犬が痙攣を起こした場合に考えられる病気
犬の痙攣は、本人の意思に反して身体がビクビクと動いてしまったり、稀に意識を失ってしまったりする症状です。
こうした痙攣は症状が軽い場合は必ずしも病気が原因とは限りません。しかし、複数回痙攣発作が起こる場合は、以下のような病気が関係している可能性が疑われます。
- てんかん
- 脳腫瘍
- 中毒症状
- 腎機能/肝機能不全
- 低血糖
- 心臓発作
特にてんかん発作は全犬種が起こしやすい病気と言われています。また、脳腫瘍や中毒症状、心臓発作など、非常に危険なケースも見られるので楽観視せずにその後も注意深く見守りましょう。
すぐに病院へ連れて行くべき!犬の危険な『痙攣』3選
痙攣を起こしたからと必ずしも恐ろしい病気が隠れているとは限りません。しかし、以下のような症状が見られた場合、病気や中毒症状が関係している可能性があります。すぐに動物病院へ連れて行き、診察や検査を受けてください。
1.1日に何度も痙攣を起こす
基本的に痙攣発作は単発であるケースが多いです。しかし、1日に複数回痙攣を起こす場合は、何らかの異常が体内で起きている可能性があります。
痙攣は脳内で何らかの異常が発生したことで発症していることが多く、脳に関係する病気が影響していることもあります。1日に複数回起こすケースは稀なので、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
また、短時間に痙攣発作を複数回起こしている場合も緊急性が高いです。短時間に何度が痙攣発作が起きたけれど、その後は特に起こしていないからと放置せず、一度動物病院に相談してください。
2.痙攣している最中に別の痙攣を起こす
稀に痙攣発作を起こしている最中に、さらに別の痙攣発作を誘発してしまうケースがあります。こうしたケースも単なる疲れやストレスによる痙攣発作とは異なります。
痙攣している最中に2回目の痙攣発作を起こす重積発作と呼ばれる痙攣は、緊急性が高い症状である可能性があります。その後、重い症状を発症してしまう恐れもあるので、その前に動物病院へ連れて行きましょう。
3.痙攣発作の時間が5分以上続く
一般的に痙攣発作は1回2〜3分、長くても5分以内に治まることがほとんどです。しかし、5分以上様子を見ていても痙攣が治まる様子がなかったり、前述したように再び痙攣発作が起こったりした場合は、緊急事態とみてください。
痙攣発作が5分以上続いてしまうと、一般的にみられるてんかん発作などとは異なり、脳腫瘍や癲癇発作の重積状態などの重い病気が考えられます。
犬の痙攣は夜に見られることが多いため、こうした緊急事態でも受け付けてくれる夜間の動物病院をあらかじめ調べておくと安心です。
愛犬が痙攣を起こした時に飼い主が取るべき対応
もしも愛犬が痙攣を起こした時のことを想像すると、焦って「どうしたの!?」と声をかけたり揺さぶったりしたくなる飼い主も多いでしょう。しかし、こうした行動は逆効果です。
愛犬が痙攣発作を起こした場合、基本的に犬には触れず痙攣発作の状態を観察してください。それと同時に痙攣により周囲の家具などにぶつからないよう、周りに物が置かれている場合は愛犬から離してあげましょう。
首輪をつけている場合はできる限り犬に刺激を与えないよう、そっと慎重に取り外してあげてください。
周囲の安全を確保した後は、愛犬が痙攣を起こした時間を計ったり、スマホの動画機能を使い様子を記録してください。実際に動画で撮影しておくことで、後日病院を受診した際の参考になるからです。
もしも5分以上経過しても痙攣が治らない場合は緊急事態です。その時間帯に開いている動物病院を調べ、すぐに連れて行ってください。
まとめ
犬の痙攣はすぐに治まり状態が悪くなければ、必ずしも受診が必要とは限りません。しかし、今回紹介したような症状が見られる場合は、緊急性の高い痙攣発作である可能性があります。普段から夜間も受け付けている動物病院を調べておき、いざという時に備えましょう。