犬の目ヤニとは
朝、寝起きの愛犬の顔を見ると目ヤニが出ていることがあるのではないでしょうか。
私達人間も、寝起きに目ヤニが出ていることが多いです。
目ヤニというのは、目を保護している粘液などが、目の表面についている埃やゴミ、角膜や結膜の古くなった細胞などを絡め取って体外に排出する正常な生理現象です。
通常通りの目ヤニであれば、特段心配する必要はありません。
しかし、目の病気が潜んでいる場合もあるため、すべての目ヤニに対しても生理現象だからと軽く考えてはいけません。
いつもとは違うと感じたら、動物病院で診てもらいましょう。
目ヤニができる原因
1.ゴミや埃が固まる
乾燥した黒い目ヤニは、目の表面についた埃やゴミが固まってできたものです。
普段通りで違和感を感じない程度の量であれば、心配する必要はありません。
2.目の細胞の分泌物や老廃物が固まる
特に寝起きに多く見られる目ヤニで、茶色もしくはグレーの目ヤニの場合は、角膜や結膜の古くなった細胞や分泌物が固まった、いわゆる代謝活動によって作られた目ヤニです。
3.皮脂腺の分泌物や目の粘液の塊
乾燥しておらず、目頭に白くてドロっとした粘度の高い目ヤニが出ていることがあります。
これは、皮脂腺の分泌物や目の粘液が固まったものです。
連日続くような場合は、動物病院で診てもらった方が安心ですが、3日に1回程度の頻度であれば、様子を見ても大丈夫でしょう。
4.加齢による代謝の衰え
高齢になると、徐々に代謝が衰えていきます。その結果涙の量が減り、老廃物が目に溜まりやすくなります。
そのため老犬になると、若い頃よりも目ヤニの量が増えたように感じるかもしれません。
しかし、朝顔を拭けば大丈夫な程度であれば、特に心配する必要はないでしょう。
5.病気の症状
目の角膜や結膜に細菌やウィルスが感染したり、アレルギーの症状がきっかけとなり、炎症を起こすと目ヤニが出ます。
これらの目ヤニは、通常の目ヤニとは少し様子が異なります。
いつもとは異なる目ヤニが見られた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
放っておくと危険な病気のサインの目ヤニ
臭い目ヤニ
細菌が繁殖していると、目ヤニが臭くなります。
そのままにしておくと結膜炎などの発症や涙やけなどに繋がりますので、こまめに拭き取り清潔な状態を保ちましょう。
黄色や緑色で粘度の高い目ヤニ
細菌が感染している可能性が高く、結膜炎、ドライアイなどの初期症状が疑われます。
早めに動物病院で診察してもらいましょう。
白くて糸を引くような粘度の高い大量の目ヤニ
重度の結膜炎などが疑われます。
また、ドライアイなどで涙の量が減った場合も、目の表面が乾いて粘度の高い目ヤニが大量に出ることがあります。
動物病院での適切な治療が必要です。
サラサラした水状の目ヤニ
アレルギーが原因の場合によくみられる目ヤニです。
アレルギーによるかゆみで目をこすり続けると結膜炎を引き起こし、次第に白や黄色で粘度のある目ヤニに変化したり、量が増えていく場合があります。
こちらの場合も、早めに診察してもらいましょう。
目ヤニの拭き取り方と自宅でのケア
目ヤニはこまめに拭き取り、清潔な状態を維持してあげることが大切です。
しかし、ただむやみに拭き取ればよいというわけではありません。
実際に愛犬の目ヤニを拭き取る場合や自宅ケアの注意ポイントをご紹介します。
濡らしたコットンまたはガーゼでふやかしながら取り除く
安易にティッシュで目の周りを拭き取ってしまいがちですが、目の表面を傷つけてしまう可能性があるため、ティッシュは使わない方が良いでしょう。
コットン、またはガーゼをぬるま湯で濡らし、目ヤニをふやかしながら優しく取り除きます。
こびりついている場合はノミ取りコームが便利
目ヤニが周囲の被毛にこびりついて取れない場合は、しっかりと目ヤニをふやかした後に、ノミ取りコームを使うとうまく取り除けます。
病院で治療中の場合
病院で点眼薬などを処方された場合は、獣医師の指示に従って毎日きちんと投与することも大切なケアです。
注意したいのは、勝手に「良くなった」と判断して薬をやめたり減らしたりしないことです。
再発や治りにくくさせる原因となりますので、必ず獣医師と相談しながら投与を続けましょう。
まとめ
目ヤニは日常的な生理現象なので、つい軽く考えがちかもしれません。
しかしいつもと様子が異なる場合は、裏に病気が潜んでいる可能性がありますので注意が必要です。
今回ご紹介した病名以外にも、目ヤニが出る病気はたくさんあります。
いずれも、角膜、結膜、ぶどう膜などの目の組織に細菌などが感染して炎症を起こす病気です。重症化すると、視力障害や失明してしまう場合もあります。
炎症は、細菌やウィルスの感染の他にも、傷で起こる場合もあります。普段から目に怪我をさせないような注意も必要です。
特に、短頭種などの目が飛び出している犬種の場合は、注意をしてあげましょう。
散歩から帰宅した後は、目の状態も含めて全身のチェックを行うことで、愛犬の健康管理を習慣づけるようにすると良いでしょう。