1.飼い主さんの顔が見えると安心する
愛犬が飼い主さんの顔の近くで眠る理由のひとつとして考えられるのが、大好きで信頼している人の顔を見て安心して眠れるというものです。
犬は群れで暮らしてきた動物としての本能で、仲間と一緒に眠ることで身を守れると感じています。
そのため、最大の味方である飼い主さんがそばにいることを確認し、そして顔を見ながら一緒に眠るということは大きな安心感につながると考えられています。
犬は愛情表現やコミュニケーションのために、飼い主さんの顔を見つめることが多いと思います。
それは起きているときだけでなく、寝ているときでも同じなのかもしれませんね。
2.枕を使いたい
犬が飼い主さんの顔の近くで眠っている理由が、飼い主さんへの感情ではなく「枕を使いたい」というものである可能性もあります。
ふかふかとしている枕に、犬は心地良さを感じていて、それを使うためにベッドや布団の上の方に寝場所を確保しているのかもしれません。
飼い主さんが寝ていない時間でも、枕を使って寝ている様子が見られる場合は、単純に枕を気に入っているのでしょう。
しかし、枕は飼い主さんの頭や顔が付く場所でもあり、できるだけ清潔を保つべきものです。
犬が寝ることで、足の裏やお尻の汚れなどが付着してしまうこともあるので注意しましょう。
3.その場所が一番快適
犬は自分が心地良く眠れる場所を見つけることが、とても得意な動物です。
家の中で寝る場合も、冬にはポカポカと日当たりの良い場所を見つけたり、夏にはひんやりとした感触の場所に移動したりして眠る様子が見られます。
また、クッションやベッドなどふかふかとしていて気持ちが良い場所や、体がすっぽり収まる狭い場所も犬は好む傾向があります。
このようなことから、飼い主さんが眠っているとき、頭や首のあたりが犬にとってちょうど心地良いと感じている可能性が考えられます。
さらに、一緒に眠っているとき、足元にいると寝返りを打った飼い主さんに蹴られた経験がある犬の場合は、安全に眠るために足元を避けて寝場所を確保していることもあるでしょう。
犬が頭の近くで寝るときは「下に見ている」って本当?
少し前までは、犬のしつけを行う上で「飼い主は犬のリーダーでなければならない」「犬に主導権を握られてはいけない」という、いわゆる「リーダー論」が重視されていました。
その影響から、犬が人間の頭の近くで眠るということについて、「自分の方が偉いという主張」「飼い主さんが下に見られている」と言われることもありました。
しかし、そこに科学的な根拠はなく、飼い主さんと家庭犬の間で起こる行動にそのような意味はないと考えられるようになってきています。
そのため、多くの場合、頭の方で寝ていることに主従関係に関する意味はないと考えられます。
普段から飼い主さんの言うことを全く聞かない場合などを除いて、頭の近くで寝ているからといって、その犬が飼い主さんをバカにしているのではないかということを心配する必要はないでしょう。
まとめ
犬が飼い主さんの頭や首の近くで寝ていることに、しつけや関係性に関わる大きな意味は持たないと考えられています。
その場所で寝ているのは、「そこが一番心地良く眠れるから」「飼い主さんの顔が見れて安心するから」という心理によるものだと思います。
顔の近くで寝ていることに特に問題はありません。
しかし、日頃から愛犬との関係性があまり良くない場合や、衛生面で気になる場合は犬の寝場所を移動するようにしましょう。