長生きする犬種と平均寿命は?共通する特徴と健康管理の秘訣まで

長生きする犬種と平均寿命は?共通する特徴と健康管理の秘訣まで

大事な愛犬とは少しでも長く一緒に生きたい。そう願うのは飼い主さんとして当たり前の想いです。犬の寿命は品種によって大きく左右されますが、日々の健康管理も愛犬の健康寿命増進に必要不可欠な要素です。今回は長生きする犬の特徴を品種や日々の健康管理を含め解説していきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の平均寿命

犬の平均寿命は年々長くなってきており、近年の調査では13~14歳程度であるとされています。犬の平均寿命が延びてきている背景として、飼い主さんの犬に対する健康への意識が高まってきている、ドッグフードの品質が良くなっている、獣医療の進歩などが要因として挙げられます。

ただし、あくまでも犬全体で見た平均寿命となり、犬の大きさによって数値は大きく変動します。犬は体が大きい品種ほど、成長速度が早い傾向にあり平均寿命も短くなりやすいとされています。犬の大きさで平均寿命を比較すると小型犬は14.4歳、大型犬は11.5歳と大きく差があることが分かります。

とはいえ、必ずしも小型な犬種が長生きするとは限らず、日々の健康管理や生活環境、病気の有無などによっても大きく左右されます。あくまでも平均寿命を把握するひとつの目安として捉えてください。

ギネスでの最高齢

ギネス世界記録にて最も長生きした犬に登録されているのは、中型犬であるオーストラリア・キャトル・ドッグです。オーストラリア・キャトル・ドッグである「ブルーイ」は、オーストラリアのビクトリア州の牧牛犬として生き、29歳5ヶ月でこの世を去りました。

中型犬の平均寿命が13.4歳前後であることを考えると、かなりの長寿犬だったことが分かります。

長生きする犬種と平均寿命

2頭のイタリアングレーハウンド

現在の犬の平均寿命はおよそ14歳ですが、犬種によって違いが見られます。必ずしもその平均寿命まで生きられるとは限りませんが、長生きとされている犬種を飼いたいと考える人は少なくないでしょう。

では長生きとされているのは、どの犬種でしょうか?以下からご紹介していきます。

1.イタリアン・グレーハウンド(平均寿命12〜15歳)

グレーハウンドなどのハウンド種を小型犬に改良した犬種です。16世紀のイタリアで普及したため、イタリアン・グレーハウンドという名がつきました。

見た目は華奢ですが体が丈夫で病気にも強いと言われており、長生きな傾向にあります。しかし、骨が細く骨折しやすいことと寒さに弱いことに注意が必要です。室内の安全対策と冬場の散歩時の防寒対策には万全を心がけましょう。

2.ミニチュア・ダックスフンド(平均寿命12〜16歳)

ケネルクラブの登録犬種としては『ダックスフンド』1種類ですが、体のサイズで大きいほうから『スタンダード』『ミニチュア』『カニンヘン』に分けられます。

ドイツ語で『ダックス』は『アナグマ』、『フンド』は『犬』を意味し、もともとはアナグマ猟に使われていました。

ウサギやネズミといったテン類などの小動物の狩り用に小型化されていき、ミニチュア・ダックスフンドが誕生したのは16世紀です。ワタウサギ狩り用に作出されました。

ミニチュア・ダックスフンドは長生きな犬種とされていますが、胴長な体型を原因とするトラブルが多いです。運動不足になると胴回りの筋肉が減少し背骨を支えられなくなり、歩けなくなることがあり、椎間板ヘルニアにもなりやすいです。

肥満は椎間板ヘルニアを誘発するため、子犬期から適度な運動と食事管理を徹底しましょう。また椅子やソファへ乗り降りさせないなど、なるべく腰に負担がかからないようにすることも大切です。

3.トイ・プードル(平均寿命12〜15歳)

プードルも登録犬種としては1種類ですが、サイズによって『スタンダード』『ミディアム』『ミニチュア』『トイ』の4種類に分けられます。日本で一番人気なのが、最も小さいトイ・プードルです。

祖先は水辺の猟で、水鳥を回収していた犬と考えられています。フランスの貴族の愛玩犬として人気が高まり小型化が進められた結果、18世紀頃にトイ・プードルが作出されました。

トイ・プードルは膝蓋骨脱臼になりやすいものの長寿の傾向にあり、20歳まで生きた超長寿犬も!

