犬にも眠いのに寝られない時があります
学校の宿題や会社の仕事があるわけではない愛犬の暮らしを見ていると、好きな時に寝て好きな時に起きられる生活が羨ましいと感じる飼い主さんもおられるかもしれません。
しかし、愛犬の生活は飼い主さんの生活をベースとしています。愛犬の様子をよく見ていると、眠くて仕方がないのにいろいろな状況から眠れずに我慢していることもあるのではないでしょうか。
最近はリモート授業や在宅勤務などで、飼い主さんの生活リズムが変化したことで、愛犬の生活リズムまで乱れがちになってはいないでしょうか。
今回は、愛犬が眠い時に見せるサインと愛犬の睡眠を邪魔する行為をご紹介します。眠いサインを見せているのになかなか眠れないでいる場合は、愛犬が安心して眠れる環境を整えてあげてください。
犬が眠い時に見せるサイン
1.寝床を整える
犬は、眠くなるとまず寝るための寝床を整えようと、床や敷物などの上を鼻で突きながら同じ場所をぐるぐると回ることがあります。その子の性格によるため、すぐに満足して横たわる子もいれば、いつまでもぐるぐると回り続ける子もいます。
いつもの寝床に自分からさっさと入っていく子もいるでしょうが、飼い主様の側にいたいけれども眠いという時には、飼い主様の側でこのような行動を見せることもあるでしょう。
2.寝床で横たわり深い溜息
寝床に横たわり、満足そうな表情で深々と鼻からため息のような深い息を長く吐いている時は、眠いサインです。ストレスを感じている時や体調が悪い時につくため息とは様子が異なります。横になり、満足気に鼻から吐いている場合は、眠いのだと察してあげましょう。
3.長いあくび
犬は、緊張している自分や興奮している相手を落ち着かせるためにあくびをすることがあります。しかしその時のあくびは、短いことが多いです。1回のあくびが長くて大きい時には、眠くて出ているあくびだと思って良いでしょう。
4.口をくちゃくちゃさせる
犬が伏せた状態で口をくちゃくちゃと鳴らしながら動かしている仕草も、眠いことを表しています。先程の長いあくびと併せて口をくちゃくちゃさせているようであれば、身体は既に眠る準備に入っていると考えても良いでしょう。
5.閉じそうな目でうとうとする
いよいよ体の方が限界で眠る寸前という状態になると、まぶたがくっついて閉じてしまいそうな状態になり、人間がウトウトしているときと同じように首を揺らしているような状態になります。
このような眠いサインを出しているにも関わらず、愛犬が眠らずにうとうとした状態を続けている場合は、何らかの理由で安眠できないのかもしれません。愛犬の睡眠を邪魔している要因を突き止め、安眠できる状況を整えてあげてください。
犬の睡眠の邪魔になるNG行為
うるさい
人間もそうですが、どんなに眠くても周囲がうるさいと眠ることができません。特に犬が聞き取れる周波数の範囲は人間の2倍近くもあり、私達には聞こえない音も聞こえていますし、人間の4倍も聴力が優れているとも言われています。
私達にとっては大きすぎない音量だとしても、眠い犬にとっては眠りを妨げるほどの大音量に感じているかもしれません。愛犬が眠そうにしている時には、できるだけ静かにしてあげましょう。
眩しい
眩しいと眠れないのも、犬と人間の共通する感覚でしょう。ただし薄明薄暮性の犬の目は、薄暗がりの中の少ない光も効率的に利用できるようなつくりになっています。私達にとっては眩しくなくても、犬にとっては眠りの邪魔になるほど眩しいかもしれません。
愛犬が眠そうしている時には、愛犬の寝床の周囲をできるだけ暗くなるようにしてあげましょう。
愛犬の生活リズムを乱す
本来犬は薄明薄暮性のため、夕方や明け方の薄暗い時間帯に活発に活動します。しかし人と一緒に暮らすようになり、飼い主さんの生活リズムに合わせて昼間活動し、夜眠るようにしています。この生活リズムを乱してしまうと、飼い主さんも愛犬も、お互いにつらい思いをすることになりかねません。
飼い主さんの都合で生活リズムが変更し、今まで就寝していたような時間にも起きていなければならなくなったような場合には、愛犬の生活リズムをできるだけ守れるよう、生活空間を上手にすみ分けられるような工夫をすると良いでしょう。
刺激を与える
どんなに身体が眠りに落ちそうな状況でも、そこに刺激を加えてしまうと愛犬は眠ることができません。そのため、愛犬が眠そうな様子を見せた時点で、愛犬には余計な刺激を与えないようにしてあげましょう。
名前を呼ぶ、撫でるなどといった刺激を与えず、そっとしてあげてください。なお、いつも眠る前に飼い主さんから撫でられるのが習慣化しているような場合は別です。愛犬が安心して眠れる状況を作り出すことが大切です。
まとめ
眠いのに眠れない状況は、犬にとってもつらいものです。しかも、犬は飼い主さんの生活に合わせて暮らしていますので、自ら環境を整えることは難しいと言えます。
愛犬が眠いというサインを複数示しているにも関わらず、なかなか安眠できない状況にいる場合、飼い主さんがそれを察知して、愛犬が安眠できるような環境を整えてあげる必要があります。
常にかまって上げる必要はありませんが、必要なタイミングで適切なケアをしてあげられるよう、愛犬の様子をよく観察するように習慣づけましょう。