ズバリ!わんこの正確すぎる体内時計
ごはんの時間が近づくとそわそわしはじめたり、飼い主さんにまとわりついて催促したりするわんこは少なくありません。そして驚くべきことに、その時間はまるで時計の針が読めているかのように正確なのです。
ですがもちろん、わんこは時計を読んでいるわけではありません。わんこのこの時間感覚の正確さは、体内時計(いわゆる「腹時計」)が作用していると考えられています。
人間でも決まった時間になるとお腹が空く、決まった時間になると眠くなる、逆に決まった時間になると自然に目が醒めるといった現象がありますよね。わんこにもこれと同じ原理が働いているのです。
そもそも体内時計って何?
ですがそもそも体内時計とは何なのでしょうか?体内時計は専門研究分野においては「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれ、約24時間周期で変動する生理現象のことを指します。
2017年には、この体内時計を生み出す遺伝子である「時計遺伝子」のメカニズムについての研究がノーベル医学・生理学賞を受賞し話題になりました。この体内時計は、人間やわんこだけでなく全ての生物に備わっていると言われています。
食事は体内時計のキーポイント
体内時計が形成されていく過程では、さまざまなことが因子として働くと考えられています。代表的なものは、周囲の明暗や気温変化のサイクルなどの環境要因です。
そして同様に重要と考えられているのが食事のサイクル。人間の場合では、1日3回の食事回数と摂取時間が体内時計の形成に大きな影響を与えるとともに、健康な体づくりに効果を上げていることが研究によって明らかになっています。
わんこの体内時計の研究はまだ研究途上ですが、人間と同様に食事がキーポイントとなっていることはほぼ確実でしょう。
あれ?わんこの体内時計が狂っていると感じたら
人間の場合、夜型生活や食事を摂らないなどの不規則な生活習慣が体内時計を狂わせ、ひいては健康に悪影響をきたすことが指摘されています。
実はこの問題は人間に限ったことではありません。人間とリズムを合わせて生活しているわんこの場合、飼い主さんの不規則な生活リズムに合わせたがために、わんこ自身の体内時計も狂ってしまうことがあるのです。
おかしな時間に食事や散歩を催促する、夜になっても寝ようとせずに活発に活動しているなどのようすが見られたら、体内時計の不調を疑ってみましょう。
シニア犬の場合は認知症の可能性も
不規則な生活リズムを規則的に見直すことで、体内時計は徐々に整っていきます。ですが注意が必要なのはシニア犬の場合です。
シニア犬が夜にむだ吠えをするようになったり、昼夜逆転の生活リズムになってしまった場合、単に体内時計が狂ってしまっただけではなく認知症の発症が疑われるからです。
わんこの平均寿命が延びた近年、わんこの認知症は大きな問題となっています。認知症は完治はできない病気ですが、早期発見である程度の症状の抑制をすることはできます。おかしいなと思ったら手に負えなくなる前に動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?よくわんこと暮らすと生活が規則正しくなると言われますが、体内時計の仕組みを知ることでその理由が少し理解できたのではないでしょうか。
わんこの正確な体内時計に合わせて生活することで、人間の体内時計も自然に近いリズムになり、健康な生活習慣を手に入れることができます。
わんこの催促や要求に応えてごはんを与えるのは、わんこの要求行動を助長しかねないためあまり好ましいことではありませんが、わんこの行動を先回りするくらいのつもりで規則正しい生活をしたいですね。