1.ごはんを食べなくなる
犬がトラウマを抱えている時、ごはんを食べなくなることがあります。
食欲が低下するほど強いショックを受けたのではないかということが考えられます。
例えば、人に対するトラウマを抱えている時、人前ではごはんを食べることができなくなってしまうことがあります。
改善する方法
犬が食事をする時は、部屋から出て行ってあげることです。
ケージの中にごはんを置き、しばらく時間が経ってから戻ります。少しでも食べることができていたら褒めてあげます。
- 部屋に人がいてもケージの中で食事ができるようになる
- ケージから出て食事ができるようになる
- 人が隣で見ていても食事ができるようになる(最終段階)
このように少しずつ慣れるようにします。
食事中は声をかけない方が良いです。また初めからやり直しになってしまうことがあります。
さらに恐怖心を与えてしまうこともあります。物音も立てないようにするとよいです。
2.お散歩に行かなくなる(外に出られなくなる)
犬がトラウマを抱えている時、お散歩に行かなくなることがあります。外に出ることさえ怖がるようになることがあります。
例えば、交通事故を経験したことがある犬によく起こる症状です。
車・バイク・自転車によって轢かれるなどし、肉体的にも精神的にも深い傷を負ってしまっているのです。
また同じような経験をするのではないかという恐怖心に支配され、家から一歩も出られなくなってしまうことがあります。
改善する方法
お散歩や外の世界が楽しかった時のことを思い出してもらうことです。
- 毎日、部屋の窓から外を眺める
- ペットカートに乗ってお散歩する
- 飼い主に抱っこしてもらってお散歩する
- 仲のいい犬に一緒にお散歩してもらう
このような方法がよいと思います。
いきなり歩かせようとするとパニックになってしまい、また交通事故に遭ってしまう恐れがあります。
犬の精神状態を見ながら少しずつ外の世界に出て行くようにすると良いです。
3.近づくだけで威嚇する
犬がトラウマを抱えている時、近づくだけで威嚇することがあります。
犬にトラウマを抱えている犬は、お散歩で他に犬とすれ違うことができません。
威嚇して吠えたり、飛びかかろうとしたりすることがあるためです。反対に動けなくなってしまったり、恐怖のあまり逃げようと暴れるかもしれません。
襲いかかられたり、咬みつかれたりした経験があるのではないかと思います。
人にトラウマを抱えている犬は、人が近づくことも声をかけることも許さず、ただすれ違うだけで激しく吠えることがあります。
改善する方法
毎日他の犬や人とすれ違う練習をすることです。
初めは威嚇することで迷惑をかけたり怖がらせたりしてしまうかもしれません。飼い主は必ず相手に対して「すみません」と声をかけましょう。
実は私の愛犬(元保護犬)がこのようなトラウマによる症状を抱えていました。
9年が経ち、他の人や犬とすれ違うことができるようになったのですが…近づくことや触れることは今もできません。
元飼い主から捨てられた、山に放置された、放浪先で人から虐待を受けた…。
このような経験は、もしかしたら生涯ずっと克服できないかもしれません。
しかし、少しずつ改善されますので、飼い主さんは根気強くサポートしてあげてほしいです。
まとめ
犬がトラウマを抱えている時に出る症状と改善する方法を3つ解説しました。
- ごはんを食べなくなる
- お散歩に行かなくなる(外に出られなくなる)
- 近づくだけで威嚇する
嫌な経験をした時、しばらく犬の様子がおかしいと感じることがあります。
どんなに時間が過ぎても、トラウマを消し去ることが難しい場合もあります。今できることを最大限してあげたいですよね。
日本ではかなり珍しいのですが、動物の精神科医がいらっしゃるそうです。
2019年には犬猫のストレス診療科をスタートされた獣医師もいらっしゃいます。
お困りの場合は、相談や診療を受けてみるとよいのではないでしょうか。