1.「(たかが)動物のことでしょ?」
犬を飼っている人にとって、愛犬は大切な家族の一員だと思います。そのため、愛犬が亡くなったときには、大きな悲しみを感じ、喪失感でいっぱいになると思います。
しかしながら、犬や猫を飼っていない人からすると、あくまで「動物」に過ぎず、家族としては実感として捉えられない人も多いと思います。そのため、愛犬の死に直面して悲しんでいたり、ペットロスに陥っている人に対しても、「どうして犬のことでそこまで落ち込むの?」と感じてしまうこともあるようです。
「たかが犬のことで…」などとはっきりとした言葉は使わなくても、「そんなに落ち込まないで」などという言葉から「動物のことなんかで落ち込むな」と言われているように感じてしまう人もいるのです。
ペットロスに陥っている人に対しては、「動物のことで落ち込むな」といった聞こえ方をする可能性がある言葉をかけるのは控えた方がいいでしょう。
2.「いつまでも泣いてたら〇〇が悲しむよ」
愛犬を失って悲しんでいる人に対して、励ましのつもりで「いつまでも泣いていたら〇〇(犬の名)が心配するよ」「〇〇も安心して天国に行けないよ」などということは控えましょう。
犬を飼っている人にとって、その愛犬を失うことは自身の身が削られる程辛く感じるものだと思います。それを悲しむことは、決して悪いことではありませんし、いつまでも忘れることができず落ち着きを取り戻すまでに時間がかかるのも無理はありません。
そのような悲しみの中で、「愛犬が悲しむ」などの言葉をかけられると、ますます自分自身を責めてしまったり、つらい思いをさせてしまったりする可能性があります。愛犬のことを引き合いに出されると、さらにペットロスを悪化させてしまう恐れがあるので、絶対にやめてあげてください。
3.「早く新しい犬を迎えたら?」
飼っていた犬が亡くなって、ペットロスに陥っている人を見て、早く元気になって欲しいという思いから「新しい犬を飼ったら?」と提案する人もいるでしょう。確かに、新しい犬を迎えることで心が軽くなる場合もあるので、その提案も決して悪いこととは言い切れません。
しかし、新しい犬を迎えることは「亡くなった愛犬を忘れること、裏切ること」と感じてしまう人もいます。そして、新しい犬を迎えるかどうかを考えたり、決めたりするのは飼い主さん自身のペースですべきことだと思います。
新しい犬について提案されることで、「前の犬のことは早く忘れて」と言われているように感じてしまうこともあるので、この声かけは注意が必要です。
4.「先に死ぬのはわかってたはず」
犬の平均寿命は約14年とされ、長くても20年程度です。そのため、人間よりも早く亡くなってしまうという事実は、すべての飼い主さんが理解していることでしょう。しかしながら、実際に亡くなったときに、その事実をしっかりと受け入れることは簡単なことではありません。
先に亡くなることを覚悟していたとしても、悲しいものは悲しいのです。そのため、「犬が先に死ぬのはわかってたことでしょう?」「先に亡くなるのは仕方ないこと」といった声掛けをされると、「わかっていたって悲しいんだ!」という反発心を抱かせる恐れがあります。
まとめ
愛犬を失ったときの悲しみの深さは、人それぞれなので完全に理解し合うことはできないかもしれません。しかし、ペットロスに陥っている人と話をする場合には、無理に元気づけようとしたり、叱咤激励したりする必要はないと思います。
愛犬を失って悲しんでいることを否定したり、愛犬のことを忘れさせたりといった働きかけはしなくていいと思います。ただ、悲しんでいる気持ちに寄り添って、相手の気持ちを受け止めてあげるだけで十分ではないでしょうか。