本気噛みの見極め
犬の本気噛みついては、どこからが「本気」であるのかが、しばしば議論の対象になります。遊びとしてのじゃれ合いがエスカレートした状態なのか、攻撃や防御など争いの手段として全力で噛んでいるのかの見極めが非常に難しいからです。
本コラムでは「警告としての噛みつき」「相手にダメージを与えるための噛みつき」の両方を「本気噛み」と捉え、話を進めてまいります。
本気噛みをする前に見せるサイン3選
犬が本気噛みをする前に見せるサインは、犬を飼っているなら把握しておきましょう。
「うちの子は本気で噛んだりしない」と思っていても、公園や散歩中、ドッグランやイベント会場などで他の犬と触れ合う機会が多く、相手から攻撃を受けるなど予想もしなかったアクシデントが起こることもあります。
愛犬が本気噛みをする前に見せる、以下3つのサインを把握しておけば犬同士の喧嘩を防げるため安心です。
1.本気度★ 鼻にしわを寄せる
犬が鼻の上にしわを寄せながら前歯、犬歯をむき出すのは不快さを含む警告のシグナルとして知られています。「自分はそれをされるのが不愉快だから、これ以上続けると何かの攻撃をするよ」といった意思を伝えるボディランゲージのひとつです。
シグナルを読み取れないと、この後の展開によっては本気噛みといった手段に移ることも予想されるので注意してください。
2.本気度★★ 低い声で唸る
犬は感情に合わせた声を出します。その声の種類はいくつかに分かれていますが、中でも、体の奥底から響いてくるような、低くて深い唸り声には要注意です。
その声を出すときの犬は、極度の不快感を抱いています。同時に怒りのボルテージも高まっている状態なので、本気噛みに移行する可能性が高く危険です。
3.本気度★★★ 背中の毛が大きく逆立つ
言うならば戦闘モードのギアが全開になった姿がこちら。ボディランゲージ、カーミングシグナル、その他全方向から考えてみても、背中の毛が大きく逆立つというのは、犬が本気で攻撃に移る直前のサインです。
怒りと恐怖がないまぜになり、体の毛が逆立つほどの激しい興奮に震えている状態なので、速やかに本気噛みを回避する必要があります。
彼らが本気で噛むときは
犬のサイン3選を見てまいりました。犬たちが本気で噛むときは、真剣に相手を攻撃してやる、せざるを得ない、するしか選択肢が無い状態です。
本気噛みの対象が人なのか犬なのかを問わず、飼い主はなぜ犬がそのようなアクションをするのか、経緯と状況を洗い出して犬の気持ちに真剣に向き合うべきではないでしょうか。
犬の本気噛みの治し方に、使える魔法はありません。裏ワザもありません。愛犬が何に対して怒りを覚えるのかを探り出す作業がマストです。面倒に感じられるかもしれませんが、正面から問題に取り組むことで、飼い主だから発見できる理由が、必ずそこに見えるはずです。
心の根っこに深く植え付けられた恐怖心を取り除き、「飼い主と一緒なら大丈夫」「本気で噛む行動というのは要らないんだよ」といった安心の芽を育てていきたいですね。
まとめ
いかがでしたか。犬はとても愛らしく、ときに人の子にも似たキュートレスポンスをする4つ脚の動物です。
つまり、犬は人の感情によく似た表現をしますが、人とは違う種類の本能を持った生き物であることを十分に理解して暮らす必要があります。
どうか、本気噛みになるようなシチュエーションにならないように、上手な犬育てをしていきましょう。