報酬3点セットのひとつ?
犬が褒められるとなぜ喜ぶか、について、様々な実験が研究者の間で行われていますが、その理由はこれだ!という決定的なものはまだ解明されていません。しかし、犬という動物の習性には、「報酬」というものが大きく関係していることは分かっています。
その報酬のひとつが、「褒められること」です。報酬には他に、おやつ、撫でられるがありますが、これは報酬3点セットのようなもの。現代の犬のしつけで主流とされているのは、これらを使って、喜び物質であるドーパミンを促すことで、行動と報酬を結び付けていくものです。
好きな褒められ方、犬それぞれ
ここで、何頭かの犬にインタビューをしてみましょう。質問は「あなたはどうやって褒められるのが好き?」です。
- ママがニッコリしながら「いい子ね、〇〇」と、褒めてくれると嬉しくなっちゃう(トイプードル4歳)
- じいじから「よしよし」と、頭や首をグリグリと撫でられると、僕って安心するんだ(柴犬3歳)
- 海外ドラマみたいに「イエース!ブラボー!すばらしい!!」と高揚してほめられるのが最高です(ラブラドールレトリバー6歳)
- 目と目が合ってニコッとされるだけで「ああ、いま私、褒められているわ」と感じるの。逆に、大きな声で褒められるのはちょっと苦手(チワワ12歳)
などなど、十犬十色の回答がありました。これはもちろんフィクションですが、たぶん犬はそれぞれに、こんなことを感じているとお伝えしたかったのです。
そう。つまり、犬によって感じ方は色々。ですから、褒め方のマニュアルやルールなどはなく、正解はあなたと、あなたの愛犬の間にだけ存在するのです。
上手な褒め方、ポイント5選
これらをふまえ、次に、一般的に上手な褒め方とされる例を5つ見てみましょう。この中からいくつかを組み合わせたり、すべてを使ったりして、愛犬にぴったりの褒め方を研究してみてください。
1.短く
いい子、よしよし、いいね、そうそう、グッド、ナイス、など、短い言葉で褒めると、犬に伝わりやすく、それを受けた犬はあなたに親しみと喜びの感情を持ちます。反対に長く、くどくどと褒めるのは、あまり犬に伝わらないことが多いです。
2.すぐに
タイミングが勝負。良い行動、飼い主が望む行動をしたら見逃してはいけません。すかさず、すぐに褒めるというのが大きなポイントです。タイミングを逃さず褒めることで、今の行動は→褒められるんだ→またやろう!と、学習していきます。
3.高い声で
犬の唸り声を想像してみてください。「ウゥ~」と低く、くぐもった声ですね。犬は相手に対して不信感や警戒心を持つとき、また、それは嫌だ、という拒否の気持ちを持つとき、苦しいときに低い声を出すものです。
飼い主も、犬をたしなめたり注意をする際は、自然と厳しめの低い声になっているでしょう。ですから、褒める時はその反対。高く優しい声で褒めるのが効果的です。
4.笑顔で
犬が笑うような表情を見せるのは、犬たちが歴史の中で人と暮らすようになり、より人とコミュニケーションを深める必要があったからだという説があります。そうだとすれば、犬を褒めるとき、私たち人も言葉だけではなく、笑顔で褒めるのがより効果的なはずです。
5.心から
いくら取り繕っても、心から褒めなければ犬には伝わりません。これは経験からも言えることですが、心ここにあらずの状態で犬を褒めると、褒められた犬はポカンとしたような表情で、その褒めを受け流すようなところがあります。犬は人よりも何倍も直感に優れた生きものですから、すぐに気づいてしまうのですね。
まとめ
さて、いかがでしたか。愛犬に今すぐしてあげたい『上手な褒め方』5選をお届けしました。あなたとあなたの隣の笑顔が、いつまでも幸せに満ち溢れるように、たくさん褒めて、愛情を紡いで行ってください。