犬は何歳から「老犬」になる?
犬は年齢によって、「子犬(幼年期)」「成犬(青年期)」「老犬(高齢期)」というライフステージに分けられます。一般的に生後1年未満の犬を「子犬」とすることが多いと思いますが、「老犬」と呼ばれるのはいつからなのでしょうか?
犬が「老犬」「シニア犬」と呼ばれるようになるのは、一般的に8~10歳頃が目安だとされています。ただし、これは犬種や体の大きさによってその時期は変動すると考えられ、体が大きい犬ほど早く年を重ねると考えられます。
犬の平均寿命が今よりも短かった一昔前は、「犬が老犬になるのは7歳が目安」と言われていました。しかし、近年では犬の平均寿命や健康寿命が延びたことで、老犬の目安も変わったのです。
大型犬の場合は、小・中型犬とは反対で成犬になるまでのスピードがゆっくりで、その後は成長スピードが早くなります。そのため、青年期がとても短く、1歳半~2歳くらいで成犬になり、5~7歳頃には高齢期に入ると考えられています。
「老犬」の目安として行動の変化にも注目
歩くのが遅くなる、段差を嫌がる
犬が年齢を重ねると、人間と同じように筋力が低下したり、関節が弱くなったりして、歩行に変化があらわれます。歩くスピードがゆっくりになったり、後ろ足がうまくあげられなくなって引きずったり、段差を避けるようになったりします。
これまではスムーズに昇り降りしていた階段の前で躊躇するようになったり、散歩中に歩くのが遅くなったりした場合は、体の老化が進んでいる可能性があります。
音や気配に反応しない
犬だけでなく動物は、年を取るとさまざまな感覚器が鈍くなるとされています。犬は優れた聴覚を持っていますが、老化現象としてまず衰えるのが「聴覚」である場合が多いようです。そのため、名前を呼ばれても気がつかなかったり、おやつの袋の音にも反応しなかったり、という様子が続く場合は、耳が遠くなっている可能性があります。
寝ている時間が長くなる
犬は青年期であっても一日の大半を寝て過ごしますが、老犬になるとさらに睡眠時間が長くなります。体力が低下することで多くの睡眠を必要とするだけでなく、周囲の気配に気がつきにくくなることからこまめに起きなくなるというのも要因です。
年齢を重ねて寝ている時間が増えた場合は、無理に起こしたりせず、ゆっくりと休ませてあげてください。
老犬の健康寿命を延ばすコツ
散歩や運動は続ける
老犬になると、体を動かすのがゆっくりになったり、散歩への関心が以前に比べて低下したりします。しかし、散歩や運動は何歳になっても必要なものなので、老犬になったからといって一切散歩に出ないようにする、ということはNGです。
筋力の低下や肥満を防いだり、脳への刺激を与えたりするために、犬の体力に合わせた散歩を続けることは健康寿命を延ばすためにとても大切なことでしょう。
老犬に適した食事にする
犬の健康を保つために、運動と並んで大切なことが食事の管理です。犬の体にの変化に応じた食事を取ることで、内臓に負担をかけず健康的な体を維持することができます。
老犬は成犬に比べると、筋力や運動量が下がることから必要なエネルギー量も約2割低下するとされています。老犬になっても青年期と同じ食事をしていると、肥満になる可能性があるので注意しましょう。また、老犬は喉の渇きに鈍感になることから、気がつかないうちに脱水症状に陥ることがあります。そのため、ドッグフードをふやかして与えるなど食事の水分量を増やしてあげるのもおすすめです。
生活環境をバリアフリーにする
老犬になると足腰が弱って足を上げにくくなったり、視力を含む感覚機能が低下したりします。安全に生活することができるように、犬の生活スペース内の段差をなくしたり、ぶつかると危険な場所をカバーしたりといった工夫をしてあげましょう。
まとめ
近年、犬の平均寿命が延びていることから、「老犬」とされる目安の年齢も上がってきています。小型犬や中型犬の場合は8~10歳頃、大型犬の場合は5~7歳とされていますが、年齢だけでなく普段の行動や態度から老化を認識することもできます。
犬が年齢を重ねて、体や行動に変化が感じられるようになったら、健康に長生きしてもらえるように散歩や食事、生活環境に気を配ってあげましょう。