犬が『ん~』と鳴く時に考えられる3つの心理と接し方
突然、犬が「ん〜」と鼻にかかったような普段とは違う鳴き声を出すことはありませんか。普段とは少し違う鳴き声に「どうしたのだろう」と不安になる飼い主も多いです。犬が「ん〜」と鳴く時、どのような心理状態なのでしょうか。
1.「不安だな」
鼻にかかったように「ん〜」と鳴く時は、見たものや相手に対して何らかの不安や緊張を感じていることがあります。
例えば、初対面の相手に出会った時、あるいは以前会った時に「苦手だ」と感じた相手に出会った時などに見られることが多いです。「この人は怖い人じゃないかな」「この人は何してくるかわからないから不安だな」といった感情を抱いています。
初対面の相手であれば、その人に姿勢を低く接してもらうように促し、相手が良ければ手を差し出して匂いを嗅がせてあげてください。匂いを嗅ぐことで相手の情報を得ることができ、犬も安心して接することができます。
一度会った相手に対して不安そうな様子で「ん〜」と鳴いている場合は、無理に仲良くさせようとせず、その場の流れの中で犬が相手に興味を持った時に、優しく手を差し出して匂いを嗅がせてあげましょう。
2.甘えたがっている
飼い主に対して、どこか「かまってほしい」というような視線を送ったり、お腹を目の前で見せたりしながら「んー」と鳴く場合、飼い主に対して甘えたがっていることが多いです。
少しだけ不満が入り混じっている時に見せる甘えたいアピールです。「今日はあまりかまってもらえていないな」「遊んでほしいのに手元にあるものばかり見ている」といったように、ちょっぴり不満げに甘えたがっている気持ちを伝えています。
このような鳴き声を聞いた時は、その日、自分がかまってあげられていないかどうかを思い返してみてください。「今日はあまり遊んであげられていないな」「かまってアピールをたくさん断っちゃった」という場合は、ぜひ愛犬との時間を作ってあげましょう。
ただし、「今日はいつものように遊んだのに」「さっきもかまってあげたのに」という場合は、単純に欲求が強くなっていたり、分離不安のように依存心が高くなっている可能性があります。この場合は断っても良いでしょう。
3.「残念だな」
「んー」と犬が鳴く時は、何らかの要求を聞いてもらおうとしていることがあります。しかし、その要求に対して飼い主や周囲の人が思い通りに動いてくれないことで、「残念だな」と感じていることが多いです。
こうした自分の期待とは違う展開が起こったことに対して、不満を感じているため、「んー」と鳴くことで小さな反抗や不満な気持ちを意思表示しているのです。
ここで「ごめんね」「どうしたの?」などとかまってしまうと、「んー」と鳴けば言うことを聞いてくれる、かまってくれると勘違いしてしまう恐れがあります。
飼い主が一貫したルールの元で愛犬からの要求を拒否した場合(おやつを与えるタイミングや遊ぶタイミング)は、そのルールを愛犬からの要求によって捻じ曲げず、貫き通すようにしましょう。
怪我や体調不良を訴えているケースも…判断方法は?
基本的に、犬がいつもの様子で「んー」と鳴いている時は、少しの「甘え」が根底にあります。「甘えたいな」「不安だから飼い主さんにどうにかしてもらおう」「これがやりたいのにやってくれない!」といった気持ちが反映されていることが多いです。
しかし、中には怪我や体調不良によって不安や恐怖を感じ、「んーんー」と時々訴えかけてくるケースもあります。怪我や病気を訴えている時に無視したり見逃したりするのは危険です。
- いつもより床に座っていたり伏せたりしている時間が長い
- 呼びかけても近寄ってこない
- 移動する時に足やお腹をかばうような動きを見せる
- 抱っこを嫌がる
- いつもより食欲がない
- 下痢や嘔吐といった症状が見られる
以上のような異変が見られる場合は、念のため、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
犬が「ん〜」と鳴く時は、飼い主に対して「甘えたい」「どうにかしてほしい」といった気持ちが隠されていることが多いです。しかし、場合によっては怪我や体調不良による異変を訴えていることもあるので、こうした異変は見逃さないようにしましょう。