しっぽの役割
他の動物にも言えることですが、犬を含めしっぽのある動物たちは、とてもうまくしっぽを動かすことができます。
ではそもそも、このしっぽは何のためについているのでしょうか。
しっぽの役割は大きく分けると3つあります。まずはその役割を確認していきましょう。
重り
まずは、体のバランスをとるための「重り」の役割です。歩いたり走ったり、曲がったりするときに尾の重さで下半身のバランスを取り転倒を防いだり、泳いだり方向転換をしたりするときなどの舵の役割もあるようです。
体温調節
次に、体温調節のための役割もあります。しっぽは小さな骨が連続して作られていますが皮膚に覆われており、体表の面積を増やしています。そのため熱を放散しやすくなっているんですね。
また、寒い時にふさふさの毛があるタイプの犬の場合、丸くなって鼻先や手足の先といった皮膚がむき出しになっている部分を保温したりします。
コミュニケーションツール
さらにしっぽには、「コミュニケーションツール」としての役割があります。
犬たちは言葉を持たない代わりに、多彩なボディランゲージを駆使してお互いのコミュニケーションを図ります。しっぽはあげたり下げたり振り回したりと様々な動きが可能なので、これを用いて感情を表現するんですね。
しっぽを振り回すときの心理3選
1.嬉しい!
お尻まで含めてぶんぶんとしっぽを振り回している時は、「嬉しい!」「楽しい!」という事が多いです。特にしっぽを持ち上げて振っている時は犬もポジティブな感情であることが多いようです。
このような時の犬たちは、表情を見ても「笑顔」です。体いっぱいに楽しさを表現しているといって良いでしょう。
ただしこの時の犬たちは嬉しさのあまり興奮していることも多いため、飼い主やお客さんが高い声で応答したり、同じように興奮したりして興奮すると余計に大騒ぎをするようになります。犬にとってはいくら喜びのあまりの興奮といっても、度が過ぎればストレスになりますので注意が必要です。
2.ごめんなさい!
しっぽを下げて(あるいは後ろ足の間に挟みながら)小刻みに動かしている時は、犬たちは「降参」「ごめんなさい」と言っている可能性があります。
しっぽが下がっている状態というのは犬の「不安」を表していると言われています。そのような状態でしっぽを振っている時は、不安が高じて興奮している状態なのでしょう。この時の犬たちは、表情も上目遣いだったり少しこっちの様子をうかがっていたりすることが多いような気がします。
3.こっちに来るな!
1の場合とよく似ているため、間違って近づいてしまったせいで吠えられたり噛まれたりする危険があるパターンです。
興奮しながら高く持ち上げたしっぽを激しく振っていたり、逆にゆるやかに振っていたりする場合は、まず犬の表情を観察しましょう。
目つきが鋭い時、耳までピンっと緊張しているときというのは「あまり近づくなよ」というサインです。また、しっぽを低い位置でゆっくり振っているときは、嬉しいけどちょっと怖い、警戒中という気持ちが表れています。
まとめ
犬たちはしっぽや表情で私たちに様々な感情を伝えます。そのサインはとても細かく、ほんの些細な差で全く別の気持ちを表していることもあります。
ぜひ飼い主さんは愛犬の目線や表情、全身の様子などを日頃から観察して、しっぽを振っているという動作を眺めるだけでなく、その動作にこめた彼らの気持ちをくまなく読み取ってあげてくださいね。