4.柴犬(平均寿命12〜15歳)

1936年に国の天然記念物に指定されている柴犬は、日本人に馴染み深い犬種です。縄文時代に南方の民族に連れて来られたと言われており、かつては山岳地帯で鳥や小動物の猟に使われていました。

元来、丈夫な犬種で長生きする子が多いようです。しかし柴犬をはじめとする日本犬は、認知症が発症しやすいと言われています。

日頃から脳に刺激を与えて発症を予防することと、進行しないうちに早めに症状に気づき対処していくことが大事です。

5.パピヨン(平均寿命13〜15歳)

犬種名の『パピヨン』は、フランス語で『蝶』を意味します。大きな耳が蝶が羽ばたいているように見えることから、この名がつけられました。

1500年頃に小型のスパニエルに改良を加えて誕生したのが、この犬種と言われています。フランス宮廷で人気を集め、マリー・アントワネットの飼い犬だったことで有名です。

骨格は細いですが体が丈夫で、長生き傾向の犬種です。膝蓋骨脱臼になりやすいので、高いところから飛び降りないように注意しましょう。

6.チワワ(平均寿命12~14歳)

小型犬であるチワワは愛玩犬としても人気が高い犬種です。世界最小の犬として知られる一方で、勇敢な性格である子も多く散歩中など飼い主さんを守るため、他の犬に威嚇することも多いです。

暑さには強い反面、寒さに弱いため冬の季節は体温管理に気を配ってあげる必要があります。

7.ミニチュア・シュナウザー(平均寿命12~15歳)

長めの口ひげと眉毛が魅力的なミニチュア・シュナウザーはドイツ原産の小型犬で、世界的アクションスターであるブルースリーが飼っていたことでも有名です。明るく元気な性格であり、活発に動き回るため手を焼いてしまうことがある一方、愛嬌たっぷりな姿には心癒される飼い主さんも多いです。

泌尿器疾患を患いやすいため、定期的に健康診断を受診されることを推奨します。

8.ヨークシャー・テリア(平均寿命14~16歳)

ぬいぐるみのような可愛らしさが人気のヨークシャー・テリアは超小型犬に分類されます。イギリス生まれの犬種で上流階級の間で愛玩動物として飼われていた時期もあります。 室内犬であるため室外での飼育に向いておらず、必要とする運動量も少なめな傾向にあります。

9.シー・ズー(平均寿命12~15歳)

中国貴族から愛されていた歴史を持つシー・ズーは、犬の中でも大人しい性格で飼いやすい犬種として知られています。その一方で皮膚に関する疾病を患いやすいため、こまめな毛繕いが必要となります。

10.マルチーズ(平均寿命13~15歳)

ヨーロッパ原産の犬種で日本でも愛されているマルチーズは、穏やかで人懐っこい性格の子が多いです。そのため犬の飼育初心者でも暮らしやすいですが、目と耳に関する疾病を患いやすいため、こまめなケアが大切となります。

11.カニンヘン・ダックスフンド(平均寿命14~17歳)

ドイツを原産国とする超小型犬カニンヘン・ダックスフンドは、小さい体とは裏腹にウサギの猟犬として重宝されていた歴史を持ちます。小柄ながら気が強い性格で活発に動き回ります。足が短い犬種であることから腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアを患いやすいです。

12.ジャック・ラッセル・テリア(平均寿命13~16歳)

イギリス原産のジャック・ラッセル・テリアはキツネ狩りの猟犬だった歴史がある犬種です。キツネ狩りに適応した気の強い性格となり、パワフルに活動します。遺伝的な要因から糖尿病を発症しやすいため、こまめな健康診断が大切となります。

13.ミニチュア・ピンシャー(平均寿命12~16歳)

