は鋭くなりました。
生き残った理由は性格?
人間が進化して森林などを開拓していくうちに、絶滅してしまった動物はたくさんいます。しかし犬は上手く生き残ってきました。
現在の犬の祖先は人間の食料を守る、または外敵から家を守るのに都合が良かったため、人間と共に暮らすようになりました。
人間と暮らすことを選んだ犬は、本来暮らしていた群れでは食料確保ができず、大人しい性格だったとされています。それが人間と暮らすのに順応しやすかったのです。
まとめ
産業が発達すると動物たちは住みかをなくし、絶滅していきます。動物園で見る動物の中にも絶滅危惧種に指定されているものが多いです。
しかしそのような動物はペットしては向かない性格で、人間と同じ環境で暮らすには難しい体質であることが理由でもあります。
犬は賢く穏やかで人間ととても暮らしやすい動物です。犬はこれからもその愛らしい性格で人間と共に生き残っていくでしょう。