犬の白内障ってどのような病気なの?
犬の目の病気の1つに『白内障』があります。人間にも同じ病気があるため、どのような病気かご存知の方も多いと思いますが、白内障とは目の中にある水晶体の一部が白く濁ってしまうことにより視力が低下したり、最悪の場合には目が見えなくなってしまう病気です。
加齢に伴い白内障を発症する犬が増えますが、加齢以外にも遺伝的要因が大きく影響することも多いと言われており、一般的に
- プードル犬種
- コッカースパニエル
- ビーグル
- ゴールデンレトリバー
- ボストンテリア
- シベリアンハスキー
などが発症しやすい犬種として知られています。早期発見、早期治療により進行を遅らせることは可能ですが、一般的に一度失った視力を元に戻すことはできないと言われています。
そのため、白内障は飼い主が愛犬の目の健康状態や普段の生活の様子を観察することで、早期発見することが何よりも重要なのです。
犬の白内障初期症状とは?注意すべき3つの症状
犬が白内障を発症し始めた場合、初期症状が確認できるケースもあります。注意して観察していなければ気付かないことの多い症状なので、以下の初期症状を確認し、心当たりのある方は早急に動物病院へ相談してください。
1.目の色が少し白く濁って見える
目の色が少し白く濁って見えるという症状は、白内障の代表的な症状の1つです。初期症状の場合はよく観察しても気付かないケースが多いですが、眼の黒い部分の中心がうっすらと白く見えるのが特徴です。
症状が進行するにつれて徐々に濁り方が強くなり、最終的に水晶体が真っ白になってしまうこともあります。こうなるとほぼ目が見えない状態となり、元に戻すことが困難となってしまうため早期発見がとても重要です。
2.あまり動きたがらなくなる
目の色が白く濁るという症状以外にも、普段の生活の様子に異変が生じるケースも多いです。
白内障の特徴として、薄暗い場所や夜などは視力が低下するという特徴があります。そのため、夕方から明け方にかけて、あまり動きたがらなくなるという異変が見られる犬も多いです。
今までは夜でも元気に動き回っていた愛犬が、徐々に夜は同じ場所にずっと居座るようになったり、夜のお散歩を躊躇するような様子を見せるようになったりした場合、一度目の状態をよく観察して見るべきでしょう。
3.夜に家具などにぶつかる頻度が増える
夜になると家具や周囲にある物にぶつかり、よろけたり転倒したりする頻度が増えるという異変も白内障の犬に見られる特徴です。
夜になると辺りが薄暗くなり、昼間よりも視力が低下してしまいます。そのため、周囲にある家具などを正確に把握することが難しくなり、ぶつかってしまうようになるのです。
「なんだか最近、動きがヨロヨロしているな」「慎重に動くようになったな」と感じる場合も、視力低下に伴う動きの変化が疑われます。
もしも白内障の初期症状が見られたら
もしも今回紹介したような白内障の初期症状が見られた場合、飼い主はどのように対応するべきなのでしょうか。
まずはかかりつけの動物病院へ行き、獣医師に診てもらうことが重要です。かかりつけの動物病院でなくても近くに眼科に特化した動物病院がある場合は、そちらに相談してみましょう。
もしも白内障と診断された場合は、基本的に病気の進行を遅らせる点眼やサプリメントなどの内科治療が行われます。
しかし、いずれ症状が進行し目が見えなくなってしまう恐れがあるため、獣医師の判断によっては合併症が発症する前の初期段階で外科手術を行い、人工の眼内レンズを入れる方法をとることもあります。
外科手術を行うことで視力を回復することができ、進行を抑えることができるため、飼い主さんによっては初期段階で外科手術へ踏み込むケースもあります。
まとめ
白内障は、一度発症してしまうと早期発見、治療により進行を遅らせることは可能です。しかし、発症してから時間が経過してしまうと、視力を取り戻すことができなくなるため、日頃から愛犬の目の健康状態や生活の様子を観察することが何より重要となります。