️血統書の役割とは
1.血統書はわんこの戸籍謄本
血統書の正式名称は『血統証明書』で、その名の通りわんこの血統すなわち血筋の正しさを証明するものです。
詳しい記載内容については次の項でご説明しますが、血統を証明するために出身犬舎の名前や場所、両親犬から数世代前までの祖先犬の出自などが記載されています。出身犬舎名は人間でいえば本籍地のようなものですから、いわばわんこの戸籍謄本と言っても過言ではないでしょう。
2.血統書の目的は純血種の維持
最初にご紹介したように「血統書付きの犬を飼っている」ことがステータスのように考えられていた時代は確かにありました。
ですが、血統書は人間の自己顕示欲を満たすためのものではもちろんありません。その役割は血統を証明することであることはすでに述べましたが、血統を証明する目的はずばり「純血種の血統を維持すること」であり「純血種を保護すること」です。
ケネルクラブに公認されている犬種には「犬種標準(スタンダード)」が定められており、体の大きさや被毛の色、尾の形などその犬種に求められる標準的な姿、理想像が記載されています。
この犬種標準に沿った純血種を維持し未来に残すためには、しっかりとした血筋に基づいて作出計画を練り子犬を産み出す必要があるのです。
3.血統書はいつ必要になる?
では私たちの生活場面において血統書はいつ必要になるのでしょうか?結論から言ってしまうと、ごくごく一般的な家庭犬オーナーとして生活していく限り、血統書の提示を求められる場面はありません。
血統書が必要になるのは、愛犬を品評会やショーレースに出場させる場合や、ドッグブリーダーとして子犬を産ませて販売しようとする場合などに限られます。とはいえ、かわいい愛犬の公的な証明書には間違いないですから、大切に保管しておきたいですね。
️血統書の見方
1.血統書の発行団体は1つではない
実は血統書の発行団体は複数あり、書式や記載内容にもそれぞれ違いがあります。最も一般的なのは、国際的な団体でもある一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)ですが、柴犬や秋田犬などの日本犬の場合には公益社団法人日本犬保存会が主体となって発行しています。
2.犬本人の情報
まず血統書の対象となる犬についての情報が記載されています。具体的には下記のような内容です。
- 犬種名
- 登録名/呼称
- 犬舎号(犬舎名)
- 性別
- 生年月日
- 登録番号
- 登録年月日
- きょうだい犬の数
- 身体の特徴
- 作出者
- 登録者
3.犬の両親・祖先の情報
すでにご紹介しているように血統書で重要となるのが、その犬の血統を証明することです。そのためその犬本人の情報だけでなく両親や祖先の情報も極めて重要になります。
- 両親祖先犬の犬名
- 両親祖先犬の犬舎号
- 両親祖先犬の登録番号
- 両親祖先犬の生年月日
4.受賞歴
また、本人や両親犬に品評会やショーレースでの受賞歴がある場合には、それも記載されています。より優れた純血種を作り出したいという場合には、優秀な遺伝子を持つわんこを選ぶ手がかりにもなるからです。
️まとめ
いかがでしたでしょうか?多くの場合、血統書はブリーダーやペットショップが発行手続きを行っており、飼い主さんは受け取るだけとなっているため、あまりまじまじと中身を読んだことはないかもしれません。
ですがこれを機に、一度愛犬の血筋を見直してみるのも新たな発見があって面白いかもしれませんよ。