犬が遠吠えする意味
犬が「ワオーン」と遠吠えする姿は野性的で犬らしさを感じます。
でも、そもそもなぜ犬は遠吠えをするのでしょうか?
いつもの「ワンワン」という吠え方とは違い、首を上に向けて遠吠えする犬を見て疑問に感じてしまいますよね。
まずは、犬が遠吠えする意味をみていきましょう。
犬同士のコミュニケーションのため
ご存知かと思いますが犬の祖先はオオカミです。そのオオカミは遠吠えで仲間とコミュニケーションを行います。
つまり犬が遠吠えするのも、本能的に犬同士でコミュニケーションを行うからです。
ご近所から「ワオーン」と聞こえるとそれに合わせて遠吠えする犬がいるように、「ここにいるよ!」と知らせ合っているのかもしれません。
また、犬は遠吠えによって自分の縄張りを知らせているという説もあります。
犬によっては、「ここに入ってこないで」とマウントを張っている可能性もあります。
ストレス発散のため
一節によると、犬が遠吠えするのはストレス発散のためともいわれています。
人間も大声を出すとスッキリすることがありますが、犬もそうなのかもしれません。
ただ、何もないタイミングで犬が遠吠えした場合は、お散歩や遊びなど犬と過ごす時間が不足していないか見直した方がよさそうです。
何かを訴えかけている可能性があります。
寂しいから
飼い主さんの後ろ姿に向かって遠吠えするときは、「寂しいよ!」と伝えている可能性があります。
お留守番が苦手な犬に遠吠えされてしまうと、ちょっと出かけにくいですね。
もし遠吠え以外にも、後追いや常同行動といった仕草が見られるときは「分離不安症」を発症している場合もあります。
愛犬に対して不安を感じるのなら、獣医師などの専門家にアドバイスを伺ってみてください。
嬉しいから
寂しいばかりでなく、嬉しさのあまりに「ワオーン!」と遠吠えする犬もいます。
大好きな飼い主さんの帰宅時に遠吠えする犬もいますね。
ただ、頻繁に遠吠えをされると近所迷惑が気になってしまうでしょう。
そんな時は犬の遠吠えに対して反応を示さず、一貫してスルーをして対策を行ってください。
相手をしてしまうと癖になってしまうので要注意です。
認知症の場合もある
犬が何もないのに遠吠えをしたり、昼夜問わず吠えてしまうときは認知症を発症している可能性も。
老犬であれば人間と同じように認知症になり、吠える以外にも問題行動を起こしてしまいます。
トイレを失敗したり、名前を呼んでも反応しないなど不審な点が増えてきたら早めに獣医師にご相談ください。
犬がサイレンやチャイムに反応する理由
ではなぜ犬はサイレンやチャイムのような音に反応するのでしょうか?犬が反応しやすい音といえば、このようなものがあります。
- 救急車の「ピーポーピーポー」
- 消防車やパトカーの「ウー」
- 玄関の「ピンポン」
- 赤ちゃんの泣き声
- 楽器などの音
犬が音に反応する1番の理由は周波数にあります。
ちなみに、救急車のサイレンの周波数は770Hz~960Hzです。
90デシベルというかなり大きな音量で「ピーポーピーポー」とサイレンが聞こえてくると、あちこちの犬が遠吠えを始めますよね。
これは、犬が遠吠えに近い音と認識してしまうからなんです。
つまり、犬はサイレン音などが聞こえてくると、「あ!どこかの犬が吠えている!」と認識し、自分も遠吠えで反応しているということになります。
あくまでも仮説ではありますが、「犬がサイレンやチャイムに反応するのは本能的に遠吠えしてしまう」と考えるのが一般的でしょう。
また、ダックスフンドやビーグルなど、猟犬のルーツを持つ犬種の方が遠吠えしやすい傾向にもあります。
まとめ
救急車のサイレンが聞こえてくると同時に「ワオーン!」とあちこちの犬が遠吠えする声が聞こえてくるのは、犬本来のルーツに大きな理由があることがわかりました。
ただし、さまざまな理由が絡んでいるので、遠吠えする理由がよくわからない場合はしばらく観察を続けてみましょう。
体調や老化などが絡んでいる場合は、早めに獣医師に相談してみてください。