小さい犬は散歩に行かなくてもいい?
ネット上の情報やペットショップ店員の説明で、「小型犬は散歩しなくていい」「小さい犬は家で遊ぶだけで十分」などと言われることがあります。
犬の散歩は、楽しいことでありますが、時には飼い主さんにとって負担になることもあります。
そのため、「散歩不要」というのは、犬を飼う決断をする大きな要因になるかもしれません。
しかし結論から言うと、散歩の必要がない犬はいません。
どんなに体が小さくても、年を取っていても、その犬に適した散歩をしなければならないのです。
もちろん、飼い主さんの体調や都合によって散歩ができないこともあると思います。
普段しっかりと散歩しているのであれば、1日や2日できないことがあってもそれほど大きな問題にはならないでしょう。
犬に散歩が必要な理由
体力や筋力をつけて健康でいるため
犬に散歩が必要な理由としてまず挙げられるのが、運動面のメリットです。
しっかりと歩くとカロリーが消費されるので、肥満になるのを防ぐことができます。
肥満はさまざまな病気を引き起こす要因になるため、できる限り避けなければなりません。
また、散歩をすることで体力や筋力、免疫力がつくため、健康管理に大いに役立ちます。
本能を満たしてストレス発散するため
散歩に行くと、家の中では見ることのできない景色を見たり、さまざまなにおいを嗅いだり、音を聞いたりすることができます。
こうした多くの刺激に触れることは、犬の精神衛生を健全にするためにとても大切なことだと考えられています。
犬の感覚を刺激し、本能を満たすことでストレスの解消ができるとされているのです。
そのため、散歩が不足していると家の中でいたずらや吠えなどの問題行動が増えると考えられています。
社会性を身に着けるため
散歩に出ることで、さまざまな刺激に触れることができるとしましたが、それによって犬は社会性を身に着けることもできるのです。
色々な音を聞くことでそれらに慣れて怖がらなくなったり、他の犬に会うことでコミュニケーション能力を身に着けたりすることができるようになります。
社会性を持つことで、必要以上に不安感を抱えることがなくなり、心に余裕ができます。
そうすることで、どのような場面でも落ち着いて行動できる犬に成長します。
散歩に行けない場合におすすめの家遊び
引っ張りっこ
散歩に行けない日に、体力を使わせたいときは、大きめのぬいぐるみやロープなどを使って「引っ張りっこ」をするのがおすすめです。
引っ張りっこは、口にくわえたものを取られないように足を踏ん張り、後ろに引っ張る動きをするため、足や腰、背中、首など全身の力を使います。
そのため、ただおもちゃを追いかけて走るよりも、さまざまな筋肉の使い方をするのでぜひ試してみてください。
かくれんぼ
少しの時間でも「待て」ができるなら、家の中でかくれんぼをしてみましょう。
はじめはすぐに見つかるような場所に隠れて、愛犬が見つけることができたら思い切りほめてあげてください。
音を出すなどヒントを出しながら少しずつ難度を上げることで、犬は経験や予測をフル活用して居場所を探し出します。
私たち人間が勉強で疲れを感じるように、犬も頭を使うことで疲れるので、刺激的な遊びとして楽しんでくれるでしょう。
宝探し
頭も体も使って遊ばせたいなら、おもちゃやおやつなど、愛犬が大好きなものを宝と見立てて、探させる遊びがおすすめです。
それらのものを探すときには、視覚・嗅覚・聴覚を研ぎ澄ませて集中します。
五感をフル回転させて「宝」を見つけて喜びを感じることは、狩りを成功させたときと同様の満足感を得ることができるので、本能が満たされるのです。
室内で十分に体力を使わせられないときは、脳や感覚を使わせることで充足感を感じてもらうように工夫しましょう。
まとめ
多くの飼い主さんは理解していると思いますが、どんなに体の小さな犬であっても散歩が一切いらない犬というものはいません。
体の大きさや年齢に合った散歩をさせることは、体力面でも精神面でもとても大切なことです。
忙しいときや悪天候などで散歩に行けないときには、家の中で散歩の代わりになるような刺激的で楽しい遊びを提案してあげてくださいね。