文字を理解する犬が存在する!?
「書かれた文字を見るだけで特定の動きをすることができる」という犬の動画が話題になったことがあります。主人公は、飼い主のDavidさんとアメリカのコロラド州に暮らす「オークリー」という名前の犬です。
動画は飼い主であるDavid GreenbaumさんのFacebookでシェアされていました。
オークリーは、文字と動きを理解するためのトレーニングを積んでいたようです。ドッグトレーナーのCieraさんが『お座り』という文字が書かれたカードを見せるのと同時に“お座り”と声に出して指示をするという方法です。
私も実際に動画を見たことがあるのですが、白いカードに黒い文字で『SIT(お座り)』や『DOWN(伏せ)』などと書かれていて、見せられた文字の通りにオークリーが動作をします。
犬に文字を覚えさせることはできるのか
犬に文字を覚えさせることは不可能だと思います。
犬の視力は0.1~0.5程度だとされています。グッと近づいて覗き込むように見なければ、飼い主の顔さえも覚えることが難しいくらいです。そんな犬に文字がはっきりと見えているかどうかも分かりません。
オークリーが文字を見て動作したのは何故なのか
トレーニング方法をもう一度確認してみましょう。
『お座り』という文字が書かれたカードを見せるのと同時に「お座り!」と声に出して指示をするという方法です。
『回れ・お座り・お手・伏せ』の順番で文字が書かれたカードを見せ、声に出して指示をし続けたのではないかと仮定しましょう。「指示される順番を覚えたのではないか」という仮説を立てることができます。
つまり、文字が書かれたカードを見せる順番が変わっても、動作する順番は変わらない可能性があるということです。
犬に文字を覚えさせる方法
「芸」のひとつとして、犬に文字を覚えさせる方法があります。
1.白いカードに『お座り』と書く
2.カードを見せながら「お座り!」と声に出して指示を出す
3.これを繰り返す
すると、犬は白いカードを見せられただけでお座りをするようになります。あたかも犬が文字を理解して動作しているかのように見せるという仕組みの芸です。飼い主の「白いカードを見せる」という動作と『お座り』という指示を合わせて覚えたのです。決して文字を理解したわけではありません。
他のパターンでも考えてみましょう。飼い主が「手の平を見せる」と同時に「お座り」と声に出して指示をします。これを理解して覚えた犬は、飼い主が手の平を見せただけでお座りをするようになります。
文字は理解できないけれど言葉を覚えることはできる!
犬に文字を理解させて覚えてもらうことはできない!と言っても過言ではないと思います。しかし、言葉を理解させて覚えてもらうことはできます。
きっと、みなさんの愛犬にも「お散歩」「ごはん」「おやつ」など、大好きな言葉がありますよね。「お散歩に行こうか?」と声をかけると、玄関に走って行き、マットの上にお座りして待つことができる犬もいますよね。
また、「ごはん用意するね」と声をかけると、自分の食器やテーブルの前で待つことができたり、ケージの中に入って待つことができたりする犬もいますよね。
その言葉の意味、その言葉を飼い主が発した後に起こる出来事まで理解しているということなのではないでしょうか。
まとめ
『犬に文字を覚えさせることはできるのか?』
残念ながら可能性は低いです。私個人的には不可能だと思っています。ご紹介したように、犬が文字を理解しているかのように見せる仕組みの芸を教えることはできると思います。
「書かれた文字を見るだけで特定の動きをすることができる」というオークリーに関しても、私個人の仮定と仮説を持って解説しました。
見せるカードの順番が変わっても、文字の通りに動作することができる、と証明できる動画がシェアされることを期待したいです。