犬が早食いする理由
あなたの愛犬はどんなご飯の食べ方をしますか?ご飯の最中に少し休憩を入れながら食べる犬もいれば、目の前にご飯が用意されたとたんに一瞬も休むことなく一気にガツガツと平らげてしまう犬もいるはず。
美味しそうに残さず食べてくれるのは嬉しいことですが、早食いは犬の体に負担をかけてしまうデメリットもあります。早食いする犬は割と多く、犬ならではの理由もあるようです。
野生時代の名残り
犬の先祖は野生動物のオオカミであると考えられていて、その野生時代の本能が今現在を生きる犬にも多く残っています。早食いも野生時代の名残りのひとつ。
犬は野生時代に群れの仲間たちと狩りを行い獲物を倒し餌としていました。狩りは毎日成功するわけではないので、数日食べ物を口にすることが出来ないこともあります。
また、群れの仲間たちと一緒に食べるので、のんびり食べていると自分の取り分が少なくなってしまうこともあったのでしょう。食べられない日を考慮し食い溜めするためには、多くの量を出来るだけ早く食べる必要があったのです。
また、犬の歯は人間の様に噛んだり、すり潰す構造にはなっておらず、獲物の肉を噛みちぎる構造になっています。基本的にゆっくりと噛んで飲み込む習性がなく、食べ物は丸飲みするもの。歯の構造も早食いの理由に繋がっているようです。
とは言え、現在の犬は生肉を食いちぎる必要はなく、仲間と食べ物の争いをする必要もありませんよね。慌てるように一生懸命早食いする犬は最悪のケースだと寿命が短くなってしまう恐れもあります。
犬は早食いをすると寿命が短くなる?4つの危険な理由
1.胃拡張
早食いすることでいっぺんに大量のご飯が胃の中に入り、特にドライフードの場合は胃の中でフードが膨らみ胃が拡張してしまう病気。症状はお腹が張り嘔吐することもあります。嘔吐が激しく脱水症状を引き起こしてしまった場合は様々な健康被害に繋がる危険性があります。
2.胃捻転
胃捻転も早食いが原因になっているのではないかと考えられる病気のひとつ。胃が拡張しねじれてしまい、臓器や血管を圧迫するため最悪は命にかかわることもあります。突然発症し、治療する間もなく短時間で亡くなってしまうこともあるので非常に怖い病気です。
3.窒息
早食いしている愛犬がむせている姿を見たことがある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?急いで食べることで一度に大量のご飯が口の中に入ってくると、窒息する危険性もあり最悪の場合は呼吸が妨げられます。
犬は基本的に口の中に入る物は丸飲みする可能性があるのでフードの大きさにも気をつけましょう。
4.誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは食べ物が食道ではなく気管に入ってしまい、口腔内の細菌が肺に入り込み起きてしまう肺炎です。急いで食べることで発症するリスクは高くなります。特に老犬は食べ物を飲み込むための器官の働きが弱いため注意が必要になります。
犬の早食いを改善する方法
犬の早食いには様々な健康被害があります。また最悪の場合は命にかかわることも…。早食い自体の防止、また食事の仕方を工夫することで早食い自体は防げなくても病気を防いであげることはできます。
1.ご飯の回数を変える
ご飯を一度に大量に食べてしまわないように与える回数を増やしてみましょう。一日に与える量は変えることなく回数だけを増やす与え方です。
一度に与える量は少なく、食べる回数を増やすことで胃拡張のリスクを軽減できます。また早食いした後の吐き戻し防止にも効果的です。
2.早食い防止用のフードボウルを使用する
犬の早食い防止用のフードボウルが市販されています。底に凹凸があるタイプのフードボウルになっていて突起と突起の間にフードが入るため、自然と時間をかけて食べるようになります。手軽に始められる改善方法のひとつです。
3.フードをふやかす
フードをぬるま湯やスープなどでふやかしてから与えると丸飲みしずらくなるため、食べ物が喉に詰まってしまうのを防ぐことが出来ます。
フードと一緒に水分も摂取することになるので、ドライフードと比べると満腹感を得やすく早食いそのものの防止にもなります。消化不良を起こしやすい個体にもお勧めです。
まとめ
犬がご飯を早食いするのは珍しいことではありません。野生の本能が残っていることを考えるとむしろ当たり前のことかもしれませんね。まずは手軽にご飯の回数を変更する、早食い防止用のフードボウルを使用するなどして食事のサポートをしてあげましょう。