『不器用な犬』もいます!
犬は賢い動物で警察犬や補助犬などもいるくらいですから、何でもそつなく器用にこなせるイメージがあるのではないでしょうか。でも「自分、不器用ですから…」という台詞がピッタリな『不器用な犬』もいます。
不器用な犬は「要領が悪い」とか「鈍臭い」なんて思われてしまうこともあるでしょう。その一方で、上手く立ち回れない感じが「かわいい」「愛しい」と思う人もいるはず。では、不器用な犬はどのような特徴を持っているのでしょうか。
『不器用な犬』の特徴は?
一口に不器用と言っても、性格的な不器用さと物理的な不器用さがあります。ここでは性格的に不器用な犬だけでなく、物理的に不器用な犬の特徴にも少し触れていきます。
1.愛情表現や甘えるのが下手
不器用な犬は、自分の気持ちを伝えるのが苦手。そのため、愛情表現や甘えるのが下手な犬が多いです。
犬は飼い主さんの口元をペロペロ舐めたり、飼い主さんに体をくっつけたりして、愛情表現をしたり甘えたりします。でも不器用な犬は、あまりこのようなことはしません。というか、できません。
その代わりに飼い主さんが脱いだ服の上で寝る、体はくっつけていなくても飼い主さんの近くで寝る、といった行動で「大好き♡」と伝えます。不器用ゆえ、ちょっと気づきにくい愛情表現になってしまうのです。もし愛犬が不器用なら、愛犬なりの愛情表現や甘えに気づき、しっかり受け止めてあげたいですね。
2.臨機応変に対応できない
器用な犬はいつもと違ったことが起きても、柔軟に考えを変えたり行動を変えたりすることができますが、不器用な犬はその反対。思考に柔軟性がなく、予想外なことが起きたときに上手く対応できないことが多いです。つまり、臨機応変に対応できないのです。
例えば、いつもと違う散歩コースだと歩くのを嫌がったり、ルーティンが変わると混乱してしまったりします。このような不器用さは「頑固」と表現されてしまうこともあるでしょう。
3.他の犬と上手く遊べない
他の犬と上手く遊べないのも、不器用な犬の特徴のひとつです。上手く遊べない理由はコミュニケーション能力が低いから。
犬は相手の犬を遊びに誘うときに、プレイバウ(play bow)というポーズを取ります。前足と頭は低く、お尻は高くして尻尾を振り「遊ぼうよ!」と誘い、相手も乗り気だと追いかけっこが始まったりします。
不器用な犬はプレイバウのポーズで遊びに誘われても「うん、遊ぼう!」と、応じられないことが多いです。本当はちょっと興味があっても、コミュニケーション能力が低いために上手に遊べないのです。
この不器用さは、もともとの性格もありますが、社会化期の経験不足が原因であることも。生後3〜12週の間を犬の社会化期と呼び、この時期に母犬や兄弟犬と過ごしながら、さまざまな犬社会のルールを学びます。
この経験が不十分だと他の犬へのコミュニケーション能力が身につかず、犬同士で上手に遊べない犬になってしまいます。
犬同士で遊べる犬に育てるには8週齢までは親兄弟と過ごし、そのあとは飼い主さんが他の犬と触れ合わせていくことが大切です。子犬を迎えたら、積極的にパピー教室へ参加したり、犬の幼稚園に通わせたりするといいでしょう。
もし他の犬と上手に遊べない犬に成長したとしても、無理に遊ばせる必要はありません。無理強いをすると大きなストレスになります。他の犬に対して攻撃したり吠えたりしないのなら、犬同士で遊べなくても問題ありません。
4.嘘をつくのが苦手
いたずらをしても、しれっとしている犬がいます。いたずらをしたことを忘れてしまっている可能性もありますが、敢えて知らないふりをしていることもあるでしょう。「しらばっくれる」というやつですね。
不器用な犬は正直で、嘘をつくのが苦手です。そのため、しらばっくれることができません。いたずらをすると妙にウロウロしたり、目を合わせないようにしたりと、挙動不審になってしまいます。そして早々と飼い主さんにバレることに…。
犬は仮病を使うことがあるのをご存知でしょうか?わざと足を引きずったりして、飼い主さんの注意を引こうとするのです。こうしたことも、嘘をつくのが苦手な不器用な犬にはできないでしょう。
5.キャッチが下手
犬の目の水晶体は約8mmで、人の2倍の厚さがあります。そのため、近くの物体を見るときはピントが合いやすく、遠くの物体を見るときはピントが合いにくくぼやけます。いわゆる近視で、人間の視力で表すと0.3くらいだそうです。
このように視力は弱い犬ですが、動くものを認識する動体視力はかなり優れています。何と、1.5km先で人が手を振っているのを認識できた犬もいるといいます。優れた動体視力のおかげで、犬は投げたボールやフリスビーを口でキャッチするのが超得意!
…なはずなのですが、不器用な犬はキャッチを失敗してしまうことが多々あります。真剣なので笑ったらかわいそうと思いつつ、かわいくてクスッと笑ってしまいますね。
まとめ
今回は『不器用な犬』の特徴を5つご紹介しました。特徴を見てきて分かるのは、不器用な犬はいろいろと誤解されやすいですが、実は真面目で一生懸命ということではないでしょうか。
不器用な犬を見かけたときは、陰ながら応援してあげたいものです。もし愛犬が不器用なら「そんなあなたが好き!」と、ありのままを愛してあげましょう。