恥ずかしいけど〇〇言葉
大人は幼児に話しかけるとき「おやちゅ食べようか」、「ねんねの時間だね」などといった赤ちゃん言葉を使います。母音を強調して幼児に伝えることで、自然に言葉を早く覚えるようにする効果があるためです。
日本だけでなく、世界各地どんな国にもこうした幼児向けの言葉は存在するそうです。また、赤ちゃん言葉は人のみならず、チンパンジーの母子間でも使われます。
母子間でおきる現象と同じように、人は犬や猫など小さい動物を見ると母性本能を刺激され赤ちゃん言葉で話しかけてしまうことがあります。通常の言葉と赤ちゃん言葉、この二つの掛け声を比較した研究では、犬は赤ちゃん言葉の方が「リラックス」「幸せ」「期待」といった感情が高まるという結果も出ています。
犬が喜ぶ声のかけ方3選
ここからはどのような声のかけ方をすると犬が喜ぶのか、具体的な3つのパターンについて解説します。
1.ハッピーソプラノ
ハッピーソプラノとは、優しい声色のことです。女性の方が好まれるという意味ではなく、男性でも子供でも、穏やかでゆったりとした声を犬は好みます。
ただし、キーキーとした甲高いピーキーボイスは犬の不安をあおるので、落ち着いたソプラノで声をかけるのがおすすめです。良いことをほめるときは特に、女神のようにきれいなソプラノを意識してみてください。
2.キラーワード
犬は「おさんぽ」や「ごはん」のキーワードを含めて声をかけると大喜びします。
どの犬にもワードを聞くだけでテンションが上がり、いてもたってもいられなくなるキラーフレーズがあるはずです。
飼い主は愛犬の喜ぶ顔が見たいからとキラーフレーズをつい多用しがちですが、からかうために使うのは避けましょう。犬は有言実行し、約束を守る人に信頼を寄せることを忘れないでください。
3.最初の贈り物
犬は名前で声をかけられると大喜びします。産まれてきた赤ちゃんへの最初の贈り物は、名前です。人だけでなく、犬もまた同じことが言えます。
子犬を迎えた場合はもちろん、里親などで成犬を譲り受けた場合でも、元の名前で呼ぶか、新しいちがう名前で呼ぶかについては飼い主が選べることが多いです。
一説では、犬はたくさんの雑音の中でも、飼い主が自分の名前を呼ぶ声だけは聴きとれるといわれています。それほど、犬にとって自分の名前は大事なものなのです。
そら、チョコ、はな、ポン、ふく、ゆめ、ライカ、テンポ、きゃん...。もう、数えても数えきれないくらいのたくさんの名前がある中、あなたはなぜ、その名前を犬に付けたのでしょうか。名前の数だけストーリーがあるはずですね。
しかし、「こら!〇〇ちゃん!!!」など、名前を呼んで犬を叱り続けると、自分の名前に良い印象が持てなくなってしまいます。名前は必ず良いこととセットにしほめるときに使うと、より強い関係を築けるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。私たち訓練士は、犬が良い行動、望んでいる動作をした瞬間に「そうそう、そうそう!」や「いいよ、いいよ」などのかけ声をかけます。
英語圏においても「Good ,Gooooood!」など、似たようなほめ方が多いですね。人によってフレーズは違いますが、とにかく犬をほめたたえ「その調子!」と応援して犬を良い行動へと導き育てていきます。
「プロとは違うから、飼い主が同じように言っても無理じゃない?」と思われた方も多いでしょう。しかし、それは間違いです。犬に伝わる声のかけ方で大事なのは、テクニックよりも気持ちです。
愛犬との仲を深めるためにも、今回解説した声のかけ方を実践してみてください。