犬がリラックスできる車の場所はどこ?
自動車で愛犬と出かけるというのは人間にとっては楽しいイメージが強いものですが、犬によっては自動車に乗るのが苦手という場合も少なくありません。
犬が自動車の中でリラックスしていられるためのヒントになりそうな調査がオーストラリアの保険会社によって行われました。
調査の内容は、ドライブの際に犬が車の中のどの座席にいるとリラックスできるだろうか?というものです。研究機関による調査ではなく、ごくごく小規模なものなのですが「こういうこともあるんだな」という参考にご覧になってみてください。
ドライブ中の犬の心拍数をチェック
調査に参加したのはジャックラッセルテリア、プーション(プードル×ビションフリーゼ)、コッカースパニエル、レッドフォックスラブラドールの4頭の犬たちです。サイズも犬種もさまざまです。
犬たちに心拍数モニターのついた首輪を装着し、車のどの座席にいるときに最もリラックスしていたかを調べました。心拍数の変化を見るため、あらかじめ平常時の平均心拍数が記録されました。
犬たちは前部座席、後部座席(飼い主の姿が見える場所と見えない場所の2パターン)、ラゲッジ(荷室)の4つのパターンに置かれて心拍数をチェックしました。
調査結果は4頭の犬たち全員が「後部座席で飼い主の姿が見える場所」にいる時、最も心拍数が安定しておりリラックスしていると判断されました。
2番目は前部座席、3番目は後部座席で飼い主の姿が見えない場所、最下位はラゲッジでした。前部座席では飼い主の姿は当然見えるのですが、万一の事故の際、危険性が最も高くなるので専門家はこの場所に犬を座らせるのは避けるよう助言しています。
犬が自動車を嫌いにならないために
車に慣れていない犬の場合、短い距離で少しずつ慣らし、楽しい場所で楽しい経験を重ねていくようにします。
犬の体質によっては車酔いし易いなど、ドライブ嫌いになるのも無理もないということもあります。この場合は、かかりつけの獣医さんに相談して酔い止めの薬を処方してもらうなどの対策が必要です。自動車にクレートをしっかりと固定しておくことも酔い止めの対策になります。
また、車の乗り降りの際にジャンプする犬では、着地の際に関節などを傷めて車が怖くなるという例もあります。乗り降りの際には犬を抱く、大型犬なら犬用スロープを利用するなどの工夫は、長期に渡って関節を保護するためにも大切です。
犬が車内でリラックスすることと同様に重要なのは、犬の安全が確保されていることです。クレートは衝突テスト済みのものを使用して車内に固定することが必要です。犬用のシートベルトも安全試験済みのものを後部座席で使用します。
日本ではペット用のクレートやシートベルトの安全試験を行っている機関はありませんが、海外のペット安全情報のサイト(https://www.centerforpetsafety.org/cps-certified/ など)で確認してみてください。
人間用のシートベルト、ドライブボックス、膝の上で抱っこなどは安全対策にならないのでご注意ください。
まとめ
ドライブ中の犬の心拍数をモニターしたところ、犬は飼い主の姿が見える後部座席にいる時に最もリラックスしているようだという調査結果をご紹介しました。
季節が良くなると犬と一緒に出かける機会も多くなります。犬も人も安全で楽しく素敵な思い出を作るためにも、いろいろな対策を知っておくことが大切です。