愛犬への依存とは
依存とは他のものに頼って生活・存在しているため、それがないと精神的に不安になり生きていけない状態のことです。
依存は自身で自覚していることもあれば、自覚なしにいつの間にか深みにはまっているように、気づかないうちに依存が強くなっているというケースもあります。もちろん、この記事文中での「それ」は愛犬を指します。
依存?まさか私が?
愛犬がかわいくて、かわいくて、もうしょうがない。みなさん、そのような気持ちで犬と接していることでしょう。これを読んでいる方と愛犬との日々は、愛情いっぱいに包まれた温かいものだと思っています。
依存なんて他人事のように感じられるかもしれないですね。しかし、わたくしのもとにご相談に来る方の中には、愛犬に依存しすぎたために適切な関係が保てなくなってしまった。という方がいらっしゃいます。その方たちに共通しているのはこちらの3つです。さて、みなさんはいかがでしょうか。
愛犬に依存しすぎている飼い主、3つの共通点
1.過度な心配
この数年でネットスーパーや宅配サービスの普及が進みました。また、ネットバンキングなどの利用をすることにより、あまり外出をしなくても良いといった環境になってきています。犬と一緒の時間が多くなることから、その距離感が密になっているのは必然な出来事です。
しかし、犬だけを家に置いて出かけるのを心苦しさや不安を感じる飼い主も増えました。例えば犬が留守番中に火事が起きたり、大地震が来たらどうしよう。などといった過度な心配ばかりが先に立ってしまい、外出先、勤務先でも心ここにあらず、という方もいます。
心配な気持ちはよく分かりますが、飼い主が社会生活を健全に送れないくらいまでになる状態は、危険な兆候と言えます。
2.擬人化
犬はパートナーであり家族。そして時には兄弟、子供のような存在でもあるでしょう。人によく似た感情を持ち、頼り、頼られるバディであることは間違いありません。しかし、まったく人の子のような扱いをするのは、依存の前兆でもあるので危険です。
例えば「犬を寝かしつけなくちゃいけないから、毎晩、忙しくて」と言う飼い主がいますが、犬は眠くなると好きなように眠る生きものなので寝かしつけは不要です。
それが好きで、お互いに満足して良い関係が保てるのなら止めません。しかし、寝かしつける作業のために忙しくて大変だ。というのではいけません。
3.投影、思い込み
「この子は私の亡くなった父にそっくりなんです。生まれ変わりと思って、父の好物をあげています」こうおっしゃる方がいます。また、「うちの犬は飼育崩壊によりレスキューされてきた。人を恨んでいるから、なかなか言うことを聞かない」という方もいました。
このお二方に共通しているのは、投影と思い込みです。亡くなったお父様の好物は、犬に与えてはいけない食材である可能性もあります。
犬は今、その瞬間、瞬間を精一杯に生きる動物なので、昔のことをいつまでも引きずってなんかいません。どうぞ、飼い主の勝手な投影や思い込みを捨てて、犬自身の今に正面から向き合ってみてください。
依存の影響
次に、依存が及ぼす犬へのマイナートラブルを見てみましょう。飼い主の愛犬への依存が強すぎると、以下のような共依存の症状が出ることが多くあります。
- 分離不安傾向になる
- ちょっとした物音に過敏になる
- 要求吠えなど、ワガママになる
- 飼い主の一喜一憂に反応する
- なわばり意識が強くなる
- ストレスサインが多く見られる
- 不安が強くなる
- 飼い主に接触する人を警戒す
などなど
依存しすぎを防ぐために
愛犬への依存しすぎを防ぐために大事なのは、「ちょうどいい距離、重さ」を意識することです。
適切な距離や重さが保てなくなると、お互いがストレスに感じることもあります。「あの家ではこうしているから…」など、他人に合わせる必要はありません。
時々俯瞰して、犬との関係を見直してみるのが大事です。
まとめ
今回は、愛犬へ依存しすぎている状態についてお話をしてきました。犬への愛情のボリューム調整を上手に行って、いつまでも健やかな関係をつないでいきたいですね。