犬の生理とは?人間との違い
そもそも「犬にも生理がある」という事実に驚いた方は、基本的な知識から身につけていきましょう。そして人間の生理との違いも知っておいてください。
犬の生理はメスの犬が迎えるもので、「ヒート」「発情」と呼ばれることもあります。犬の生理が初めて訪れる年齢は生後6〜18ヶ月後あたりが多く、周期は5〜10ヶ月に1度です。
人間の生理サイクルは約1ヶ月に1度ですが、犬の生理サイクルは約年2回と長くなっています。人間と犬では性周期が異なり、それぞれの期間が異なることが理由です。
また、犬は閉経することがなく、生涯に渡り生理を迎えますが高齢になるにつれ生理出血がなかったり、急に生理出血が多くなったりと不順になります。犬の年齢やサイズにより生理サイクルは異なりますが、犬の生理は年2回訪れるものだと考えておきましょう。
犬の生理にはこんな症状がある!4つのサイン
飼い主さんが心配なのは、「生理による出血や痛みのような症状によって愛犬が苦しむのでは?」という点ですよね。犬の場合は、発情前期から発情期まで約10日に渡る何らかの症状が見られます。ここでは、犬の生理中の具体的な症状についてまとめました。
1.落ち着きがなくなる
犬も人間と同じように、生理を迎えるとホルモンバランスの乱れにより落ち着きをなくすことがあります。なぜか部屋をウロウロする、夜鳴きをするといった行動も見られます。体を擦り付けるマウンティング行動を起こした場合も、生理が関係していることが多いです。
2.陰部が腫れる
犬に発情期間が訪れると、陰部が腫れたように膨らむことがよくあります。ただ、陰部の腫れはよく見ないとわかりにくく、犬によってはあまり変化がない場合も。いち早く変化に気づくためには、毎日のボディチェックは欠かせないですね。
3.お腹や乳房が膨らむ
変化は陰部以外にも起こり、お腹や乳房が膨らむこともあります。ホルモンの過剰分泌により「偽妊娠」と呼ばれる状態になることもあり、あたかも妊娠したかのような巣作り行動や食欲低下といった症状が出るケースも。このような状態は生理中に起こるよりも、生理の1~2か月ほど後に起こることがほとんどです。
万が一犬が偽妊娠状態になっても、たいていの場合は数週間後にはおさまります。体調不良やメンタルに大きな異変が出てしまう場合もありますが、まずは獣医師に相談してみてください。
4.出血がみられる
人間と同じく、犬も生理になると出血をします。ただし、犬によって出血量に差があり、無出血の場合もあるので気づかない場合も多いです。犬がすぐに舐めてしまい、飼い主さんが見逃すこともよくあります。
また、尿もれや便秘の症状も伴うこともあります。「生理痛は犬はない」といわれていますが、いつもより元気がなくなり、休む時間が長くなりやすいです。
犬の生理で飼い主にできること
「メスの犬だから仕方ない」、とはいえ愛犬に生理が訪れると飼い主さんとしては不安ですよね。犬は人間のように言葉を話せませんので、先ほどお伝えした症状はいち早く気づいてあげることが大切です。ここではさらに、犬の生理中に飼い主さんが注意をしたりサポートできることをまとめました。
犬用のマナーパンツを利用する
出血を伴う犬の生理にマナーパンツ(サニタリーパンツ)の利用は有効です。血液の付着を防げること以外にも、周囲に「生理中である」ということを認知させる意味合いを持たせることができます。
散歩中にオス犬と接近しても、マナーパンツによって「生理なので近寄らないで」と言わずとも伝えられるのは意外と便利です。パンツタイプかオーバーオールタイプが選べるので、愛犬の体型に合う物を選びましょう。
生理が遅れている場合は検査をする
「なかなか生理がこない」という場合は遅れているのか、ほかに原因があるのか、1度検査をすると安心です。犬によって生理がくる年齢が遅かったり、無出血で飼い主さんが気づかないうちに終わっていたりすることもあります。
出血がなくてもオス犬が近づいてくる場合は、「実は生理中」だったりすることがあります。陰部の腫れがないかチェックしてみてください。
まとめ
生理中の犬はデリケートな状態になっているので、「いつもより元気がない」と感じてしまうことがあります。お散歩などの運動は、愛犬が嫌がるようなら無理をしない方がいいでしょう。
生理中の症状は犬により差がありますが、早期発見のために日々のボディチェックは欠かさず行ってください。