犬が咳をする時に考えられる5つの病気 動物病院に行くべき危険な症状とは?

犬が咳をする時に考えられる5つの病気 動物病院に行くべき危険な症状とは?

愛犬が乾いたような咳を繰り返したり、「ゲェー」というような激しい咳を繰り返すことはありませんか。犬が咳をする際は基本的に要観察となることが多いですが、中には病気が関係しているケースも少なくありません。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬が咳をする時に考えられる5つの病気

咳をする犬

犬が咳をする様子を見せることは珍しくありません。しかし、あまりにも激しい咳が出ていたり、乾いたような咳が何日も続いたりするようであれば、病気の可能性も考えられます。ここでは犬が咳をする時に考えられる病気を紹介します。

1.ケンネルコフ

ケンネルコフは、ウイルスや細菌の混合感染により発症する、いわば『犬の風邪』とも言われる病気です。基本的に健康な成犬であれば1週間ほどで自然治癒することが多いです。

しかし子犬やシニア犬など、免疫力が低下している状態でケンネルコフにかかってしまうと、重症化してしまう恐れがあります。ケンネルコフは、定期的に接種する混合ワクチンで予防することが可能です。

2.気管虚脱

酸素マスクをつける犬

気管虚脱とは、呼吸をする際に気管が潰れてしまうことで息がしにくくなってしまう病気です。小型犬が発症する傾向が多いですが、中型犬や大型犬にも見られます。

気管虚脱を発症すると、「ガーガー」という異音のような咳を見せるようになります。また、重症化すると舌が紫に色になるチアノーゼを発症する恐れもあり、大変危険です。

3.喘息

乾いたような咳が何日も出続ける場合、何らかの原因により喘息を発症している可能性が考えられます。

喘息の原因は様々ですが寒さや花粉症、タバコの煙、ハウスダストなどが原因で引き起こされるケースが多いです。不安やストレスから喘息症状を引き起こすこともあります。

また、喘息に似た症状に『気管支炎』が挙げられます。気管支炎は一時的に起こりますが適切な治療を行うと症状がなくなります。しかし、喘息はアレルギーが原因となりますので、症状を繰り返し気道に慢性的な炎症を起こし、咳や喘息発作が起こります。

4.肺炎

気持ち悪そうにする犬

肺炎は、病原体が肺に侵入してしまうことで炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。ウイルスや細菌、カビといった病原体が関係していることが多く、場合によっては他の臓器にも影響を及ぼす恐れがあります。

肺炎になると咳だけでなく、咳のし過ぎが原因になり嘔吐を引き起こしたり食欲が元気がなくなったりといった症状が見られます。重症化すると呼吸困難に陥る恐れがあるため、早めの治療が大切です。

5.心臓病

咳が慢性的に続く場合、心臓に病気を抱えている可能性が考えられます。心臓病を患っている場合、咳以外にも動くことを嫌がったり、すぐに呼吸が荒くなり疲れやすくなるといった変化が見られます。

最初は軽症だった場合も、そのまま放置されると『肺水腫』と呼ばれる肺に液体が溜まることで呼吸困難に陥る病気を発症する危険性があります。

他にも心臓病の場合は下痢やむくみ、ふらつきといった症状が見られるケースが多いので、こうした異変を少しでも察知したら病院で検査してもらうべきでしょう。

こんな症状はすぐに病院へ!動物病院へ行くべき目安は?

診察を受ける子犬

犬が咳をしている際、通常の風邪で自然治癒できるのか、または病院で検査や治療が必要な状態なのか判断するのが難しいという飼い主さんは多いです。

咳と同時に以下のような特徴や症状が見られる場合は、何らかの病気が関係していたり、すでに重症化している可能性が考えられます。早急に動物病院で診てもらいましょう。

  • 子犬が咳をしている場合
  • 激しい咳を何度も繰り返す
  • 舌の色が紫色になっている
  • 呼吸が荒く苦しそうにしている
  • 咳と同時に嘔吐症状がある

舌の色が紫色に変色している場合、チアノーゼを発症している可能性があり危険です。最悪の場合、命に関わる危険性があるため、ためらわずに動物病院へ連れて行きましょう。

まとめ

不安そうな犬と獣医師と女性

いかがでしたか。犬が咳をする時、自然治癒するケースも多いですが、病気が関係していたり重症化してしまったりする可能性もあります。楽観視せず、しばらく愛犬の様子を注意深く観察し、少しでも危険なサインが見られたら動物病院へ連れて行きましょう。

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