綺麗な花は時に犬にとって毒になることも!?
春は愛犬とのお散歩中に通る花壇や道端などに、さまざまな花を見かけるようになります。
愛犬と一緒にのんびり散策しながら花を鑑賞する時間は、ほっと一息つける楽しい時間と感じる人も多いでしょう。
しかし、春に咲く花の中には犬が誤って口にしてしまうと、恐ろしい症状を発症させる成分を持つ花も多くあります。
嘔吐や下痢といった症状から、呼吸困難や不整脈などの命に関わる恐ろしい症状まで引き起こす恐れがあるので、春のお散歩中はもちろん、お家の中に飾る花にも注意が必要です。
散歩中や室内観賞用に注意!犬にとって危険な『春の花』5選
では、具体的にどのような『春の花』が危険なのでしょうか。犬にとって猛毒な『春の花』とその理由、さらにもし誤飲してしまった際の症状などをご紹介します。
1.チューリップ
春の花の代名詞といえば、やはりチューリップではないでしょうか。
さまざまな色のチューリップが品種改良されており、初心者でも育てやすい花ということから、ご家庭はもちろん学校の花壇や公園の花壇などでも多く見かけます。
そんなチューリップには、ツリピンと呼ばれる物質が含まれています。基本的に球根に含まれていますが、茎などの植物部分にも含まれていることがあり、摂取してしまうと中毒症状を引き起こす恐れがあります。
チューリップを誤食すると皮膚炎・口内炎・心不全などを起こします。大量に摂取すると亡くなることもありますのでチューリップは犬の手の届くところにはおかないように注意が必要です。
2.ヒヤシンス
ヒヤシンスも春になると咲く花の1つとして知られています。ヒヤシンスは猛毒のリコリンを含みますので危険です。ペットのいる家庭では栽培しないようにするのが最善策です。また、シュウ酸カルシウムが全体に含まれており、誤飲や誤食はもちろん、皮膚が触れるだけでも炎症を引き起こすケースがあります。
誤飲してしまうと下痢や嘔吐、よだれといった基本的に中毒症状から、呼吸困難や腸の損傷、窒息などの重い症状を引き起こす事態に発展する恐れもあります。
したがってヒヤシンスを少しでも誤飲してしまった場合は、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらう必要があります。
3.水仙
公園などで見かけることの多い水仙もリコリンと呼ばれる成分を含んでいるため、犬にとって猛毒です。このリコリンを摂取してしまうと嘔吐や下痢、腹痛といった基本的に中毒症状を引き起こすことが多く見られます。
水仙にはシュウ酸カルシウムが含まれているので接触性皮膚炎を引き起こすことがあります。触れさせないように注意が必要です。
重症化してしまった場合、不整脈や呼吸困難を引き起こす危険性もあるため、水仙を誤飲・誤食してしまった場合はかかりつけの動物病院で診察してもらいましょう。
4.ツツジ
公園や道端の花壇などでよく見かけるツツジは、何気なく犬が近づき匂いを嗅いでいることがよくあります。しかし、実はツツジ科の植物は犬にとって毒性が強いということをご存知でしょうか。
ツツジを誤食してしまった場合、ツツジ科の植物全般に含まれるグラヤノトキシンという成分を摂取してしまい、嘔吐や下痢、よだれといった中毒症状を引き起こすことが多く見られます。
重症化してしまうと痙攣発作や昏睡状態に陥ることもあり、最悪の場合、死に至るケースも報告されている非常に危険な春の花です。なるべく近づかせないように気をつけましょう。
5.スズラン
小さく可愛らしいスズランは、観賞用としてご自宅に飾る人も多くいる春の花です。しかし、この小さく愛らしいスズランには、コンバラトキシンが確認されており、嘔吐や下痢、心拍数低下などの症状が報告されています。
スズランの場合、球根が特に危険とされていますが、葉や茎、花の部分などにもコンバラトキシンが含まれているため、全体的に毒性が高い植物です。
重症化してしまうと心臓不整脈や痙攣発作などを引き起こす危険性もあるため、家の中に飾ることは避け、散歩中に見かけた場合も極力距離を取るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回紹介した『春の花』は、少し口にするだけでも異変を発症し、最悪の場合は重症化してしまう恐れもあります。口にしてしまったと判明した場合、早急にかかりつけの動物病院に相談してください。