「これでOK!無駄吠えが一発で直るマル秘教材」!?
こんなタイトルの広告を目にしたことのある方も多いでしょう。愛犬の吠えに悩んだ飼い主さんのために開発された商品や、メソッドがあちこちで販売されています。しかし、それらに目を向ける前に、私たち飼い主は犬という生きものを理解し、吠えている愛犬の気持ちついて深く読み解いていく必要があります。
吠えるとは〇〇である
犬にとって「吠える」という行為は、何かを伝えるためのサインであることを、まずは理解しましょう。犬に備わったコミュニケーションとしての表現のひとつ。つまり、犬が持つ本能であり、習性でもあります。
その本能は、人の歴史の発展においても重要な役割を果たしてきました。しかし、時代の移り変わりと共に犬の役割も変化し、現代社会では犬の吠え声は歓迎されず、むしろ問題行動とされることもあります。
吠える心理3選
犬が飼い主以外に吠えるのには理由があります。同じ種類、同じ環境でも、その犬によって吠える理由は千差万別です。
飼い主だからこそ読み解ける犬の気持ちを探り、吠える気持ちを理解して解消へと導きましょう。さて、あなたの犬が吠えるときの心理は、いったいどの心理に当てはまるでしょうか。
1.全員警戒せよ!侵入者あり!
群れ(家族)を守るため警備システムが働きがちなタイプの犬は、宅配業者や見慣れない来客を自分たちの縄張りに侵入してくる不審者としてとらえます。
群れ(家族)に侵入者があったことをいち早く知らせるために「みんな!警戒して!知らない人が来たよ!」と、伝達目的として本能的に吠えてしまう心理状態です。
2.嬉しい!早く早く!
大好きな訪問者に対して喜びと期待でいっぱいになり、興奮から吠えることもあります。期待の高まりとしての表現をボディランゲージだけでは治められず、「嬉しいよ!もう待ちきれない!早く遊ぼう!」という気持ちが吠え声になって漏れてしまうといった心理状態です。
3.それ以上近づかないで!こっちへ来るな!
恐怖を感じるもの、嫌なものへの不安から、警告として吠えることもあります。犬は誰に対してもフレンドリーで、誰をも許容するという生きものだと捉えられがちですが、実はそうでもありません。
友好的な犬、いわゆる「人が大好きな犬」であったとしても、見知らぬ人が突然近づいてくるのは、やはり怖いと感じることもあります。「うわ!それ以上こっちへ来ないで!近づかないでよ!」という心理状態から吠えてしまうのです。
来客時の対処法1.2.3
愛犬が吠える心理について、たぶんこのタイプかな。と、やや傾向が分かったところで、次は対処法です。
心理1のタイプは、リーダー、またはリーダー代わりとしての意識が強いため、なわばりが家の敷地全体にまで及んでいることが原因のひとつです。飼い主がリーダーとして群れを率いる尊厳を取り戻すのが近道なので、愛犬との関係について見直してみましょう。
心理2のタイプは、必要以上に興奮を高めてしまうきっかけを、飼い主が作っている場合が多く見られます。例えば、高い声で「やめなさ~い」とか、「こら~!」と叫ぶことは逆効果。来客時は、まず飼い主が落ち着いた態度で対応することが大事です。
心理3のタイプはとにかく犬の気をそらして、緊張を取り除くのが一番。そのためには飼い主との信頼関係を結ぶ、アイコンタクト、呼び戻しの練習が効果的です。
まとめ
犬が飼い主以外に吠えてしまうときの心理と、来客時の対処法をお伝えしてまいりました。過去にメジャーであった対処法の中には、「吠えたら大きい音を出し、犬をビックリさせる」や「吠えた瞬間に水鉄砲を犬のお顔にかける」などという方法もありました。
しかしこれらは、やっても効果がないばかりでなく、かえって状況を悪化させるケースもあり、今ではあまり聞かなくなった方法です。つまり、吠えるのをやめさせるためには道具やテクニックではなく、犬の持つ本能を知り気持ちを理解するという部分が最も大事なのだと言えるのではないでしょうか。