犬の散歩はたくさんすればいいというわけではない!
皆さんは愛犬とどのくらいの距離、時間を散歩していますか。「健康のためにも、犬のストレス発散のためにもたくさん散歩させるべき」と考えている飼い主が多いですが、実は犬の散歩はたくさんすればいいというわけでもありません。
犬にとって散歩量が少なすぎるのも問題ですが、あまりにも散歩量(運動量)が多すぎると、体に負担がかかってしまうからです。
特に子犬や老犬、小型犬などは体に負担がかかりやすいです。あまり無理に長い距離を散歩させてしまうと、飼い主が気づかぬ間に体に負担がかかり、怪我や体調不良につながってしまうかもしれません。
犬がSOSを出している『散歩のしすぎサイン』3選
犬は散歩中に「疲れたな」「ちょっと体調が悪いな」と感じた時、ある『散歩のしすぎサイン』を出しています。このサインを見逃さず、疲れた様子を見せているときは無理せず休ませたり帰宅したりしましょう。
1.舌が紫色になっている
散歩中に呼吸をしている時、舌が外に出た状態で息をしていることはよくあります。この際、舌の色は定期的に確認するようにしてください。
舌の色が紫色に変色している場合、血中の酸素が不足している『チアノーゼ』を引き起こしている恐れがあります。チアノーゼは命に関わる危険性を伴う症状であり、中には心臓病や肺炎といった重い病気が関係しているケースも少なくありません。
舌が紫色に変色したり、唇が青紫色に変色している場合は、チアノーゼが疑われるのでまずは散歩をすぐに中断し、かかりつけの動物病院を早急に受診しましょう。
2.呼吸の間隔が短く息が荒い
犬が散歩をしすぎたことにより体力が必要以上に消耗されてしまった場合、呼吸の間隔がいつもより短くなったり、息が荒くなりよだれを大量に垂らしたりといった症状が見られます。
あまりにも長い距離を歩きすぎてしまったり、休憩無しで長時間歩き続けてしまうと、息が上がってしまい呼吸困難に近い状態に陥ってしまいます。
そのまま無理に歩かせてしまうと、本格的に呼吸困難を引き起こしたり、場合によっては脱水症や熱中症、ふらつきや意識を失ってしまうなど、症状が重症化してしまう恐れがあります。
3.突然座り込み歩かなくなってしまう
散歩中に愛犬が突然座り込み、その場から動かなくなってしまうといった『お困り行動』を見せることは少なくありません。犬が突然座り込み動かなくなってしまう理由は様々ですが、その中には「疲れた」と疲労困憊が原因で座り込んでいることもあります。
この場合「ハァハァ」と短い間隔で呼吸していたり、ヨダレをダラダラと垂らしていたりといった様子が見られるのが特徴的です。
無理に「行くよ」と引っ張ってしまうと、余計に呼吸がしにくくなってしまいますし、疲労困憊の犬を無理に歩かせるのは危険です。一度立ち止まって休息をとりましょう。
犬がSOSを出したら散歩は継続するべき?適切な対処法
上記で紹介したようなSOSサインが散歩中に見られる場合、飼い主としてどのように対応するべきなのでしょうか。
すでに軽く触れている通り、疲労困憊の様子を見せている犬は、無理に歩かせるのは禁物です。無理にリードを引っ張って歩かせてしまうと、より疲労が蓄積されて体調不良につながったり、散歩中に呼吸困難やふらつきといった症状を引き起こしてしまう恐れがあります。
こうしたSOSサインが見られた場合は、まず安全な場所に連れて行き、十分な休息をとりましょう。その際、水を飲むことができそうであれば水を補給することも忘れないようにしてください。
元気が見られたら、そのまま散歩を継続するのではなく、家に帰る方向へ向かいます。そのまま散歩を継続してしまうと体力を必要以上に消耗してしまい、危険だからです。
また、チアノーゼのような症状が見られた場合には、散歩をすぐに中断し、病院へ連れて行ってください。場合によっては命に関わる危険性があるため、早急な処置が必要となります。
まとめ
いかがでしたか。犬は体格や年齢、その犬の体力に適した距離を散歩させることが大切です。長く散歩しすぎても体力を必要以上に消耗してしまったり、チアノーゼを引き起こしたりする恐れがあります。愛犬にあった散歩量を毎日行うようにしましょう。