口臭の原因とは
口臭は様々な原因で発生します。
「普段はそれほどにおいがしないのに、急に口が臭い」となった場合は、においがキツい食べ物を食べていたり、食糞をしていたりすることが多いようです。
この場合は一時的に口臭が強くなりますが、時間が経つと軽減していきます。
何か食べた様子もなく、いつも口が臭いという場合は、口内環境がよくない状態である可能性が高いです。
この場合の原因は、不十分な歯磨きや口内ケアによる、歯についた歯垢です。
人間と同様に、犬たちも歯を使って食べ物を咀嚼するため、どうしても歯や歯茎に汚れが付着します。
これを歯磨きで除くことで歯垢がたまることを防ぐわけですが、犬の場合はそれが不十分になりやすいため、どうしても口が臭くなりやすくなります。
歯垢がたまっていても定期的にきれいにしていればひどい口臭になりにくいのです。
しかし放っておくと、歯茎が腫れたり出血したり、歯垢が歯石となってこびりついて歯周病の原因となってしまいます。
口臭がひどい時に考えられる病気
1.歯周病
犬のひどい口臭は、主に歯垢が原因の歯周病や歯肉炎です。
歯周病とは、歯に付着した歯垢と口内の雑菌やミネラルが結合してできる歯石が増えることで、歯茎に炎症を起こすことで進む病気です。
これを放置すると、腫れた歯茎から出血したり、その傷口から細菌が血管に入り込み、内臓などに感染を引き起こす危険があります。
口が臭い、と気が付いたら、どんな臭いがするか観察してみてください。
物が腐ったような臭いがした場合、歯周病の可能性があります。
初期では口が臭い以外の症状がありませんが、しばらくすると歯茎から出血したり、歯茎が弱り歯が抜けてしまうこともあります。
また、炎症が進んで顎の骨も溶けてくる危険もあるのでmなるべく早く獣医さんに相談しましょう。
2.内臓疾患
消化管や肝臓、腎臓といった代謝などに関係する内臓に病気があるときも、口が臭くなることがあります。
本来、食べ物は消化管から血管やリンパ管に吸収され、肝臓で代謝され腎臓で老廃物が選別され排出されるシステムとなっています。
しかしこれらの臓器に異常がある場合は、老廃物や不要物となるはずのものが体内に残ってしまい、それが「口臭」として現れることがあります。
特に腎臓の異常の場合は、症状が現れる頃にはすでに相当病気が進行していることが多いようです。
愛犬の元気がなくなったり、食欲がなくなっていたりして(あれ?)と思ったら、すぐに動物病院で診てもらうことが大切です。
また、人の場合もそうですが、胃が悪くなると胃酸が過多となり、口臭が酸味を帯びることがあります。
3.腸閉塞
こちらは主に、小腸や大腸に何らかの異物が詰まってしまったり、腸自体がねじれることが原因となるものです。
腸閉塞になると、消化された食べ物の残りかすが上手く肛門まで移動することができなくなります。
そのため、腸内に「便」がとどまってしまいます。
その結果、げっぷや口から排出されるガスが「便」の臭いになってしまうことがあるのです。
腸閉塞は口臭以上に命にかかわる事態を引き起こします。口臭とともに激しい嘔吐、便が小さくなりその後出ない、食欲廃絶、元気消失などの症状があれば早急に動物病院を受診してください。
まとめ
犬の口は多少臭いもの、という人も多いのではないでしょうか。
ちゃんとした歯磨きや食べるものを注意することで、一時的な口臭はある程度抑えることが可能です。
しかし歯茎からの出血があったり、激しい嘔吐や下痢などを伴う口臭の場合は、内臓の病気の可能性が高く緊急性が高いものです。
いつもと臭いが違うなどに気が付いた場合は、なるべく早めに動物病院で治療を受けたほうが良いでしょう。