どことなくドーベルマンに似ているミニチュア・ピンシャーはドイツ原産の犬種です。ドーベルマンとは異なる品種で歴史上ではミニチュア・ピンシャーの方が先に誕生しました。 勇敢な性格に育ちやすく、賢い子が多いため番犬に適している一方、多くの運動量が必要であるため散歩などの苦労も大きいです。

14.ビーグル(平均寿命12~15歳)

中型犬として知名度が高く日本でも人気なビーグルですが、元々はウサギ狩りの猟犬でした。とはいえ、攻撃的ではなくフレンドリーな子が多い傾向にあります。 他の品種よりも比較的多くの皮脂を分泌することから、ニオイがキツイという評判もあり、こまめなシャンプーが必要となります。

15.ボーダー・コリー(平均寿命10~15歳)

イギリスの牧羊犬として暮らしていたボーダー・コリーは、運動神経に優れ、知能も賢い犬種です。人に懐きやすい一方で見知らぬ人間に対しては、ある程度の警戒心を抱くため家の番犬としても適しています。牧羊犬だった歴史から、運動量を多く必要としているため十分な散歩などが求められます。

16.ビション・フリーゼ(平均寿命12~15歳)

綿毛のようにふわふわした体毛が特徴的なビション・フリーゼは、小型犬ながらも意外にがっしりした筋肉の持ち主です。他の犬種と比較すると、遺伝的に発症しやすい病気は少ないですが、毛の量が多いため目や耳の疾病を患いやすいです。飼育時にはこまめなグルーミングと毛のカットが大切となります。

17.アメリカン・コッカー・スパニエル(平均寿命12~15歳)

犬の中でも明るい性格の子が多いアメリカン・コッカー・スパニエルは、ディズニー映画「わんわん物語」にて有名になった品種です。その一方で、愛玩犬として飼育される前は猟犬として暮らしていたため、ガッチリとした筋肉を有しています。

ふわふわ長い被毛がトレードマークですが、お手入れが大変です。ケアを怠るとすぐに毛玉ができてしまい、皮脂で汚れてしまうため、こまめなシャンプーとグルーミングが求められます。

18.日本スピッツ(平均寿命12~14歳)

日本を原産国とする日本スピッツは、白くてモフモフした被毛が特徴的な犬種です。無駄に吠えて近所迷惑となりやすいイメージが強かったですが、近年では比較的大人しい子が増えてきていると言われています。

犬の中でも皮膚に関する疾病を引き起こしやすいといわれており、アレルギー性皮膚炎などには気を配る必要があります。

19.ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(平均寿命12~14歳)

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはスコットランドを原産国とし、可愛らしい姿とは裏腹に元々、猟犬だった品種です。明るい性格な一方、頑固でマイペースな一面もあるため、日頃からのしつけが重要です。皮膚炎を発症することが多いため、痒がったりする仕草がないか皮膚の様子を定期的にチェックしてあげましょう。

20.イングリッシュ・コッカー・スパニエル(平均寿命12~15歳)

イギリスの狩猟犬として飼われていたイングリッシュ・コッカー・スパニエルは、飼い主に従順な性格の犬種としても知られています。しつけやすい品種であるため、犬初心者の飼い主からも人気が高いです。

遺伝的な疾患を患いやすく、進行性網膜萎縮症や激怒症候群など注意しなければならない病気が多いのも特徴です。

長生きする犬種に共通する特徴

ソファで休むパピヨン

ご紹介してきた長生きする犬種には共通する特徴があります。それは『小型犬』ということと『遺伝性の疾患が少ない』ということです。

1.小型犬

理由ははっきりとは分かっていませんが、一般的に大型犬と比べて小型犬のほうが長生きな傾向にあります。

大型犬のほうが成長スピードが速いことや、大型犬は体の大きさに対して臓器が小さく負担がかかることなどが関係しているのではないか、と考えられています。

2.遺伝性の疾患が少ない

遺伝性の疾患が少ない犬種は長生きする傾向にあります。遺伝性疾患の中には寿命に大きく影響するようなものもありますが、ご紹介した犬種にはそのような遺伝性疾患が比較的少ないです。

犬の寿命と死亡する原因

犬の寿命は病気の有無によっても大きく変動します。犬は一体どんな病気で亡くなってしまうことが多いのか?死亡原因として報告されることが多い病気を3つ紹介します。

①がん(悪性腫瘍)

