犬にNGな『春の野草』11選!散歩で気をつけなければいけない植物とは

犬にNGな『春の野草』11選!散歩で気をつけなければいけない植物とは

若草萌える野山や公園での愛犬とのお散歩は、春の楽しみの一つでしょう。しかし、野山や花壇などに咲くごく身近な植物の中にも、犬には有害な植物があります。普段は野草を口にしない愛犬も、いつどのような理由で口にしてしまうかわかりません。今回は、お散歩で気を付けなければいけない春の野草をご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

身近な草花にも危険が潜んでいます

散歩する犬

春になり日差しの暖かい日が増えてくると、いつもの散歩コースにも色鮮やかな花が咲き、愛犬の表情も楽しそうに見えてきます。

しかし野山や公園の花壇など、ごく身近な所に生えている植物の中にも、犬が口にしてしまうと危険な植物があります。普段は野草などを口にすることのない犬も、いつどのような理由で口にしてしまうか分かりません。

体調不良を招くだけではなく、呼吸困難や心停止など、命の危険に及ぶほどの毒性を持っている植物も少なくありません。今回は、犬が口にすると危険な春の野草をご紹介します。

散歩で気を付けるべき春の野草

1.カーネーション

カーネーション

4月頃から花を咲かせ、白、赤、黄、紫、桃色など多様な色の花を咲かせる地生(土に生える植物)の多年草です。花壇などで栽培される他、切り花として室内に飾られることも多いです。日本では、母の日の贈り物の定番です。

犬が口にしてしまうと、胃腸障害を引き起こします。また触っただけでも皮膚炎を引き起こすため、あまり近づかせないように注意しましょう。

2.テッポウユリ

4月頃から花を咲かせる地生の多年草です。公園や庭園、花壇の他、鉢植えや切花としても楽しまれています。テッポウユリに限らず、ユリ科の植物は花や葉、球根に毒性があり、犬が口にすると急性腎不全を引き起こすため危険です。

特にテッポウユリ、オニユリ、コオニユリ、カノコユリ、キスゲは猛毒だと言われています。花瓶の水も飲ませないように注意しましょう。

3.ゼラニウム

ゼラニウムと犬

4月頃から花を咲かせる地生の多年草です。公園や庭園の他、人が集まる広場のような場所に、鉢植えやバスケットとして飾られていることもあります。

犬が口にしてしまうと、皮膚炎や食欲不振といった症状を引き起こします。

4.スズラン

4月頃から花を咲かせる地生の多年草です。山地や草原に生えており、花壇や鉢植えとしても楽しまれています。

全体に毒性を持っており、犬が口にしてしまうと嘔吐、下痢や心拍数の低下といった症状を引き起こします。また重症化してしまうと、不整脈やけいれん発作を起こすこともあります。

まれにできる赤い実は一粒食べてしまうだけで亡くなる程の猛毒です。スズランが活けてある水を誤って飲んでしまっても亡くなるケースがあります。

犬のいるご家庭では植えたり、活けたりしない方が無難です。

5.チューリップ

チューリップと犬

3月頃から花を咲かせる地生の多年草で、品種も非常に多く、花の色も白、赤、紫、黄、桃、橙色などとても豊富です。公園や庭園、花壇などの他、鉢植えや切花などさまざまな形で楽しまれている春を代表する花の一つです。

毒性は特に球根に多く含まれていますが、茎などに含まれる品種もあります。一般的に言われている症状は皮膚炎、口内炎、心不全ですが、大量摂取による死亡事例もあります。

6.ワラビ

食用の山菜として有名なワラビですが、生で食べると毒性があり大変危険です。雑木林や道路脇などでも見かけることのある、ごく身近な野草の一つです。

症状としては貧血、不整脈、運動失調、血尿等が挙げられます。また急性中毒で血液凝固不全になり、出血多量で命に危険が及ぶといった事例も報告されていますので、山菜だからとの油断は禁物です。

7.ウマノアシガタ

ウマノアシガタ

日当たりの良い草地や道路脇などでよく見られる、地生の多年草です。3月頃から小さな黄色い花を咲かせます。

全草に毒を含むので犬が口にすると口の中に炎症を起こしたり、下痢や嘔吐を引き起こし、やがて血便が出たり元気がなくなったりしてぐったりします。大量に摂取すると呼吸麻痺や痙攣を引き起こし亡くなることもあります。

8.ヒアシンス

2月から4月頃に花を咲かせる地生の多年草です。品種も多く、花の色も青、紫、赤、桃、白、クリーム色と多彩です。公園、庭園、花壇や鉢植え、切花など、さまざまな形で楽しまれている花です。

球根に強毒性の成分を持っていますが、茎、葉、花など全体的にも有毒です。犬が口にすると、大量のよだれや下痢、嘔吐、震え、けいれんなどを起こします。球根から出る粉が原因でアレルギー症状を起こすことがあります。また、シュウ酸カルシウム血症を球根などに多く含むので接触しないように注意が必要です。口内や腸管を腫らし、重症化で呼吸困難になることもあります。

9.アジサイ

アジサイと犬

6月頃から花を咲かせる地生の低木です。花の色は青、白、赤、桃、紫など多彩で、公園、庭園、街路樹、花壇、生垣、鉢植えなどの形で梅雨を象徴する花木として広く親しまれています。

アジサイの毒性成分は葉と花に含まれています。犬が口にすると嘔吐、けいれん、めまい、ふらつきや呼吸麻痺などを引き起こします。また人の食中毒事例も報告されています。

10.福寿草

落葉樹の林の中などに地生する多年草で、2月から4月頃に花を咲かせます。この花も、公園、庭園、花壇などの他、鉢植えなどでも楽しまれています。

福寿草には植物全体に毒性があり、犬が口にしてしまうと血圧の上昇や呼吸困難、心臓麻痺などを起こすことがあります。

11.ツツジ

ツツジ

日本に広く分布している地生の低木です。4月頃から赤や橙の花を咲かせます。公園や庭園の他、盆栽や鉢植え、切花としても広く楽しまれています。

犬が口にすると嘔吐、下痢、よだれといった症状を引き起こします。重症化でけいれん発作や昏睡状態となり、死亡することもある危険な植物の1つです。

まとめ

春の散歩

散歩コースや外出先に咲いている野草は、基本的には犬に食べさせるべきではありません。他の動物の糞尿で汚染され感染症の感染源となるリスク、残留している除草剤・農薬などを口にしてしまうリスクが高いからです。

温かい日差しを浴び、色とりどりの草花を見ながらの散歩は楽しいですが、愛犬が誤って植物を口にしてしまわないように、十分に注意しながら楽しみましょう。

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