️やたら吠えている?考えられる「犬の病気」
1.椎間板ヘルニア
椎間板は、椎体と椎体の間でクッションの役割をしている組織です。
椎間板が変性し、神経側に飛び出すと『椎間板ヘルニア』が起こります。
椎間板ヘルニアはハンセンⅠ型とハンセンⅡ型に分かれていて、Ⅰ型は軟骨異栄養性犬種(※1)、Ⅱ型は非軟骨異栄養性犬種(※2)に発症しやすい病気です。
強い痛みを伴うため、触ろうとすると悲鳴のような鳴き声をあげ、抱っこを嫌がるそぶりを見せます。
※1 ミニチュア・ダックスフンド、ビーグル など
※2 柴犬、トイ・プードル、パピヨン など
2.脊髄空洞症
『脊髄空洞症』は、脊髄に水が溜まり、脊髄を内側から圧迫して起こる病気です。
主な症状として、知覚過敏と疼痛が挙げられます。
全身の神経障害となるため、痛みの場所がはっきりせずに痛がる様子を見せたり、首のヘルニアと症状が似ていて、間違われることもあります。
3.血栓塞栓症
血液中にできる血のかたまりを「血栓」と呼びます。
『血栓塞栓症』とは、血流で流された血栓が、血管内を流れ細い血管などで詰まってしまい血流が途絶えてしまう病気です。
突然の痛み、後肢のしびれ・麻痺により、興奮して吠えることがあります。
4.認知症
突然激しく吠えるようになったら、『認知症』で苦痛を感じているかもしれません。
自律神経の機能が低下するため、他にも以下のような行動変化が見られます。
- 声に抑揚がなく、一定のリズムで鳴き続ける
- 夜中から明け方の決まった時間帯に吠える
- 室内を徘徊する
- よく食べるのに太らない
- 他の動物に対する反応が鈍い
️たくさん吠えて、犬は疲れない?
警戒、要求など感情の有効な伝達手段となっている「犬の吠え」。
大声あるいは長時間ずっと吠えていたら、犬は疲れを感じないのでしょうか。
結論からお伝えすると、たくさん吠えると犬だって疲れます。
当然喉に負担がかかりますし、吠え続けると体力を消耗するからです。
全く吠えない状態にすることは難しいですが、留守番前の運動時間を増やしたり、安心できるハウスを与えて吠えの軽減に努めましょう。
️まとめ
吠える行動自体は病気ではありません。
物音に敏感な犬はいますし、本能的な性質も関係しています。
だからこそ、吠えが病気のサインとは気付きにくく、見逃してしまいがちです。
犬のちょっとした変化に気付けるのは、飼い主しかいません。
「吠え方」や「吠える時間の長さ」には意識的に耳を傾け、犬の健康管理に気を配りましょう。