犬にとって危険な身近なこと
1.室内の散らかし(異物の誤飲誤食)
犬にとって危険で最も身近なことは異物の誤飲誤食です。そのほとんどが自宅で起きています。
- 犬用のおもちゃ
- 靴下
- アクセサリー
- 化粧品
- 焼き鳥を竹串ごと
- お菓子に入っていた乾燥剤
実際にこのようなものを誤飲誤食してしまったケースがあります。
何を誤飲誤食してしまったのか、把握することができただけでも不幸中の幸いだったかもしれません。
しかし、対処が遅れてしまったことで腸閉塞を引き起こし、死に至ったケースがあります。気管に詰まらせて亡くなった犬もいます。
誤飲誤食は「させないこと」が基本中の基本です。
よく「うんちと一緒に出るのを待つ」という判断をしがちですが、うんちと一緒に出るのは異物の大きさや形によりますし、ある意味幸運な場合のみです。
飼い主が素人判断すると手遅れになる恐れがありますのでご注意ください。
2.ソファーやフローリング(脱臼・骨折)
脱臼・骨折で病院を受診する犬がいますが、自宅で起きる場合が目立ちます。
とくに多い原因が「ソファーから飛び降りた」と「フローリングで滑った」です。確実に防ぐことができるケガです。
「ソファーに乗るな!」と叱ったところで犬は乗ってしまいます。
飼い主の留守中に限って上り下りをする犬がいます。犬専用の階段やスロープを取り付け、使用できるよう使い方を教えてあげてください。どうしても上がってしまう場合は、ソファーが必ずしも必要でなければなくしてしまう、またはローソファーにしてもよいでしょう。
フローリングには、滑らないように対策をしましょう。滑り止めの塗料で加工する、絨毯を敷く、足裏の被毛をカットするなどがあります。
3.犬同士の喧嘩(咬傷)
安全なはずのドッグランでも、犬同士の喧嘩による咬傷が起きています。
出血が少なくても安心しないでください。傷口が小さくても安心しないでください。犬同士の喧嘩による咬傷は絶対に甘く考えてはいけません。
過去に起きた犬同士の喧嘩による咬傷で病院を受診した飼い主が獣医師に伝えた愛犬の様子は、「体の複数個所に少しの出血がある」と「痛みで体を動かすことができない」の2つでした。
そして、獣医師が手術を行った際に目にした犬の体の状態は予想以上に危険で恐ろしいものだったそうです。
- 皮膚の下では筋肉が完全に裂けていた
- 腹筋と腹膜に開いた穴から腸管が飛び出していた
- 腸管と腸に向かう血管が切れていた
- 小腸の一部分が壊死していた
犬の皮膚は被毛で覆われています。出血や傷に気づくことができない可能性があります。犬は咬みつくだけでなく、咬んで振り回すことがあります。このような咬まれ方をすると、見た目の傷以上に咬まれた内部の状態がひどくなります。
出血の量・傷の大きさ・傷の深さに関係なく、必ず動物病院で診察を受けてください。
まとめ
犬にとって危険な身近なことを4つご紹介しました。
- 室内の散らかし(異物の誤飲誤食)
- ソファーやフローリング(脱臼骨折)
- 犬同士の喧嘩(咬傷)
このような危険なことが実際に身近で起きています。
安全であるはずの場所で犬の命が危険にさらされてしまうことがあります。
愛犬を身近な危険から守れるのは飼い主だけ、という認識をもち家の環境の見直しをしてみましょう。