犬のウンチでわかる『体調不良のサイン』5つ 軽度~重度の見極め方まで解説

犬のウンチでわかる『体調不良のサイン』5つ 軽度~重度の見極め方まで解説

うんちはわんこの体調のバロメータ。検便して専門的な検査をしなくても、色や形からだけでもさまざまなことを知ることができます。今回はうんちでわんこの体調を見極める方法をご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

ここを確認!わんこのうんち確認のポイント

犬のうんちを拾っている手

うんちは胃や腸などの消化器官で消化しきれなかった食物や、体内の老廃物が肛門から排出されたものです。

そのため食べたものや体調によって、うんちの色や状態、量は変わります。大切なのは愛犬の「いつものうんち」がどんな状態であるかを把握しておくことです。ではわんこのうんちのどんなところを確認すればよいのでしょうか。

1.色

わんこのうんちは茶色が正常な色とされていますが、食べものによって多少の変化はあるため、濃く黒に近い茶色から明るめの茶色までは許容範囲と言えるでしょう。

2.形状

食べものに含まれる水分量にもよりますが、下痢ではなく形がある状態で断面が正円に近いものであればおおむね問題はありません。理想的な硬さはつかんだときに簡単につかむことができ、地面や草にくっつかない程度といわれています。

3.量

うんちの量も食べものに左右されますが、繊維質を多く含むドライフードを主食にしている場合には量が多く、ウェットフードや乳製品を多く食べている場合には比較的少なめになります。

4.頻度

うんちの頻度は1日に1~2回が一般的です。ただし人間でも便秘がちな人がいるように、わんこも2~3日排便がない場合もあります。

5.混入物

うんちに混入物がないかはぜひチェックしておきたいところ。被毛や誤飲した紙きれ、消化できなかった野菜や果物の種子などが混ざっている分には問題はありません。

知っておきたい!項目別の重症度目安

診察を受ける犬

1.色:赤い便や黒いタール便

赤いうんちは血便であることが明らかですが、黒いうんちも血便の一種です。そして実は、黒いうんち特にコールタール状の黒い血便こそが最も重度であると疑われます。

赤い血便は大腸・肛門などの下部消化管からのわずかな出血の場合がほとんどですが、黒い血便は胃・小腸などの上部消化管からの大量の出血である可能性が高いからです。

2.形状:扁平なうんち

上から押しつぶしたようなひらべったい扁平形のうんちが出る場合、うんちの通り道である直腸内に腫瘍やポリープができている可能性、去勢手術を行っていない高齢のオスの場合は前立腺疾患の可能性が考えられます。うんちの形を変えてしまうほど障害になっているということですから、重度の可能性も否定できません。

3.量:異常な量の下痢

水っぽいものを多く食べ過ぎたなど、心当たりのある下痢であればさほど心配はありませんが、いつも通りの食事だったのに急に下痢が続くようになった場合や、異常なほどたくさんの下痢をしている場合、また嘔吐を伴って元気がないといった場合は重度の体調不良が疑われます。

わんこは下痢で脱水状態になっても自ら水分補給をすることがなかなかできません。病院での処置も必要になるため、すみやかに受診をおすすめします。

4.頻度:長引く便秘

1日や2日の便秘であれば、水分不足や運動不足に端を発する軽度なものがほとんどですが、3日から4日以上にわたって便秘が続いている場合には、何らかの原因でうんちの通り道が塞がれてしまっている可能性が出てきます。また、腸の機能が落ちている可能性もあります。

形状の項目でご紹介したような腫瘍やポリープ、誤飲してしまった異物が支障している場合も考えられます。

5.混入物:寄生虫

うんちへの混入物で注意したいのは寄生虫です。一見、白い糸のように見えるものがよく見ると寄生虫であることもあるので、よく観察する必要があります。大きさは様々で、目に見えないサイズから1mに及ぶものまであります。寄生虫は種類や寄生数によって症状が異なり、栄養障害や重度の貧血を起こす場合もあります。

まとめ

うんちをしている犬

いかがでしたでしょうか?わんこは体調に異変があっても言葉で訴えることはできません。それどころか体調の悪化を隠してしまいがちな生き物です。

うんちを回収するときにはただ漫然と処理するのではなく、色や形に気を配ってみましょう。いつもと違うと感じたら他に異変がないか様子をよく観察し、動物病院を受診する際の目安としたいものです。

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