犬を飼うためのルールを知ろう
犬を飼育する前にはおそらく家族と話し合ったり、犬を寿命がくるまで世話をしようと心構えをしたり、住宅事情を考えたり、様々な準備をすると思います。どのような犬種がよいか、その寿命は約何年か、食餌はどうか、なりやすい病気はないか、動物病院はどこにあって価格はどのくらいか、運動はどのくらい必要か、など調べることも盛りだくさんです。
このほかに事前に調べたり学んだりするべきことは何でしょう。
それは「犬を飼うためのルール」です。
1.法律を知ろう
犬を飼う際に関係してくる法律は『動物の愛護および管理に関する法律』と『狂犬病予防法』です。
「動物の愛護および管理に関する法律」については、動物を取り扱う際に正しい知識のもと適切に取り扱い飼育しましょうという内容のもので、ペットだけではなく動物園の動物やタレント動物、実験動物、家畜などの産業動物などすべてに適用されるものです。
条項はたくさんあってすべてを学ぶのは難しいのですが、特に一般の飼い主さんが知っておくべきことは次の4点でしょう。
- マイクロチップ装着の義務2022年6月より義務化
- 動物虐待に対する罰則の強化暴力だけでなくネグレクト(放置)も罰則の対象(放し飼いの禁止)
- 無計画な繁殖の防止不妊去勢手術の推奨
- 幼齢犬(猫)の販売禁止生後8週齢までの販売を禁止
この中でもマイクロチップの装着については、ブリーダーやペットショップから迎えた犬の場合飼い主側が登録の変更手続きをする必要があるため、犬を飼うときは忘れないようにしましょう。
また狂犬病予防法は狂犬病の発生と蔓延を予防するためにとても大切です。動物の輸出入に関する条項や、犬の登録、予防注射などについて取り決められた法律です。犬を飼い始めたら30日以内に動物病院を通じて自治体へ畜犬登録をし、狂犬病予防接種を受けることが義務付けられています。
この登録をしないと法律違反となり、20万円から30万円の罰金が科されることがあります。地域の公衆衛生のため、きちんと守りましょう。
2.しつけ方法を知ろう
犬のしつけというと難しく考えてしまう人もいるかもしれませんが、なにも特別にハードな訓練をする必要はありません。家庭や社会に順応して暮らしていくために必要なルールを教えることと考えてください。
しつけ方法は年々アップデートしているので、月齢や家族構成、住宅事情などによっても随時変わっていきます。犬の個性や家族のニーズを考慮して、お互いにストレスが少ない生活ができる方法を探したり勉強していったりする必要があります。一度できたから大丈夫、ではなく、犬がいる限り生涯ずっと「しつけ」が続いていくイメージで勉強をしていきましょう。
また、迎え入れてすぐの時期(生まれてすぐから生後3ヶ月くらいまで)は「社会化期」と呼ばれ、子犬たちがさまざまな経験を通して周囲の環境に慣れていく期間として重要視されています。この時期の経験が、ほかの犬や人、家族との関係を築く基になるため、母犬や兄弟犬とは離さず、無理のない範囲でできるだけ多くの人や音、環境に触れさせてあげてください。
あまり早い時期に母犬から離したり、社会化期にずっと室内に閉じ込めておいたりすると、何に対しても警戒心が強く常にストレスにさらされている状態の犬になってしまう可能性が高くなります。(法律でも生後8週までは母犬と離して販売しないように明記されています)
まとめ
犬と暮らすことはとても素敵な事なのですが、事前に準備したり勉強したりしなければお互いに不幸になってしまうこともあります。
愛情をもって世話をする以外にも、法律や地域のルールをちゃんと守っていくこと、しつけをして社会で暮らすルールを身に着けさせることを意識して、素敵なドッグライフを送って下さいね。