愛犬との生活
愛犬と同伴のキャンプや水遊び、雪山でのスノーシューや公園でのフリスビーなど、愛犬と楽しめるアウトドア系の遊びはたくさんあります。
なによりも、愛犬との生活には小型犬であっても毎日のお散歩が欠かせません。
犬の飼い主さんには、愛犬と一緒に体を動かすことが好きな方が多いのではないでしょうか。
愛犬と一緒に運動を楽しみたい飼い主さんや、これからそういう生活を考えている方に、運動が大好きで、かつ比較的飼いやすい犬種をご紹介します。
運動が大好きな犬種の傾向
犬には、数百にも上る犬種が存在しています。
人間と共に暮らしてきた中で、特定の役割を担ってもらうための特徴に着目して品種改良をしてきた結果です。
そして、犬種の持つ特性毎にグループ分けが行われています。
そのため、運動が大好きな犬種に関しても、犬種グループをベースに考えることができます。
犬種は10グループに分類されますが、その中でも特に運動が大好きな犬種は、「牧羊犬・牧畜犬」、「テリア」、「鳥猟犬」、「視覚ハウンド」です。
牧羊犬・牧畜犬
牧羊犬・牧畜犬は、広い牧草地にいる羊や牛などの群れを吠えたり走り回ったりして誘導し、守る役割を持つため、スタミナがありタフな肉体をしています。
具体的には、シェットランド・シープドッグ、ジャーマン・シェパード・ドッグなどが属しています。
猟犬
テリアは、キツネなどの小動物を狩る猟犬です。穴の中にいる小動物を狩るため、小型でもとても多くの運動量を必要とした身体の作りになっています。
具体的には、ジャック・ラッセル・テリア、ヨークシャー・テリアなどが属しています。
鳥猟犬
鳥猟犬は、撃ち落とされた獲物をくわえてくる仕事を担っていました。
人の役に立つことを喜ぶ傾向があり、飼い主さんと一緒に行える訓練、ゲーム、スポーツ等を好みます。
具体的には、レトリーバー、スパニエル、ウォーター・ドッグなどが属しています。
視覚ハウンド
視覚ハウンドは、優れた視力と足の速さを活かして、遠くにいる獲物を追いかけて仕留める猟犬でした。
体型はスラッとしていますが、スピード感とスタミナを兼ね備えています。
具体的には、サルーキ、グレーハウンドなどが属しています。
運動が大好きで比較的飼いやすい犬種
ここからは、前述のグループの中から比較的初心者の方にも飼いやすい犬種を選んでご紹介します。
1.ボーダー・コリー
イギリス原産の中型の牧羊犬です。
非常に活動性が高く、遊び好きなのが大きな特徴です。
1日に2回、1時間程度ずつの散歩が必要ですが、それだけでは運動量が足りません。
訓練に対する能力も高いため、一緒にスポーツを楽しみたいという活動的な飼い主さん向きの犬種です。
縄張りへの防衛本能とそこから出る警戒吠えや無駄吠えが多いので、集合住宅での暮らしは難しいかもしれません。
しっかりと運動欲求を満たしてあげないと、ストレスからさまざまな問題行動が発生するため、体力と時間に余裕のない飼い主さんには、飼育が難しいでしょう。
2.ミニチュア・シュナウザー
ドイツ原産の小型犬で、祖先をたどると牧羊犬の血筋を引いています。
畜犬団体により、テリアもしくは使役犬のグループに属しています。
農場でネズミを退治したり家畜を守る仕事を担っていました。
好奇心旺盛で、元気いっぱいな犬種なので、散歩は1回30分を1日に2回行いましょう。
比較的訓練に対する能力が高いため、テリアの中では飼いやすい犬種です。
しかしテリア気質で攻撃性があるため、その点は覚悟が必要です。また、警戒吠えも多いので注意が必要です。
3.ラブラドール・レトリーバー
イギリス原産の大型犬で、鳥猟犬に属している犬種です。
遊び好きで活動性が高く、訓練に対する能力も高くて人懐っこく穏やかな性格をしています。
散歩は、1回1時間を1日に2回は必要です。それでも満足できない犬もいるかもしれません。
引っ張りっこや宝探しなどの知恵を使う遊びを取り入れると良いでしょう。
攻撃性や縄張り防衛本能、警戒吠えなどが少ないため、今回ご紹介する4犬種の中では、最も飼いやすい犬種かもしれません。
しかし大型犬なので、十分なスペースが必要です。
また、テンションが上がると周囲が見えなくなるタイプが多いので、しっかりと運動をさせて家の中で落ち着ける環境を整えましょう。
4.イタリアン・グレーハウンド
イタリア原産の小型犬で、視覚ハウンドに属する犬種です。
ウサギなどを追いかける狩猟犬の血筋で、レーシングドッグとして活躍していたグレーハウンドの末裔です。
散歩は1日2回、1回30分は必要です。長距離を走ることを仕事としていたため、散歩以外にも走らせる機会が必要です。
訓練に対する能力が比較的高く、攻撃性や警戒吠え、無駄吠えが少ないため、初心者でも飼いやすい犬種です。
ただし、非常に華奢な足なので、ドッグランでは同じ大きさの犬と遊ばせるようにしましょう。短毛で寒がりなので、冬は防寒対策が必要です。
まとめ
アウトドアを愛犬と一緒に楽しみたいという思いから、運動が大好きな犬種と一緒に暮らし始めようと考えている方は、よく考えてから迎え入れてください。
運動が大好きな犬は、ただ好きなだけではありません。運動をしなければ耐えられないような身体の作りになっているのです。
そのため、平日はお散歩だけで週末に少し運動量を増やす程度では、ストレスが溜まって問題行動があらわれることもあるのです。
そうなると、愛犬も飼い主さんも共に苦しむことになります。
長期的な視点で、飼い主さんご自身の体力や時間に対する余裕の有無をしっかり考慮した上で、運動が大好きな犬種を迎えてあげてください。