️『記憶力がいい』と言われている犬種5選
今回は一般的に『記憶力がいい』と言われている犬種や、学習トレーニングに向いていないと言われている犬種をご紹介します。
まずは、一般的に『記憶力がいい』『学習能力が高い』と言われている犬種を見ていきましょう。
1.ボーダーコリー
犬の中でも最も運動能力と学習能力のバランスが取れており、なおかつ学習能力が高い犬種として知られているのが『ボーダーコリー』です。
ボーダーコリーは、遺伝的にも元々学習能力の高さを持っている犬種ですが、そもそも可聴域が広くなるように交配されて生まれた犬種です。
そのため、人のあらゆる声や言葉に反応しやすく、学習しやすい要素を持っている犬種でもあります。
また、そのために人とのコミュニケーションも犬の中では取りやすい犬種と言われており、人間からの指示を聞き取り学習し、実行に移しやすい点も学習能力に長けていると考えられる理由です。
2.プードル犬種
日本ではトイプードルが高い人気を誇っています。その理由の1つに、賢くしつけがし易いという理由があることをご存知でしょうか。
元々プードル犬種は狩猟犬として活躍してきた歴史を持つ犬種です。しかし、世界では他にも使役犬として様々な現場で活躍している犬種でもあります。
これは他の犬種に比べると短い時間で指示を記憶し、学習できることが理由です。
また、人懐こい性格の犬が多く人間とのコミュニケーション能力に優れているため、学習訓練に向いている犬種として選ばれることも多いです。
3.レトリバー犬種
麻薬探知犬や介護犬、盲導犬など人間と共生し、多くの現場で職業犬として活躍してくれるレトリバー犬種。一般的にゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーが挙げられますが、彼らも賢い犬種として有名です。
学習能力の高さももちろんですが、人間の表情や行動、声のトーンなどから感情を読み取る能力にも長けており、また性格が穏やかで優しい犬が多いことでも知られています。
こうした理由が考慮され、介護犬や盲導犬など、人間に寄り添うことが重要と考えられる使役犬として選ばれることが多い犬種です。
4.ジャーマンシェパード
警察犬などで世界的に使役されているジャーマンシェパードも、学習能力が高い犬種として知られています。
犬の中でも非常に知能が高く、人間が出したコマンド指示を理解する能力や、実行に移した時の行動の正確さなどが評価されています。
とても優秀で、信頼できるパートナーの指示には確実に従うといったしつけのしやすさを持つジャーマンシェパードですが、反対に知能が高いがゆえ、飼い主に教えてもらわなかったことを自分なりの解釈で学習しようとする一面も持ち合わせています。
そのため、必要なコマンドやしつけを教えなければ、間違った方向へと進んでしまうこともあります。それほど知能が高く優秀な犬種であるとも言えます。
5.ドーベルマン
ドーベルマンも警察犬や軍用犬などで活躍してくれている犬種です。知能が高く、学習能力にも優れている上、信頼しているパートナーの言うことを忠実に聞く点では、犬の中でも特に優れた能力を発揮します。
ただし、警察犬や軍用犬として活躍していることから見ても分かる通り、とても勇敢で警戒心が強い性格の犬が多い傾向にあります。
そのため、攻撃性が高く「不審者だ」「怪しいぞ」と感じた人間には、臆することなく吠えたり唸ったり、場合によっては飛びつき噛みつくといった行為に及ぶケースもあります。
️学習訓練に向いていない犬種は?世界で行われた検証例も紹介
レトリバー犬種やボーダーコリー、プードル犬種などは、知能が高く学習訓練に向いている犬種として知られています。では、反対に学習訓練に向いていないとされているのは、どのような犬種なのでしょうか。
- サルーキ
- グレイハウンド
- アフガンハウンド
- ペキニーズ
- ビーグル
- チワワ
以上の犬種は、一般的に学習訓練に向いていないと考えられています。しかし、「学習訓練に向いていないから賢くない」というわけではありません。彼らは別のシーンで優秀な能力を発揮するのです。
例えば、サルーキやグレイハウンドなどは、レースなどの運動能力を駆使するシーンがとても得意です。驚異のスピードや身体能力の高さを見せてくれます。
また、チワワに関してはとても古い歴史を持っており、古代では、村に不審な人物が近づいてくると村人に吠えることで危険を知らせるなど、勇敢さや活発さを併せ持った犬種だったと考えられています。現在でもその遺伝的要素を見ることができます。
このように、犬種によって得意なことや不得意なこと・シーンが違うので、一概に「この犬種は頭がいい」「頭が悪い」と言えることではありません。
世界で行われている実験例
記憶力に関する実験は、世界で多く行われています。
例えば、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学のチームは、高度な学習訓練を積み重ねたボーダーコリーとヨークシャーテリアに多くのおもちゃや物の名前を学習させ、名前を言うだけで持ってくることができるかどうか記憶力と理解力の実験を行いました。
またこの実験では、きちんとおもちゃや物の名前を確認することができた後、新しいおもちゃを追加し、そのおもちゃを持ってくるように指示してみたのです。そうすることで、より記憶したおもちゃの名前を全て理解しているのかどうかを確かめたと言います。
するとボーダーコリーは、ほぼ100%の確率で新しいおもちゃを持ってくることができ、ヨークシャーテリアは52.5%の確率で持ってくることができたと言います。
これは、それまで知らなかった名前のおもちゃを選ぶという実験だったため、以前より学習し記憶していたおもちゃを理解した上で、消去法で選ばなければいけないという高度な知能を必要とする実験でした。
同じ実験内容でも、犬種によってこれほど大きな差があることがわかりましたが、元々ヨークシャーテリアも学習能力の高い犬として知られています。つまり、ボーダーコリーの学習能力の高さ、そして知能の高さが確認できたのです。
️まとめ
いかがでしたか。今回は一般的に「記憶力がいい」と言われている犬種や学習訓練には向いていない犬種、さらに世界で行われた検証例についてご紹介しました。
何度もお話ししている通り、学習訓練に向いていないからと言って賢くないわけではありません。こうした犬種は、違うシーンや訓練を得意としています。犬種によって、それぞれ得意な分野と不得意な分野があることをご理解ください。