『過剰なお世話』に要注意!
愛犬の健康を維持していくには、飼い主さんのお世話が必要不可欠です。とはいえ、何事もやりすぎはよくありません。お世話も過剰になると、かえって健康トラブルやストレスを招いてしまいます。
ストレスはさまざまな病気の要因となり、寿命を縮めてしまうこともあるので注意が必要です。
さて、あなたが普段しているお世話はボーダーラインを越えていないでしょうか?愛犬に『過剰なお世話』をしていないか、ぜひこの機会にチェックしてみましょう。
『過剰なお世話』4選
1.綿棒で奥まで耳そうじをする
犬の耳を清潔な状態に保つことは、外耳炎など耳の病気の予防に繋がります。しかし、綿棒で奥まで耳そうじをするのは過剰なお世話です。外に出ようとしている耳垢を奥へ押し込んでしまったり、外耳道を傷つけてしまったりする恐れがあります。
耳をチェックして汚れていたら耳そうじが必要になりますが、その場合は耳介(一般的に耳と呼ばれている部分)を拭き取ればOK。イヤークリーナーやイヤーローションをコットンに含ませ、耳介の見える範囲の汚れをやさしく拭き取ります。
耳の汚れや病気に早めに気づけるように、耳のチェックはこまめにするのがおすすめです。耳の中が蒸れやすい垂れ耳の犬は毎日、それ以外の犬も週に1度は耳のチェックをしましょう。
耳垢の色がいつもと違う、耳がにおう、耳介が赤いといった異変が見られる場合は、早めに動物病院へ。
2.頻繁に肛門腺絞りをする
犬の肛門の左右には肛門嚢という袋があり、そこに肛門腺から分泌される分泌物がたまるようになっています。この分泌物はにおいが強く、興奮時や排便時などに排出されますが自力で排出できない犬もいます。
そこで必要になるのが肛門腺絞りです。肛門嚢に分泌物がたまり続けると、肛門嚢の炎症や破裂が起きることがあるため、分泌物を絞り出してあげなくてはいけないのです。
とはいえ、肛門腺絞りは頻繁にやるものではありません。頻度が高いと、肛門やその周辺が炎症を起こすことがあります。肛門腺絞りの目安は月に1回程度です。
ただし分泌物のたまりやすさや、自力で排出できるかなどには個体差があります。愛犬にはどのくらいの頻度で肛門腺絞りをしたらいいのか迷ったときは、獣医師やトリマーに相談するといいでしょう。
肛門腺絞りを飼い主さんが行う場合の手順は、次のようになります。
- 1.犬を立たせた状態にし、片手で尻尾の根元をやさしくつかんで真上に持ち上げる
- 2.肛門を時計に見立て、4時と8時の位置に親指と人差し指の腹を当てる
- 3.下から上に向かって押し出すように絞る
- 4.お尻をシャワーで流すか、ウエットシートで拭く
飼い主さんが上手くできない場合は無理をせず、動物病院やトリミングサロンにお任せしましょう。
3.頻繁にシャンプーをする
犬の被毛や皮膚を清潔かつ健康に保つためには、シャンプーが必要になります。シャンプーをしないでいると汚れやにおいが発生するだけでなく、皮膚にトラブルをもたらすでしょう。
だからといって、頻繁にシャンプーをするのは過剰なお世話になってしまいます。皮膚の保護に必要な皮脂が不足してしまい、皮膚が乾燥したり、皮膚炎を引き起こしたりする恐れがあります。
適切なシャンプーの頻度は犬種や皮膚の状態などにより異なりますが、月1〜2回程度が目安です。最低2週間は間隔をあけるようにしますが、皮膚病などで獣医師から指示がある場合はそれに従いましょう。
4.散歩後毎回足を洗う
散歩から帰ったあと毎回愛犬の足を洗っていませんか?愛犬の足裏、つまり肉球を清潔にするのはいいことですが、毎回洗うのは過剰なお世話です。足を洗いすぎると肉球に潤いがなくなり皮膚病や乾燥の原因になります。
散歩後そんなに足が汚れていないのなら、濡らしたタオルやペット用のウエットシートでやさしく拭く程度で十分です。濡らしたタオルで拭いたあとは、乾いたタオルで拭くのが理想的。肉球の間や指の間に水分を残さないようにしましょう。
雨の日の散歩などで汚れがひどいときは足を洗いますが、しっかり乾かさないと蒸れて肉球などが炎症を起こすことがあります。足を洗ってタオルドライをしてから、ドライヤーで完全に乾かしましょう。
まとめ
愛犬によかれと思ってやっていることが、実は過剰なお世話になってしまっていることがあります。
もし今、過剰なお世話をしてしまっているのなら、それをやめることで愛犬だけでなく飼い主さんの負担も減るはずです。過剰になっている部分は削り、適切にケアしていきましょう。それが愛犬の健康と長生きに繋がります。