小型犬の基準は?
日本の人気犬種ランキングの上位を占めているのは、小型犬です。その人気の理由は、見た目のかわいらしさだけではありません。あまり広いスペースを必要としないことや、中型犬や大型犬に比べて経済的負担が軽いことなども理由に挙げられます。
『小型犬のみ可』とされている施設や集合住宅がありますが、犬のサイズの分類に基準はあるのでしょうか?実は、明確な基準や定義はありません。
しかしながら大体の基準はあります。一般的に成犬時の体重が10kg未満を小型犬、10〜25kg未満を中型犬、25kg以上を大型犬と分類することが多いようです。各犬種の標準体重をこの基準に当てはめると
- ミニチュアダックスフンド
- シーズー
- パグ
- パピヨン
- ジャックラッセルテリア
などが小型犬に分類されます。
標準体重が4kg未満の
- トイプードル
- チワワ
- ヨークシャーテリア
- ポメラニアン
などは、超小型犬と分類されることもあります。
小型犬への『絶対NG行為』は?
小型犬を飼う場合、飼い主さんは『絶対NG行為』を知っておく必要があります。それを知らないと愛犬の健康や安全を守れない可能性があるからです。では、その『絶対NG行為』を6つご紹介していきます。
1.安定感のない抱っこの仕方をする
中型犬や大型犬よりも抱っこをしやすい小型犬ですが、飼い主さんが立って抱っこしている状態からの落下事故が少なくありません。抱っこ中の落下により骨折や脳挫傷、場合によっては死に至ることもあります。
小型犬は体重が軽いため、飼い主さんはひょいと持ち上げて安定感のない抱っこの仕方をしてしまいがちです。例えばお尻を支えない縦抱っこ、肩に担ぐような抱っこ、密着度の低い抱っこなどは安定感がなく危険です。
小型犬を抱っこするときは片手で胸元を支え、もう片方の手でお尻を支えて抱き上げ、犬の体と自分の体を密着させます。犬の背中に負担がかからないように、犬の背骨と地面がなるべく水平になるようにすることも重要です。
2.整理整頓をしない
外で飼うのが当たり前だった時代を経て、今は犬も室内で飼うのが主流です。特に、小型犬を外で飼う人はほとんどいないでしょう。
室内で飼うということは、さまざまな生活用品や食品が犬の身近にあるということ。誤飲や誤食に十分な注意が必要です。
布や紐状のもの、果実の種などを犬が飲み込んでしまうと、腸閉塞や窒息を起こす恐れがあります。また人の医薬品やタバコ、ネギ類、ブドウ、チョコレートなどは中毒を起こし命に関わることもあります。
大きさに関わらず犬にとっても誤飲や誤食は危険ですが、小型犬は体が小さいだけに少量でも重篤な事態に繋がりやすいです。
飼い主さんに整理整頓の習慣がないと、犬がいろいろなものを口にしてしまうリスクが高くなります。常に整理整頓を心がけ、誤飲や誤食の危険があるものは犬の届かない場所で管理しましょう。
3.散歩をしない
「小型犬に散歩は必要ない」と思っていませんか?確かに、小型犬に分類される犬種の多くは、1日に必要とする運動量が少なめです。でも、散歩の必要がないわけではありません。
なぜかというと、散歩は運動不足を解消するためだけのものではないからです。散歩で外のいろいろな景色や音を見たり聞いたり、匂いを嗅いだりすることは犬の脳を刺激し、ストレス解消にもなります。
散歩をしないと犬はストレスがたまるだけでなく老化が早まったり、認知症になるリスクが高まったりすると言われています。病気やケガなどで獣医師から禁止されていないのであれば、散歩へ連れて行きましょう。
4.歯磨きをしない
虫歯菌は酸性の環境を好みますが、犬の口内はアルカリ性。そのため、犬は虫歯になりにくいです。だからといって歯磨きをしないのは絶対NGです。歯磨きをしないでいると歯垢がたまり、それが歯石となって最終的には歯周病になります。
3歳以上の犬のおよそ8割が歯周病またはその予備軍であり、特に小型犬は注意が必要と言われています。小型犬は歯と歯の隙間が狭かったり、乳歯が抜けないまま永久歯が生えていたりすることが多く、歯垢がたまりやすいからです。
歯周病とは歯肉炎や歯周炎のこと。歯周病は実は恐ろしい病気で、重度になると目の下に穴が開いてしまったり、下顎の骨が折れてしまったりします。
さらには歯周病が原因で、心臓病や肝臓病、腎臓病などを引き起こすこともあります。歯周病の細菌が血液に入り込み、臓器に悪さをするのです。
歯周病を予防するには、歯磨きで歯垢をしっかり取り除くことが大事。犬の場合、3〜5日で歯垢が歯石に変化してしまうため、最低でも3日に1回の歯磨きが必要になりますが、ベストなのは毎日歯磨きすることです。
5.甘やかす
小型犬は成犬になっても子犬のように小さいので、つい甘やかしてしまいがちです。しかし犬のおねだりを無条件に受け入れていると、犬がワガママになってしまう可能性があります。
そしてワガママな犬は吠えや噛みつきといった問題行動で、自分の要求を通そうとするようになることが多いです。
愛犬のことがどんなにかわいくてもメリハリは大切。時には、毅然とした態度で接することも必要なのです。おねだりには、無視で対応するのが一番。「どんなにおねだりしてもダメなんだ」と犬が諦めるまで『見ない』『触らない』『話しかけない』を貫き通しましょう。
6.高いところから飛び降りさせる
高さのある場所からの飛び降りは犬の足腰に負担をかけ、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアの原因になります。また小型犬の骨は非常に細いため、ソファから飛び降りたときに前足を骨折してしまうこともあります。高いところからの飛び降りはさせないようにしましょう。
理想的なのは、ソファなどの高いところには上がらないようにしつけることです。それが難しい場合は、犬用のステップやスロープを設置するなど、犬が飛び降りなくても済むように工夫しましょう。
まとめ
今回は、小型犬の飼い主が知っておくべき『絶対NG行為』を6つご紹介しました。小型犬は飼いやすいイメージがあるかもしれませんが、体が小さいからこそ気をつけなくてはならないことがたくさんあります。
ご紹介した絶対NG行為は、小型犬だけでなく中型犬や大型犬にもしてはいけません。しかし体が小さく骨も細い小型犬は、中型犬や大型犬よりも深刻な事態に陥るリスクが高いです。小型犬の飼い主さんは、絶対NG行為をしないように十分注意しましょう。