飼い主が動物病院やトリミングサロンで動画撮影をするのは基本NG
動物病院やトリミングサロンへ愛犬を連れて行った際に、その様子を録画する飼い主さんが多々見られるようになりました。
基本的には、動物病院やトリミングサロンでの撮影はNGです。
動物病院の場合事前に許可をもらえばOKなこともありますが、トリミングサロンの場合はガラス窓や受付などに『撮影NG』の掲示がしてあるケースも多々です。
また、事前許可をもらえればOKをもらえることがある動物病院でも、やはり撮影というのは好ましく思われません。
撮影は必要以上に処置・施術が長引く可能性あり
基本的に撮影がNGなのは、単純に処置や施術をする際の妨げになるからです。
撮影をしているだけで妨げをしているつもりはなくても、撮影をされる側はそれによって余計な気を使いますし、正直なところ邪魔でしかありません。
決して悪いことをしているわけではないと思いますが、単純にパフォーマンスが下がりやすくなります。
例えば、いつもと同じ作業をしている様子を間近で撮影されると変に緊張して、いつもと同じパフォーマンスで作業ができなくなったりしませんか?
撮影に限らず、人に囲まれてその様子を見られているだけでも緊張して、本来の自分を出せきれないことは容易に想像できるのではないでしょうか。
結果、些細なミスをしたり、うまく手が動かせなかったりして処置・施術時間に影響が出ることもあります。
ミスなく影響が出なかったとしても、精神的疲労は通常の比ではないことは間違いありません。
処置・施術をする相手はあなたの愛犬だけではないのです。
次に影響が出るようなことはやめるほうがお互いにとっても良いはずです。
カメラのレンズは犬にとって凝視する大きな目
また、愛犬にとってもカメラのレンズというのは脅威になります。
人間にとっては『カメラのレンズ』というだけであって特別脅威的な物ではないことは、だれもが認知していることですね。
しかし、犬にとってはカメラのレンズは自分を凝視してくる大きな目として映ります。
犬にとって目を合わせて凝視するという行為は『威嚇』を意味し、犬はそれによって緊張してしまうのです。
ただでさえ動物病院やトリミングサロンという非日常の空間は、犬にとって居心地の良いことをする場所とは限りません。
そこに、追い打ちをかけるようにカメラのレンズに睨まれたらたまったものではありません。
処置や施術をするうえで大事なのは「犬に必要以上のストレスを与えることのないよう、素早く作業を終わらせ開放してあげること」です。
カメラを向けるという行為は、作業する側があなたの愛犬にできるだけの配慮をしているのを、飼い主さん自身で邪魔をしている行為になります。
まとめ
可愛い愛犬の日常とは違う様子を動画で収めておきたいという気持ちは、頑張っている姿も愛おしいからこそだと思います。
しかしカメラを向けるということは、動物病院・トリミングサロンという作業をする側にとっても、愛犬にとっても大きなストレスを与えられることになるのです。
愛犬にとってはカメラのレンズが自分を威嚇してくる目として映るため緊張が高まり、処置や施術をする人間にとってもムダな緊張が起こり神経をすり減らします。
その結果、パフォーマンスが下がったり犬が必要以上に動いたり暴れたりとなんのメリットもありません。
飼い主さんだけがその様子を撮影できたことに満足するだけです。
愛犬に余計なストレスをかけず、そして処置や施術をしてくれる動物病院やトリミングサロンの邪魔にならないようにすることは、飼い主としての最低限の心遣いやマナーといえます。
簡単に撮影できてしまう時代ですが、だからこそ一度立ち止まって考えてみてください。