要注意!こんな色の舌は異常
1.極端な赤
わんこの舌はもともとピンクや赤ですから、これらの色のときには健康であると判断できます。ですが赤みが極端に強くなっている場合には、舌が炎症を起こしている可能性があります。
舌に起きる炎症は舌炎と呼ばれ、外傷が原因となって起きる場合もあれば、真菌や細菌などの感染によるものや他の疾患が遠因となって起きるものもあります。
2.紫色
わんこの舌が紫色になっている場合は、酸欠によってチアノーゼという状態に陥っている可能性が高くなります。
酸欠ということでまず考えられるのは呼吸困難。異物の誤飲や誤食、あるいは呼吸器系の何らかの疾患によって気道がふさがり、呼吸が上手くできなくなっているケースです。
この場合には「ゼエゼエ」「ヒューヒュー」と異常な呼吸音がしたり、せき込むなどの異常行動を伴うのでわかりやすいでしょう。
また、チアノーゼを起こすもう1つの原因が心臓病です。心臓病になっている場合、肺を出た動脈の血液に本来は肺に帰っていくはずの静脈の血液が混じってしまうため、血中酸素濃度が低下して酸欠状態になってしまうのです。
3.黄色
舌の色が黄色い場合には黄疸が疑われます。黄疸とは胆汁の色素であるビリルビンの体外への排出が上手くいかなくなったことにより血液中のビリルビン濃度が上がり、皮膚や粘膜などが黄色くなってしまった状態を言います。他の原因としては、赤血球が壊されてしまった結果起こる場合もあります。
舌だけでなく白目や歯茎、被毛の薄い部分の皮膚なども黄色くなるため、そこからも判断できます。尿の色が異常に黄色くなり気付くこともあります。黄疸は肝臓や脾臓、胆嚢などさまざまな内臓疾患によって発生しますが、目で見てわかるほどの黄疸が出ている場合には、すでに重篤な状態であることがほとんどです。早急に動物病院を受診しなくてはなりません。
4.白
舌が白っぽくなっている場合には、貧血や低血糖に陥っている可能性があります。ただし、いずれにしても軽度の場合には舌にまで異変が起きることはありません。
舌に異常が現れるほどの貧血や低血糖はかなり重度であることが疑われ、その裏には白血病などの重大な病気が隠されている可能性もあります。おかしいと思ったら動物病院の受診をおすすめします。
色以外にも注意!舌の状態
1.斑点は問題なし
ここまで読んでくると、改めて愛犬の舌をじっくり見つめたくなったという人もいるのではないでしょうか。
まじまじと愛犬の舌を見直してみた結果、「愛犬の舌に黒い斑点を発見してしまった!!」というあなた、慌てなくても大丈夫です。わんこの舌にある黒い斑点は舌斑と呼ばれ、多くは生まれつきある正常なものです。
特に日本犬の場合は、高頻度で舌斑が見られることが知られています。また生まれつきのものでなくても、たまたま直前に舐めたものが舌の上に残って斑点状に見えているだけのこともあります。
2.しこりや腫れがある
ただし、斑点の部分が膨らんでいる場合やしこりのように固くなっている場合、斑点でなくても同様の腫れやしこりがある場合には要注意です。メラノーマという悪性腫瘍の可能性が高いからです。
特にシニア期のわんこは発症率が高いため注意が必要です。メラノーマは進行が速いことからも迅速な対処が必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?人間の舌は意図的に「べーっ」としてもらわなければ確認できませんが、わんこは運動の後や暑いときなど「ハッハッ」と自然に舌を出しているタイミングも多いため、意外とチェックしやすいポイントです。
普段のコミュニケーションの際に少しだけ注意を払って、病気の兆候に気づいてあげたいですね。