犬の鼻のスゴイ所!人間には無い特殊な能力を比較
人間より優れた嗅覚
犬の嗅覚はなんと、人間の約1億倍もあります!犬と人間の鼻を比較するために、匂い分子をキャッチする鼻腔の表面積を並べてみます。
- 人間: 3〜4平方センチメートル
- 犬: 18〜150平方センチメートル
人間より、犬の鼻の方が6〜50倍も大きいことがわかります。鼻の構造からして、やはり犬の方がにおいを嗅ぎ分けるのに長けているということですね。
犬種により嗅覚レベルに差があり、マズルの長い犬種ほど優れた嗅覚があるといわれています。嗅覚が優れた犬種の例としては、ビーグルやハウンドドッグやシェパードがあげられます。
日本で警察犬として登録されている犬種といえば以下の7種です。
- シェパード
- ドーベルマン
- コリー
- エアデールテリア
- ボクサー
- ラブラドールレトリーバー
- ゴールデンレトリバー
いずれも、生まれながら優れた嗅覚を持つ犬として知られています。
しかし、「人間の1億倍もの嗅覚がある」と聞くと、「いつも強いにおいを感じて暮らしにくいのでは?」と疑問に思うかもしれません。この点については、「においの嗅ぎ分けが優れている」という意味合いで受け止めてみてください。
もちろん、強いにおいのある状況にいる場合は別ですが、日常的に「臭いなあ」と犬が感じているということではないです。犬種によって嗅覚に差は生じるので、愛犬の嗅覚はどのくらい鋭い感知を持っているのか、ぜひ試してみてください。
フェロモンの匂いを嗅ぎ分ける
犬の鼻が持つ優れた能力といえば、フェロモンの嗅ぎ分けです。犬には発情期があり、メスの犬は発情期(ヒート)を迎えた時に発するフェロモンのにおいをオスの犬が嗅ぎ分けます。性フェロモン以外にも、子犬がいる母犬は鎮静フェロモンというにおいを発して安心感を与えるなど、犬には特別なフェロモン臭が存在しています。
人間の場合は「フェロモンを嗅ぎ分けることはできない」とされていますが、犬の鼻にはフェロモン感知ができるという器官「ヤコブソン器官(鋤鼻器・じょびき)」を使って見つけることができるんです。
犬同士が執拗にお尻のにおいをクンクン嗅ぐのは、肛門腺から発せられるフェロモン臭から、相手のデータ(性別や発情期にあるか、など)を集めています。犬なりに「この犬が好き」「ちょっと嫌い」と判断しているのでしょう。
人間にはそもそもフェロモンがなく、においを嗅ぎ分ける能力はありません。とはいえ、においの好き嫌いはありますよね。これは、脳が反応を起こしていることが関係していると思われます。
2つの嗅ぎ方を使い分ける
実は、犬は2つの嗅ぎ方を使い分けていることにお気づきでしょうか?1つは、鼻を上に向けるようにして空気中に漂うにおいを探る方法。もう1つは、地面に鼻を接近させてにおいの正体を探る嗅ぎ方です。
飼い主さんがお料理を作り始めた時に見せるのは、前者の「鼻を上に向ける」ですよね。鼻をクンクンさせて「美味しそうなにおいがする!」と反応している姿です。後者の「鼻を地面に接近させる」は、散歩中によく見かけるかと思います。
犬は鼻や耳から入る情報を頼りに行動をするので、この能力を頼りに警察犬などが活躍しているという訳です。
風向きを感知する
犬の鼻っていつも湿っていますよね。これは、風向きを感知する役目を働かせるためです。健康のバロメーターとして、「犬の鼻は湿っていた方がいい」ともいわれていますね。
鼻が湿っていた方が風向きや強さが感知できるだけでなく、匂い分子が付着しやすくなるという役目も担っているんです。人間の鼻も敏感ではありますが、風向きを鼻で判断することはやはりむずかしいものです。
まとめ
犬の鼻は人間より優れていることは知っていても、フェロモン臭を嗅ぎ分けたり、2つの嗅ぎ分け方があったりなど驚くべき能力を持っていることがわかりました。
生きるための能力とはいえ、においの感知の早さにはびっくりしてしまうものです。そんな犬の鼻の特殊能力をより深く知るために、じっくりと観察してみてください。