運動不足になると
1.筋力の低下
犬はもともと運動要求量が多く、柴犬サイズの中型犬で一日に30分~1時間の散歩を2回程度必要としているといわれています。
これより小さな小型犬も朝晩に20分~30分程度の散歩が必要ですし、もっと運動要求量が多い犬種もいます。
犬たちは散歩で歩いたり走ったりすることで「運動」を行い、筋肉を維持していきます。
この散歩などの運動が極端に少なかったりして運動不足になると、体を維持する筋肉が付かなったり、あるいはついていた筋肉が落ちていったりします。
その結果、関節の動きが悪くなったり、痛みを引き起こしたりするのです。
犬たちの関節周りは自重を支えたり運動をする際に関節への負担を和らげたりするための筋肉や腱があります。
運動不足になるとこの関節周りの筋肉も必要量を維持することができません。
関節の動きに違和感があると、犬たちは余計に動くのを嫌がります。
違和感がある部分をかばうような動きになると、別の関節に大きな負担がかかり痛みを生じることもあるため、その結果さらなる運動不足に陥ってしまわけです。
2.代謝の低下
人間をはじめ動物は寝ている間や安静にしている間も「基礎代謝」があるためカロリーを消費しています。
基礎代謝とは体温の維持や、消化や呼吸で内臓や筋肉を働かせるために使われるエネルギー量のことをさします。
体の筋肉量が多いほど基礎代謝量は大きくなり、何もしなくても(寝ているだけ)食事で摂取したカロリーを消費することになります。
反対に運動不足で筋肉量が落ちているとそれだけで基礎代謝量が減り、摂取したカロリーを消費しにくい体になってしまうのです。その結果、とても肥満になりやすくなるといえます。
肥満になると人に限らず犬でも様々な病気のリスクが高まります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 肝硬変
- 心臓病
など、これらは肥満によって体についた脂肪が血管や臓器の働きを阻害することでおこる病気です。
人で問題になる生活習慣病は、食生活が高栄養になった犬たちでも起こる可能性が非常に高いので、注意が必要です。
3.ストレスの増加
犬は普段走り回ったり動き回ったり、外の空気を吸ったりすることでストレスの解消を行っています。
そんな犬たちが自由に走ったり歩いたりできない状態が続くことを考えてみてください。
相当に強いストレスがかかることが想像できると思います。
犬たちはストレスが高まると攻撃性が高まったり、破壊行動を起こしたりするほか、自分の体をなめたり噛んだりしてストレスをなんとか発散しようとします。
おすすめの運動法
運動不足にならないためにおすすめの運動法は、ずばり「散歩」でしょう。
適度なスピードで歩くことは有酸素運動でもあり、カロリーの消費に役立ちますし筋肉への負荷も強すぎないことがメリットです。
散歩より強い運動負荷が必要であれば、時折ドッグランなどで「走る」ことも取り入れてみましょう。
このとき、ただやみくもに走ったり歩いたりするのではなく、アイコンタクトをとりあったりして犬の調子をよく観察してあげることが大切です。
負荷が大きすぎて関節を痛めたり、体調が悪くならないように気を付けてあげましょう。
また十分な時間の散歩に行けないなどといった場合は室内でボール遊びなど、コミュニケーションが取れる遊びを取り入れて全身を使う運動をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
犬たちは基本的に運動することが大好きです。
そしてそれは、ただ一人で走るだけではなく、仲間や飼い主さんと遊びながら運動できるのが大好きなのです。
運動不足に注意しながら毎日しっかり遊んであげることで、より信頼関係が深まるとよいですね。