犬に言葉を覚えさせるコツと注意点
1.言葉と行動を連動させる
犬は言葉と行動が連動した時、言葉を覚えやすくなります。例えばこのようなことです。
- 「お座り」と言いながら、おしりを手で下げるようにして座らせる
- 「お手」と言いながら、犬の手を自分の手に乗せる
「お手」と言いながら手を差し出した時、たまたま犬が手を乗せてくることもありますよね。その時に思いっきり褒めてあげることでも覚えてくれます。言葉と行動を嬉しい出来事(褒められたこと)が連動する瞬間です。
2.短い言葉で教える
犬は短い言葉であると覚えやすいです。飼い主が話しかける時、文章の中から単語だけを拾って聞いていることがほとんどだからです。
- 「まろん」ちゃん、「ママ」すぐに「ごはん」用意するからちょっと「待って」てね。
- 「ここ」ちゃん、明日は動物「病院」に「お薬」もらいに行かなきゃならないね…。
- 「ママ」「お出かけ」してくるから「いいこ」に「お留守番」お願いしますね。
このように話しかけた時、「カッコの中」の単語を聞き取り、飼い主が何を伝えようとしているのかを理解します。もちろん、行動が伴ってこそ理解できます。その他の言葉はあまり重要ではないのです。
「ごはん」と言えば、ごはんがもらえることが分かります。「病院」と言えば、病院へ行くことが分かります。「お留守番」と言えば、お留守番しなければならないことが分かります。
短い言葉でも起こる出来事や展開を理解することができるのです。文章も短くしてしまえば、より理解できると思います。あれこれ単語や言葉が入り混じっていると、混乱してしまうことがあるからです。
3.行動ひとつに対して言葉はひとつあればいい
行動をひとつ教えたい時、言葉はひとつあれば十分です。
「待て」「待てよ」「待てして」「待てだよ」「待てだからね」
どの言葉も犬に待っていてほしい時に使う言葉です。しかし、犬は前半の「まて」の2文字しかほとんど聞いていません。後半に付く言葉は何だっていいのです。行動が伴った上で「まて」さえ覚えてしまえばいいのです。
しかし、言葉を覚え始めたばかりの犬や新しい言葉を覚えようとしている犬にとっては、後半にあれこれ付いてくると混乱するばかりです。十分に覚えるまでは言葉はひとつに絞り、家族で共有するようにしましょう。
4.犬が好きな事と連動させる
犬が好きな事と言葉を連動させると、言葉を覚えやすくなります。
お散歩が大好きな犬であれば、「リード」「首輪」「ハーネス」「暑い」「寒い」「雨」「公園」などの言葉を覚えやすいです。どれもお散歩と関連して飼い主が発する言葉ですよね。
飼い主が「雨だね…」と漏らすだけで、犬は「今日はお散歩に行けないのか…」と理解するはずです。「暑い」と聞けばあまりお散歩できないなと理解するでしょうし、「寒い」と聞けば防寒服を着せられると理解するでしょう。
ボールで遊ぶことが大好きな犬であれば、「おもちゃ」よりも「ボール」と言った方がテンションが高くなりますよね。
そんな一方で、嫌いな事と連動して覚えてしまう言葉もありますよね。「歯磨き」「シャンプー」「爪切り」「耳掃除」などあるのではないでしょうか。その言葉を耳にした瞬間、逃げ回ったり隠れたりする犬もいますよね。
まとめ
犬に言葉を覚えさせるコツと注意点を4つ解説しました。
- 言葉と行動を連動させる
- 短い言葉で教える
- 行動ひとつに対して言葉はひとつあればいい
- 犬が好きな事と連動させる
「待て」「来い」「放せ」などの犬の安全や命にも関わる基本的なしつけに必要な言葉は、行動と言葉を連動させながら根気強く教えなければならない場合があります。
しかし、生活に必要な言葉やとくに必要ないけれど覚えてほしい言葉は、日常生活の中で自然と覚えてしまう場合があります。解説したコツを利用しつつ、覚えてほしい言葉を愛犬に向けて積極的に発してみてください。