人間の死亡原因としても挙げられることが多いがん(悪性腫瘍)は、犬にとっても危険な病気です。そもそも、がんとは細胞が突然変異し悪性の腫瘍を形成する病気です。発生部位などによって症状や進行速度は異なりますが、放置すると全身に転移しやがて死に至ります。

犬の場合、皮膚や乳腺にがんが発生するケースが多いです。完全な予防方法はないため飼い主さんによる日頃の健康ケアと早期発見が重要となります。

②心臓病

心臓病も犬に多く見られる病気です。主な症状としては咳や呼吸困難の他に、腹水、浮腫なども挙げられます。心臓病は目立った初期症状がなく、重症化するまで罹患していることに気付けないことが多い病気です。

その一方で、動物病院で定期的に聴診などの検査によって早期の段階で判明することもあります。飼い主さんの健康管理によっては重症化する前から処置を施すことも可能です。

③腎不全

腎不全とは、腎臓の機能が著しく低下する病気です。本来、腎臓の働きで体外に排出されるはずの老廃物が腎臓機能の低下に伴い、体内に蓄積され体重減少や尿毒症などを引き起こします。腎不全は生活習慣や老化によって引き起こされる慢性腎臓病と病気などの影響により発症する急性腎臓病に大別されます。

いずれにせよ、一度機能を失った腎臓が回復することはなく、点滴や投薬治療、食事療法などを組み合わせて延命を図ることになります。

長生きさせるため健康管理の秘訣

お手をする柴の老犬

長生きする犬種であってもそうでない犬種であっても、長く一緒にいるためには健康を維持することが重要です。ここからは、犬の健康維持の秘訣をご紹介していきます。

1.免疫力を高める

免疫力が低下すると病気やがんになりやすくなります。それは犬も人も同じです。健康を維持するには、免疫力を高めることが重要なのです。

犬の免疫力を高めるには

  • 栄養バランスのよい食事を取る
  • 適度な運動をする
  • 良質な睡眠を取る
  • ストレスの少ない生活を送る
  • 腸内環境を整える

といったことが大事です。

中でも注目すべきは、腸内環境を整えること。腸は免疫力と無関係に思えるかもしれませんが、実は大いに関係しています。免疫細胞のおよそ7割が腸に集まっているのです。それはつまり腸内環境を整えれば、免疫力が高まるということです。

犬の腸内環境を整えるために、その効果が期待される食べ物(納豆、ヨーグルト、バナナ、さつまいもなど)をいつもの食事にトッピングしたり、おやつとして与えたりするのがおすすめです。ただし、与えすぎないように注意しましょう。

2.予防できる病気は予防する

予防できる病気は予防することも、健康維持に繋がります。年に1回の狂犬病予防注射と混合ワクチンの接種で、致死率の高い感染症を予防することができます。フィラリアやノミ/マダニの予防薬を投与すれば、怖い寄生虫から犬を守れます。

また去勢/避妊手術によって、オスなら精巣腫瘍や前立腺肥大、会陰ヘルニアなど、メスなら子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの予防が可能です。

一方で去勢/避妊手術には、麻酔のリスクや太りやすくなるといったデメリットもあります。メリットとデメリットをよく理解した上で、手術するかどうか判断をしましょう。

3.定期的に健康診断を受ける

健康を維持するには定期的に健康診断を受けて、犬の体の状態を知ることが大切です。健康診断は病気を早期に発見できるだけではありません。診断結果を元にした獣医師からのアドバイスにより、病気になる前に予防することもできます。

シニア期(一般的に小/中型犬は7歳以上、大型犬は5歳以上)の犬は半年に1回、それ以外の犬も年に1回は健康診断を受けましょう。

まとめ

トイプーとMダックスフンド

今回は『長生きする犬種』を5犬種ご紹介しました。ご紹介した犬種は長生きな傾向にありますが、必ず長寿になるという保証はありません。

どの犬種であっても長生きするためには、飼い主さんが健康維持に努めてあげることが大事です。ご紹介した健康維持の秘訣を参考に、ぜひ長寿犬を目指してくださいね!

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