「犬は死ぬ前に飼い主から離れたがる」って本当?
皆さんは「犬が亡くなる前に飼い主から離れようとする」という話を耳にしたことはありますか。現在では、家の中で飼っているご家庭が多いため、飼い主のいない場所に移動してしまうということはあまりありません。
しかし、一昔前はお庭で飼っているご家庭が多かったため、リードを食いちぎっていなくなったり、いつもは居ない庭の隅っこに移動して亡くなっていたり…という話をよく耳にしました。
これは犬の野生時代の本能が関係していると考えられています。つまり、この行動は偶然ではなく、意図的に飼い主から離れた場所に移動して亡くなっているという説が濃厚です。
犬が亡くなる前に飼い主から離れようとする心理4選
では、犬が亡くなる前に飼い主から離れようとする行動には、どのような心理や理由が関係しているのでしょうか。ここでは、現在濃厚と考えられている説をご紹介します。
1.自分の弱点を見せまいとする本能
家庭犬として人間と一緒に暮らしている現在も、犬には野生時代の習性や本能が色濃く残っていると言われています。その1つに「自分の弱点を他の人や犬に見せない」という習性があります。
野生動物全般に言えることですが、外では自分の弱点を少しでも見せてしまうと、そこに付け込まれ襲われてしまう可能性があります。そのため、自分の弱点を必死で隠そうとする動物が多いのです。
犬も例外ではありません。この「自分の弱点を見せまい」とする本能が無意識のうちに働くため、亡くなる前に飼い主から離れようとするのではと考えられています。
2.敵に襲われないように隠れている
「弱点を見せたくない」という理由に似ていますが、野生の本能として亡くなる前、自身が弱っていると自覚したタイミングで「弱っている時に敵に襲われないように」と隠れられる場所に移動するという説も濃厚です。
普段過ごしている飼い主の近くでは、もしも敵が襲ってきた時に隠れようにも隠れられないため、そっと静かに隠れて回復できる場所を探すのです。
もちろんご家庭で飼われているため、現在では襲われる心配はありません。しかし、野生時代の名残として、本能が働いている可能性は高いと考えられています。
3.仲間(飼い主)に迷惑をかけたくない
犬は野生時代、群れで行動していました。1匹が弱っていると、そこに付け込まれて仲間全体がトラブルに巻き込まれる可能性があったのです。
こうした集団行動を好む犬にとって自分が弱っているところを付け込まれた場合、仲間である飼い主に迷惑がかかる可能性を考えて、離れようとするという説も唱えられています。
弱っている自分を守ろうとして、飼い主まで危険に晒したくないという愛情とも言える理由が隠されているのかもしれません。
4.認知症による徘徊先から戻れなくなった可能性も
最近では、犬の高齢化問題が取り上げられるようになりました。その中でも特に注目を集めているのが『認知症』です。認知症を患うと認知機能が衰えるため、意図せず徘徊し、迷子になってしまうことがあります。
外に出ることがなくても見知った家の中で徘徊し、元の部屋に戻れなくなってしまうというケースもあるため、家の中だからと安心はできません。
まれに認知症により徘徊し、最悪外に出てしまうと家に戻れなくなってしまい、望まない孤独死を迎えてしまう例もあるため、認知症を患っている高齢犬を飼っている方は注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が亡くなる前に飼い主から離れようとする心理については、犬たちは話すことができないため、はっきりとした理由はわかりません。しかし、現在の研究によると、野生時代の本能的習性が影響しているものと考えられています。
ぜひこうした豆知識を頭に入れ、少しでも愛犬との最期の過ごし方に役立てていただければ幸いです。