犬種によって忠誠心の高さに差はあるの?
一般的に、犬は忠誠心が高い動物だと言われています。犬の忠誠心の高さは、知能が高いことや社会性のある動物であることなどが関係しているといいます。
基本的に忠誠心が高い犬ですが犬種によって性格が異なるので、忠誠心の高さも犬種によって差があるようです。そうだと知ると、特に忠誠心が高いのはどの犬種なのか気になりますよね。
そこで今回は、特に忠誠心が高いと言われている犬種を6犬種ご紹介します。
忠誠心が高い犬種は?
1.チワワ
くりくりの大きな目が愛らしいチワワは、純血種の中で最小の犬種です。起源ははっきりとは分かっていませんが、「テチチ」というメキシコに古くからいた犬が祖先犬という説が有力です。
性格は活発で遊び好きな一方で、用心深く繊細な面があります。初対面の人にはなかなか気を許さないと言われていますが、飼い主には深い愛情を示し忠誠を尽くします。
意外と勇敢さも持っているので、飼い主がピンチのときには必死で守ろうとするでしょう。
とはいえ、子犬の頃からしっかりしつけをしないとわがままになったり、反抗的になったりすることがあります。見た目が小さく可愛らしいからといって、甘やかさないように注意しましょう。
チワワは、泉門という頂頭部の少しくぼんだ部分が成長しても融合しない場合があるので、頭部へ衝撃を与えないように注意が必要です。また寒さに弱いので、冬場の散歩には服を着せてあげましょう。
2.ミニチュア・シュナウザー
ミニチュア・シュナウザーは、19世紀終わりにスタンダード・シュナウザーを基礎に、アーフェン・ピンシャーやミニチュア・ピンシャー、プードルなどを交配して作出されたと考えられています。
ドイツの農場でネズミ捕りや番犬、荷物の運搬などをしていて、特徴的な口ひげと眉毛は、ネズミの反撃から顔を守る役割を果たしていました。1920年代にアメリカに渡ると、家庭犬やショードッグとして愛されるようになりました。
テリアの血は入っていませんがテリアと共通する特徴があり、アメリカや日本のケネルクラブではテリア犬種に分類されています。
性格は穏やかで従順ですが警戒心が強いため、初対面の人にはあまり友好的ではありません。「人間の頭脳を持った犬」と言われるほど賢く、飼い主への忠誠心に溢れています。
自己主張が強い一面があるので、甘やかすとわがままに育つことがあります。子犬の頃からしっかりしつけましょう。
好奇心旺盛で活発に動き回るので、毎日十分な運動が必要です。散歩は朝晩2回、それぞれ30分程度が目安になります。
3.柴犬
現在天然記念物に指定されている日本犬6犬種の中で最小サイズの柴犬は、日本のみならず海外でも高い人気を誇っています。
縄文時代に南方から渡来したとされており、その当時から鳥やウサギの狩猟で活躍していました。現在は家庭犬として飼われています。
猟犬としての歴史が長いので、飼い主には忠誠を貫こうとする献身的な性格をしています。一方で警戒心が強いため、見知らぬ動物や人に警戒しすぎないように子犬の頃から社会性を身につける訓練をしましょう。
活動的で持久力もあるため、毎日豊富な運動が求められます。朝晩2回、それぞれ30分は散歩をしましょう。
4.シェットランド・シープドッグ
コリーをそのまま小型化したような外見のシェットランド・シープドッグは、「シェルティ」の愛称で親しまれています。起源は定かではないですがボーダー・コリーの祖先犬をもとに、サモエドやラフ・コリー、ポメラニアンなどと交配して誕生したという説があります。
スコットランドの北東部に位置するシェットランド諸島で牧羊犬として活躍し、19世紀終わりにイギリス本土へ紹介されました。現在は、世界各国で家庭犬として人気の犬種です。
牧羊犬として働いてきたため頭が良く、飼い主に忠実です。信頼関係が築ければ、高い忠誠心を持って接してくれるでしょう。
小柄ですが大変パワフルで、特に若い頃はかなりの運動量を必要とします。運動不足になるとストレスがたまり、精神的に不安定になることがあるので積極的に体を動かしてあげましょう。散歩は朝晩2回、それぞれ最低でも30分は必要です。
5.秋田犬
秋田犬は、天然記念物に指定されている日本犬の中で唯一の大型犬です。
マタギ犬(クマ猟犬)が祖先で、江戸期から明治期にかけては闘犬として育成されていました。明治末期に闘犬が禁止されると存続の危機に瀕したことも。1931年に天然記念物に指定され、現在は家庭犬として飼われています。
「忠犬ハチ公」でもよく知られているように、飼い主への忠誠心が大変高く、家族に対して愛情深いです。普段は冷静沈着ですが、飼い主に危険が迫ったときには機敏さや勇敢さを発揮します。家族以外の人や動物への警戒心が強く、場合によっては攻撃的になることも。
猟犬や闘犬としての本能や気質が出ないように、十分な信頼関係を築き、子犬の頃からしっかりしつけと社会化訓練を行うことが重要です。元猟犬で体力があるため、散歩は朝晩2回、それぞれ60分ずつが目安です。
6.ジャーマン・シェパード・ドッグ
冷静で頭脳明晰なシェパードは、世界各地で牧羊犬、軍用犬、警備犬、盲導犬と、広い分野で活躍しています。日本の盲導犬第1号はシェパードでした。
ドイツの山岳地方で何百年も前から活躍していた牧羊犬が祖先で、1880年頃にドイツ陸軍によって軍用犬として作出されました。その後、万能作業犬としてさらに改良され、現在のシェパードになったといいます。
見知らぬ人には強い警戒心を持ちますが、飼い主には従順で忠誠心が高く、時には飼い主を守ろうとしてくれます。
高い忠誠心と優れた能力は、十分かつ適切なトレーニングによって引き出されるため、飼い主には豊富な飼育経験と知識が求められます。初心者が飼うには難しい犬種です。持久力と体力があるので毎日朝晩2回、それぞれ1時間程度の散歩が必要です。
まとめ
今回は『忠誠心が高い犬種』を6犬種ご紹介しましたが、ご紹介した以外にも忠誠心が高いと言われている犬種はいます。
また、今回ご紹介した犬種が必ずしも忠誠心が高い犬になるとは限りません。同じ犬種でも性格に個体差があり、飼い主の育て方も犬の性格に大きく影響するからです。
忠誠心の高い犬を望むのなら、飼い主がたっぷりの愛情をかけながらも、しっかりとしつけを行うことが大切です。