邪馬台国の卑弥呼も?
人間は、気圧の変化や湿度が原因となり、頭痛、肩こり、めまい、倦怠感が起こります。一説によると、邪馬台国の女王・卑弥呼も気象病を持っていたそう。
気圧の変化を感じることにより、天候が崩れる、嵐が近づいていることを予知できたという、興味深いエピソードもあります。気象病は、予知能力として捉えられていた時代があったのかもしれませんね。
気象病のメカニズム
現代では、気象病のメカニズムについて、多くのことが分かってきました。気圧や温度の急激な変化が起きると、耳の奥の「内耳」というセンサーが変化をキャッチし、脳から自律神経を経由して、蓄積していた不調や疲労が症状として顕著に表れます。
気象病は、女性に多い病気のひとつと言われますが、それは月経や更年期など女性ホルモンのバランスに影響されているからだそう。天気が悪くなる前後に、いつも体調不良や古傷の痛みに悩まされるのはつらいですね。
さて、私たち人間がこのような気象によって受ける体の変化。犬はどうでしょうか。
犬にも気象病はあるの?
たくさんの研究により、動物にも気象病があることが分かっています。メカニズムは人と同じで、湿気が増えることで体の中の水分量も増えて体がむくみ、気圧が下がると体内の圧も下がります。
特に犬では、脳神経系の持病を持っている子に、その反応がダイレクトに伝わるといった様子が見られます。その中でも、特に台風と体調の悪化との関係がよくある事例です。その子によって、台風が近づく何日前くらいから調子が悪くなる、などのいパターンがそれぞれあるとのこと。
持病を抱えている犬の飼い主は、自身の犬の体調変化のリズムをつかみ、獣医師に相談のもと、慎重に体調コントロールをしている方が多くみえます。
愛犬が持病を抱えていたら
生まれつき、突発性、脳腫瘍などによる「てんかん」や、チワワなどにみられる脳の奇形「水頭症」、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに多い「脊髄空洞症」等の持病は、気圧の変化との関係に特に注意が必要です。
発作を起こしやすいタイミングをそれぞれ把握することが大事で、気圧が下がる過程、気圧が下がりきったときなど、個体によってそれぞれタイミングに違いがあります。
愛犬のつらさを少しでも和らげてあげるためには、やはり様子の観察を丁寧に行うことにあります。その上で、獣医師との連携プレーができれば安心ですね。
これも、ひとつの気象病
「雨が降ると、憂鬱で…」と感じる飼い主が多いように、犬もまた、雨の日は気分が沈みがちで、どことなく元気がない様子が見られるようです。
みなさまご周囲のように、犬は人間よりもずっと優れた五感を持っています。そのため、気圧の変化や湿度、嵐や雷が近づいていることをより早く、直接的に感じます。
…と、ここまでは教科書的なお話。雨の日に大事なのは、気分の持ち方です。例えば「朝から雨か。嫌だなあ」、「体調が悪いなあ」、「うちの子は持病があるから、かわいそうだなあ」と、飼い主が残念そうな顔をしながら犬に嘆くと、犬はどう感じるでしょうか。
そう。同調して、あなたと同じような残念そうな顔やポーズを取るでしょう。雨の日は思い切って気分をチェンジして、犬も飼い主もお昼寝の日、ゆっくりしてコンディションを整える日、としてしまうのもひとつの手です。アロマを楽しんだり、好きな音楽やお茶でリラックスし、愛犬と雨の日を楽しんでしまいましょう。
まとめ
気象病と犬の関係についてお話をしてきました。私たち飼い主が、犬の気象病についてできること。それは、知識で予防する、気持ちを前向きに持つ。こんなところにあると思います。そうそう、自律神経を整えるのもおすすめです。
この機会に、ドッグマッサージやツボ押し、ドッグヨーガなどの世界を学び、愛犬とともに健やかに雨の日を乗り切りたいですね。