エゴとは
エゴには様々な定義、解釈がありますが、一般的にはエゴイズムの略であり、自己の利益を重視し、他者の利益を軽視、無視する考え方とされています。自己中心的や、自分勝手という言葉もここに当てはまるようです。しかし、この線引きについては人それぞれの感覚によって違いがあります。
本コラムでは、犬にとっては少し迷惑かもしれない、飼主さん本位の事項を中心にお伝えしていきます。最後に「エゴ的チェックリスト」もありますよ。
エゴ的NG例、3つ
飼い主の自己中心的な感覚の押し付けかそうでないか、については、なかなか判断が難しいところです。と前置きをした上でエゴ的NG例をご紹介します。
1.行き過ぎた撮影
かわいい我が子に最高の衣装を着せたい。また、映えるロケーションで撮影をしたい。と思われる方は多いでしょう。スパンコールなどの装飾がたくさんついた衣装、クラウン、大きなリボン、花冠、晴れ着、かんざし、羽織袴、犬の顔にかかってしまうほどの大きなチョーカー、そして撮影用の強い照明。
それらを身にまとっての長時間に及ぶ撮影は、犬によっては少し迷惑だと感じることもあるかもしれません。もちろんそれが好きで、脚光を浴びてほめてもらえることが嬉しいのだといったタイプの犬もいます。しかし、重すぎる衣装でのポージングや、極寒、炎天下というロケーションは犬の精神、健康へダメージを与えてしまいますから、NGです。
2.厳しすぎる教育
誰にも迷惑をかけないようにマナーやルールを身に着けてほしい。そうした思いから、極端に厳しい教育をする飼い主もいます。その意思は十分理解できるのですが、犬の心を無視した一方的な押し付けでは、犬の精神が置き去りになってしまいます。
犬の持つ個性や感情をないがしろにして、自身の理想の姿を押し付けた結果、あるタイミングで犬のストレスがあふれてしまうことも。また、ムラのある教育についても同じようなことが言えます。こちらは、その時々の飼い主の感覚で犬に接する、一貫性に欠けたパターン。代償として、犬が反逆を仕掛けるといったケースもありますのでNGです。
3.におい、香り、消毒
犬の持つ本来の匂いを、異常なまでに嫌う飼い主もいます。中には、人用の香水を犬に吹きかけることによって匂いをごまかすという方まで。人の衣類用の消臭剤を直接犬に吹きかける方までいるそうですから、これは完全にNGです。
基本的なことですが犬は人ではありません。犬が嗅覚に優れた生きものであるということを思い出していただきたいです。また、最近は殺菌、消毒について、激しくピンが立っている飼主さんもみえます。当然、アルコールの匂いは犬にとってはきついものですから、なるべく負担の無い製品を使用することで、犬へのダメージを小さくできます。
エゴの判断基準
ここで、エゴについてもう一度考えてみましょう。犬の生活は、飼い主に委ねられています。犬の衣食住から散歩コースといったヘルスコントロール。そして、オヤツや洋服なども、犬自身ではなく飼い主の選択によるものです。これには、上記のようなものもすべて含まれます。
「エゴか、そうでないか」についての判断基準は、二つのポイントがあります。それは、犬の気持ちと、犬の健康。つまり、飼い主の行為が犬の気持ちと健康を無視したものであれば、それはNG行為に当てはまるのではないでしょうか。
エゴ的飼い主になっていない?チェックリスト
- 犬を自分だけの所有物?
- 犬の手柄は自分の手柄?
- でも、犬の失敗は自分に責任がない?
- 犬にとって、負担が大きすぎない?
- 犬を完全にコントロールしようとしていない?
- 犬は笑顔?それともうんざり顔?
- 犬がどうしたいか、気持ちは伝わっている?
- それは犬のため?
- エゴか、愛情かについて、時々考えて
まとめ
最後にお伝えしたいこと。それは、エゴのしんどさについてです。飼い主が一定以上の自己犠牲を払い、ストレスフルな状態でしている愛犬へのエゴ行為。これが重なると、飼い主も犬もしんどくなります。しんどさが溜まれば、なにかの形で心が溢れ出していくものです。
そうなって初めて「あ、この行為って私のエゴだったのかも」と気づく方もいらっしゃいます。エゴか愛情か。難しい問題ですが、どうぞみなさまと愛犬にとって、良い答えを導き出して下さい。