それぞれのフレンドリー
フレンドリーとひと口に言っても、それぞれの飼い主さんによって違う感覚がある。ということを、まず最初に申し上げます。
「うちの子、フレンドリーだから大丈夫」。と飼い主さんが思っていても、他人から見ると「いや、そうでもないよね。グイグイ行き過ぎて、相手は怖がっているよね」といった印象を受けることもあるでしょう。
つまり、フレンドリーな犬という解釈には幅があり、人によって感じ方の違いがあります。
フレンドリーのビジョン
さて、フレンドリーな犬、というのは実際にはどういった犬の性格を指すのでしょうか。
ご挨拶が上手にできる。愛想よくできる。周囲に敵意を持たず、仲間の輪を乱さない。相手を受け入れ、みだりに順位付けを望まない。(マウントなどがそれに当たります)ケンカに発展しないように上手に遊べる。こうしたものがフレンドリーな犬のビジョンではないでしょうか。
フレンドリーな犬に育てるための3つの秘訣
1.社会化は投資である
何をさておき、まずはこちら。社会化は未来への投資とも言えます。意識して様々なシーン、音に慣らす。色々な犬、猫、鳥など他の動物を見せる。男性、女性、老人、子供などに触れてもらう。もっとバリエーションはありますね。
わたしたち人の生活にあるものすべては、これから犬も通らなければならない道ですから、できるだけ多くの環境に慣らすのが目的です。ただしこれにはコツがあります。それは、浅く広く体験させるということ。
つまり、ガッツリとではなく、じんわりと。最初は見るだけ、次はちょっと近づいてみる。段階を踏むプロセスが大事です。なぜなら、犬は本能的に警戒心を持った生きものですから、それらが安心であることを理解するための時間と回数が必要だからです。
2.自信を持って
実は、飼い主との信頼関係ができている子ほど、安定したフレンドリーさを持つ傾向にあります。それはなぜか。答えはたったひとつです。いつでも守ってくれる飼い主がいることで、犬に自信が生まれるからです。
フレンドリーな犬というのは自分に自信があるというのが特徴で、恐怖心やむき出しの敵意、びくびくと怯える気持ちは、自信のない犬によく見られます。ここで、犬の自信についてご説明をしますが、犬の自信というものは、犬単体では成り立ちません。もともと持って生まれたものに、環境がプラスされ、さらに、飼い主の育て方が大きく関わってきます。
コツは、まず飼い主自身が堂々と振舞うことです。犬にばかり「自信を持って」と言う前に、ご自身がいつでもフレンドリーかどうか。そして、犬が困ったらいつでも守ってあげるという強い気持ちがあるかどうか。犬育ては、飼い主の心構えに大きく左右されます。
3.求めすぎないで
犬同士がじゃれ合う姿は、見ている飼い主も楽しい気分になりますね。でも、生まれながらにシャイな犬がいますので、こちらもどうぞ理解ください。
シャイな犬の飼い主のほとんどは「もっとお友達ができたらいいのに」、「どうしてあの子みたいに明るくできないの」、「ドッグランに行っても飼い主の足元にばかりいます」などなど、もっと、もっと、と、犬に社交性を求めがちです。
しかし、犬の気持ちを考えてみましょう。他の犬と遊んで楽しくなかった、という経験が過去にあったかもしれませんし、他人や他の犬よりも、飼い主が大好きで、飼い主と一緒にいられればそれで満足する。という子もいます。
他の犬と遊ぶ、他人に愛想良く振舞うだけが、いわゆる「良い子」ではありませんので、無理させないように、その子、その子のフレンドリーのボリュームに合わせることが大事です。
まとめ
いかがでしたか。フレンドリーな犬に育てるための秘訣を3選お送りしました。犬の気持ちに寄り添って、たくさんの体験を重ねましょう。それらに笑顔のエッセンスをくわえれば、フレンドリーの輪は加速して膨らみます。
犬と社会。これらをつなげる大中小のフレンドリー。たくさんのフレンドリーの輪でつながっていきたいですね。