1.睡眠時間の長さはどうか
わんこは基本的によく眠る動物です。ライフステージによっても異なりますが、成犬であれば24時間のうち12~15時間は睡眠に費やしているといわれています。
ただし皆さんもご存じのように、その多くはレム睡眠と呼ばれるいわゆる「浅い眠り」であり、ぐっすり深く眠るノンレム睡眠の時間は総睡眠時間のわずか2割程度で人間とはほぼ真逆です。
睡眠時間の変化に注意
わんこは細切れに睡眠をとっているため、総睡眠時間をしっかり把握することは困難かもしれません。ですが飼い主さんが見ていて明らかに「睡眠時間が長くなった」「短くなった」という場合には健康状態の異常の可能性があります。
睡眠時間が長くなった場合には、何らかの疾患や怪我を抱えていて体を回復させるために、長い睡眠状態を要していることが考えられます。また逆に睡眠時間が短くなった場合、特にそれがシニア期の老犬である場合には認知症の疑いも出てきます。
2.いびきを掻くか
寝ている間にいびきを掻くのは何も人間だけではありません。わんこもいびきを掻くことがあります。特にパグやフレンチブルドッグなどの短吻種は、マズルが短く先天的に鼻腔狭窄症や軟口蓋過長症と呼ばれる疾患をわずらっている場合も多いため、いびきを掻く子が多く見られます。
また人間でも肥満体系の場合には、気管が脂肪に圧迫されていびきを掻きやすくなりますが、これはわんこでも同じです。
いびきが多い場合には動物病院の受診を
いびきを掻くこと自体は必ずしも悪いものではありません。ですがあまりにいびきが多かったり、今までほとんどいびきを掻かなかったのに急に頻繁にいびきを掻くようになった場合には、何らかの病気が影響している場合もあります。
すでにご紹介した鼻腔狭窄症の他、気管が狭まって呼吸がしづらくなる気管虚脱や、心臓病によってもいびきが多くなることが知られています。おかしいなと思ったら動物病院の受診をおすすめします。
3.けいれんを起こしていないか
熟睡していると思っていた愛犬が突然「ワフッワフッ」と声を上げたり、警戒するように吠えたりするとびっくりしてしまいますよね。驚いて見てみると、足先がパタパタ動いていたり、まぶたがヒクヒクしていたりして「もしかしてけいれん!?」と心配になってしまうかもしれませんが、あまり心配はいりません。
ほとんどの場合、寝ながら吠えるのはいわゆる「寝言」であり、体をぴくぴく動かすのも問題のない反射現象であり、「夢の中で走っているのかな」と微笑ましく見守っていて良いものです。
異常なけいれんは要注意
ですが一部、注意を要するけいれんもあります。けいれんしながら泡を吹いていたり、けいれんの時間が異常に長かったり、何度もけいれんを繰り返す場合には、てんかんなどの発作である可能性が考えられます。
これらのけいれん発作が見られた場合には、けいれんの様子や長さなどをしっかり記録し、動物病院で獣医師の指示をあおぐようにしましょう。
4.どんな体勢で寝ているか
わんこの寝相にはパターンがあります。キュッとドーナツ状に丸まって寝ているときもあれば、横向きで足を投げ出して寝ているとき、「フセ」の状態のままで目を閉じているとき、はたまた仰向けでお腹をさらけ出し「ヘソ天」しているときなどさまざまです。
実は、この寝相からもわんこの健康状態が把握できる場合があります。「ヘソ天」が究極のリラックス状態にあることは想像に難くないかもしれませんが、横向きで足を投げ出している寝相も、それに匹敵するくらいリラックスした姿勢です。
一方で「フセ」の寝相は危険が迫ってもすぐに逃げ出せる体勢であることから、一定の緊張状態にあると考えられます。
ドーナツ状の寝相は注意が必要な場合も
注意したいのはキュッとドーナツ状に丸まっているときで、もちろんただ丸まりたい気分のときもあるのでしょうが、この体勢のときには「何かを守りたい」という意思がある可能性が高いのです。
一番多いのは、気温が低く寒さを感じているために体温を逃がさないように丸くなっているパターンですが、腹部に何らかの疾患や怪我を抱えていて痛みや辛さに耐えるために丸くなっている場合もあります。
いつもはぐでーんと寝ている愛犬が、寒いわけでもないのにキュッと縮こまって寝ている場合には、体調の異状を疑ってみてもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?睡眠中はわんこにとって最も無防備な状態です。そのため起きているときにはわからない異常が、眠っているときに初めて確認されることもあります。
わんこは体調が悪くても言葉で訴えることはできませんが、飼い主さんが気づくことができるポイントは毎日のささいな行動の中に隠されています。ぜひ毎日のルーティンの中に愛犬の健康チェックを意識的に取り入れてみませんか?